虫食い算 1番
この問題を見たときにまず目に飛び込んでくるのが、各桁の積の万と一の位がすべて「新春」となっているところであろう。
どのような仕掛けになっているのか、興味が沸くところである。
春に恭賀とりの4つを掛けた積の一の位が全て春になるので、考えられる可能性は、
・春が5で、恭賀とりが奇数
・春が0
の2通りであるが、恭賀とり(及び春)が違う数字だとすれば、恭賀とりはそれぞれ1,3,7,9のいずれかになるはずであるが、各桁の積は全て5桁、1万を超えているため、1であるはずがなく、前提に合わないために、春が0であることがわかる。
また全ての桁の積の万の位が同じ新であることから、恭賀とりのうち2つの数が倍以上離れていてはいけないことがわかる。つまり例えば恭が3で賀が6だとすると、恭を掛けた答えの2倍が賀を掛けた答えになるが、そうすれば万の位は当然2倍されて、同じ新になるという条件を満たさなくなる、ということである。
上記の事柄から、恭賀とりの4つの数字は全て4以上の数、ということがわかる。
恭賀とりについてもう少し詳しく見ていけば、それぞれが違う数字ならば、一番大きい数と一番小さい数では3以上の差が離れていることになる。一番大きい数がとりうる最少の数字は7(7,6,5,4)、一番小さい数字がとりうる最大の数字は6(6,7,8,9)である。
もし新が2以上であると仮定すると、積が2万以上になるので、上段の数は最低3334(3334×6=20004、掛ける数が4,5だとそれぞれ5千、4千以上の数字が必要)であるが、一番小さい数字が6のときは一番大きい数字は9になるので、3334×9=30006になって、積が3万を超えてしまう。新が2以上で各桁とも積の万の位が同じになることは有り得ないので、新は1であることがわかる。
上記までの結果を埋めると以下のようになる。
ここでa+と+0の合計の一の位がと、なので当然a=0である。
恭賀とりを掛け合わせて、それぞれ万の位が1になるような上段の数字の可能性は以下のようになる。
さらにこのうち、一の桁の乗算結果が、□□10×り=1□0り0であることから、乗算結果の百の位が0になるのは、
・2010×(5~9のいずれか)
・2210×5
・2410×5
・2510×(4または6)
・2610×5
・2810×5
のいずれかであることがわかり、上段の千の位が2であることがわかる。
ここからはある程度試して確認してみる必要があるように思われる。
千の桁の乗算結果から、恭-3<=b<=恭-1であることを利用して絞りこむようなことは行えるが。
最終的には当然ながら、式の全てを満たすような数字の当てはめ方は一通りしかない。
すなわち下記の通りである。
ここで思い出して頂きたいのはこれが年賀算であることである。
1981年の年賀算、すなわち昭和56年。
そう、乗算結果に見事に埋め込まれているではないか!
