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時には目食耳視も悪くない。

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終わらない宿題【動画紹介】ヒトコトリのコトノハ vol.100

2025年04月25日 | 動画紹介
☆本記事は、Youtubeチャンネル『本の林 honnohayashi』に投稿された動画を紹介するものです。
 ご興味を持たれた方は是非、動画の方もチェックしてみて下さいね!

 ●本日のコトノハ●
  理想は容易には達成され難い。人間は、理想の名において、悪をなすことができる存在である。
  いや、むしろ、理想の名においてこそ、大きな悪をなすことが可能となる。権力体制を維持しようと
  する側も、またこれを打倒しようとする側も、いずれも、理想の名において、戦い合う。
  人間はほとんど多くの場合において、偽善者たらざるを得ない。
  (中略)…人間を人間たらしめるものは、人間のうちにある動物性ではなく、
  人間に課せられている理想であり、意識的に形成さるべきものであった。
  それは、日常の礼儀作法のごときから、戦いの際の正義の規則に至るまで、
  すべて動物的本能を文化的教養に洗練する一切のものを意味したのである。

 『人間の思想の歩み』山崎正一(1972)講談社より


 自分の人生をどう生きるかということは、終生、自分に課せられ続ける宿題みたいなものです。
 私の理想の人生は、日々をのんびり静穏に暮らすことです。
 他人と比べられたり、誰かと競い合うことなど望んでいません。

 人よりも目立ちたいとは思いませんが、存在を無視されたくもありません。
 「普通」という言葉の定義は難しいのですが、「普通」に生きていきたいと思っています。
 衣食住に困らない程度の経済力が欲しいですし、日々を元気に過ごすことのできる健康や体力が何よりも大事だと思います。

 自分のやりたいことが、今現在できないでいるのならば、何故できないのか考えるようにしています。
 例えば、能力的にできないのか、あるいは、時間やお金が足りないといった条件や環境が原因でできないのかということを考え、では、できるようにするにはどうしたら良いのか、または、どうやっても実現不可能であるのかということを一通り考えてみるのです。
 もちろん、社会の中で生きていれば、やりたくないことでも、やらなくてはいけないこともあります。
 しかし、一見、自分には必要のない経験だと思っても、後になってみると、その時の経験が役に立ったということに覚えのある人は少なくないのではないでしょうか。

 私は本を読むのが好きですが、本なんて読んだって何の役にも立たない、時間の無駄だと考える人もいるでしょう。
 本を読む、読まないはその人の自由であり、本を読まないからといって、その人の人生がつまらないものであるとは私は思いません。
 自分にとっての理想が、他の人にとっての理想とは限らないのです。
 有名ブランドの靴やバッグに興味のない人間(それは私)もいますし、腕時計やアクセサリーは紛失してしまうので要らないと思っている人間(それも私)もいます。

 いずれにしろ、趣味嗜好の多様な人間に共通の理想があるとしたら、「世界平和」だと私は思うのですが、皆さんはどう思われるでしょうか。


 さて、本記事が『ヒトコトリのコトノハ』シリーズ、100回目の投稿となりました。
 読書とは、単純に他人の書いた言葉を読むということだけではなく、それらの言葉に触れて、自分の中から何らかの感情や考えが引き出される効果も含まれていると、私は思います。
 たとえ、それがネガティブなものであったとしてもです。

 本当は、嫌悪を感じてしまう本、全く共感を覚えない本にこそ、人生をうまく生きてゆくヒントのようなものが書かれているのかもしれません。
 現実世界では、目を背けたくなるような光景に出くわすことは珍しくありません。
 実際、私を含め多くの人は、自分に都合の悪いことは見て見ぬふりをして、日々を暮らしている、あるいは、そうせざるを得ないでしょう。
 それでも、何も考えずに生きているわけではなく、次々と起こる出来事に対し、心を動かされ痛みを感じるものの、自分にできる範囲を越えて行動することはできないという現実と向き合わざるを得ないでいるのです。

 自分の理想を実現しようと努力しても、それが叶う人もいれば、叶わない人もいます。
 理想だと思って手に入れたものが、実はそんなに素晴らしいものではなかった、なんてことも人生に起こり得る。
 それならば、理想なんて追い求めず、努力なんかしないで、好きなこと、やりたいことだけをして生きてもいいのではないか。
 それが理想の人生だと思う人もいるかもしれません。

 今の時点では、この課題に対する明確な答えは見つからないのですが、これからも私は、いろんな人が書き残した言葉に触れ、いろんなことを考えながら生きていくのだろうと思います。
 『ヒトコトリのコトノハ』は、100回を区切りに最終回とします。
 (今後、このブログをどうするか目下、考え中です。。。)




ヒトコトリのコトノハ vol.100


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