時には目食耳視も悪くない。

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【動画紹介】ヒトコトリのコトノハ vol.29

2023年11月03日 | 動画紹介
☆本記事は、Youtubeチャンネル『本の林 honnohayashi』に投稿された動画を紹介するものです。
 ご興味を持たれた方は是非、動画の方もチェックしてみて下さいね!

 ●本日のコトノハ●
  私はアリストテレースが『ニコマコスの倫理学』で何かの折に表明した「賢者は快楽を求めず、苦痛なきを求める」
  という命題がおよそ処世哲学の最高原則だと考える。

 『幸福について ―人生論―』ショーペンハウアー著/橋本文夫訳(1958)新潮社


 「幸せとは苦痛のない状態のことである」とするショーペンハウアーの考えに、今の私は積極的に同意できます。
 学生の時に求めたものは、欲しいものを何でも手に入れられるだけの経済力であったり、孤独を埋めてくれる友人や恋人、それから、読みたい本や服やアクセサリーなど趣味のものでした。

 40歳を過ぎた今、これといって欲しいものがありません。
 必要に迫られて欲しくなるもの、例えば、台所洗剤とか掃除用品の補充、古くなった下着の替えなどは買わなくてはいけないのですが、アクセサリーは身に着けなくなりましたし、本も読みたいものは近所の図書館に行けばありますし、友人に会うのも年に1度あるかないかでも別段困りません。

 仕事について言えば、もう少し収入が多い方が助かるというのが本音ですが、苦痛を感じるほど困窮しているわけではないという状況です。
 (もちろん、世間一般の基準では低収入になりますが…)
 恋人や結婚に関しては、現在私はバツイチアラフォーで、親しい関係にある人もいないのですが、不都合を感じることはありません。

 かつて、結婚していた時のように「君の起こし方が悪いから仕事に行けない」と責められることもありませんし、お風呂上りに「君が着替えを用意しないから、ボクはずっと裸のままなんだ」と、全裸で家の中を歩き回る不愉快な存在を視界にいれなくてはいけない苦痛もありません。
 結婚できないのが不幸なのではないと、今の私は心の底から納得できています。
 誰からも監視されず、命令されず、行動の自由を制限されず、理不尽を押し付けられることもなく、のんびり過ごすことができています。

 幸せのあり方は人それぞれだと言われるとおり、他人にとっての幸せは自分にとっての幸せではありません。
 その逆も然り、自分が幸せだからといって、それを他人に押し付けることのないよう気をつけたいものです。


ヒトコトリのコトノハ vol.29


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