一の位は0なので、四つ並ぶのは当たり前だが、これと万の桁を揃えて新春を並べる構想に仕上げたのは巧みなところである。
一意解にするための無駄駒(最初からの表出数字)もなく、あらかじめ文字で表されたものの各種最低2個以上使われている。(言葉にするために一種の文字を一つしか使わないようではやはり減価事項である)
個人的には56という数字に干支のとりが当てられているのが嬉しい。和暦と干支という和的な年の表し方でまとめられている方が、新春や恭賀などで当てられているよりも統一感が生まれると思うがどうであろうか。
ちなみに作者の言によれば「初めて作った虫食い算」だそうである。初めての作からこの完成度とは改めて舌を巻く思いである。
この問題を見たときにまず目に飛び込んでくるのが、各桁の積の万と一の位がすべて「新春」となっているところであろう。
どのような仕掛けになっているのか、興味が沸くところである。
春に恭賀とりの4つを掛けた積の一の位が全て春になるので、考えられる可能性は、
・春が5で、恭賀とりが奇数
・春が0
の2通りであるが、恭賀とり(及び春)が違う数字だとすれば、恭賀とりはそれぞれ1,3,7,9のいずれかになるはずであるが、各桁の積は全て5桁、1万を超えているため、1であるはずがなく、前提に合わないために、春が0であることがわかる。
また全ての桁の積の万の位が同じ新であることから、恭賀とりのうち2つの数が倍以上離れていてはいけないことがわかる。つまり例えば恭が3で賀が6だとすると、恭を掛けた答えの2倍が賀を掛けた答えになるが、そうすれば万の位は当然2倍されて、同じ新になるという条件を満たさなくなる、ということである。
上記の事柄から、恭賀とりの4つの数字は全て4以上の数、ということがわかる。
恭賀とりについてもう少し詳しく見ていけば、それぞれが違う数字ならば、一番大きい数と一番小さい数では3以上の差が離れていることになる。一番大きい数がとりうる最少の数字は7(7,6,5,4)、一番小さい数字がとりうる最大の数字は6(6,7,8,9)である。
もし新が2以上であると仮定すると、積が2万以上になるので、上段の数は最低3334(3334×6=20004、掛ける数が4,5だとそれぞれ5千、4千以上の数字が必要)であるが、一番小さい数字が6のときは一番大きい数字は9になるので、3334×9=30006になって、積が3万を超えてしまう。新が2以上で各桁とも積の万の位が同じになることは有り得ないので、新は1であることがわかる。
上記までの結果を埋めると以下のようになる。
□□10 ×恭賀とり 恭賀とりはいずれも4以上 ------ 1□aり0 1□□と0 1□□賀0 1□□恭0 --------- □恭賀10とり0
ここでa+と+0の合計の一の位がと、なので当然a=0である。
恭賀とりを掛け合わせて、それぞれ万の位が1になるような上段の数字の可能性は以下のようになる。
4 5 6 7 8 9 1710 10260 11970 13680 15390 1810 10860 12670 14480 16290 1910 11460 13370 15280 17190 2010 10050 12060 14070 16080 18090 2110 10550 12660 14770 16880 18990 2210 11050 13260 15470 17680 19890 2310 11550 13860 16170 18480 2410 12050 14460 16870 19280 2510 10040 12550 15060 17570 2610 10440 13050 15660 18270 2710 10840 13550 16260 18970 2810 11240 14050 16860 19670
さらにこのうち、一の桁の乗算結果が、□□10×り=1□0り0であることから、乗算結果の百の位が0になるのは、
・2010×(5~9のいずれか)
・2210×5
・2410×5
・2510×(4または6)
・2610×5
・2810×5
のいずれかであることがわかり、上段の千の位が2であることがわかる。
2□10 ×恭賀とり 恭賀とりはいずれも4以上 ------ 1□0り0 1□□と0 1□□賀0 1b□恭0 --------- □恭賀10とり0
ここからはある程度試して確認してみる必要があるように思われる。
千の桁の乗算結果から、恭-3<=b<=恭-1であることを利用して絞りこむようなことは行えるが。
最終的には当然ながら、式の全てを満たすような数字の当てはめ方は一通りしかない。
すなわち下記の通りである。
2010 ×9856 ------ 12060 10050 160800 18090 --------- 19810560
ここで思い出して頂きたいのはこれが年賀算であることである。
1981年の年賀算、すなわち昭和56年。
そう、乗算結果に見事に埋め込まれているではないか!
一の位は0なので、四つ並ぶのは当たり前だが、これと万の桁を揃えて新春を並べる構想に仕上げたのは巧みなところである。
一意解にするための無駄駒(最初からの表出数字)もなく、あらかじめ文字で表されたものの各種最低2個以上使われている。(言葉にするために一種の文字を一つしか使わないようではやはり減価事項である)
個人的には56という数字に干支のとりが当てられているのが嬉しい。和暦と干支という和的な年の表し方でまとめられている方が、新春や恭賀などで当てられているよりも統一感が生まれると思うがどうであろうか。
ちなみに作者の言によれば「初めて作った虫食い算」だそうである。初めての作からこの完成度とは改めて舌を巻く思いである。