K.M. Rodsmiths

自分で作ってしまえ (バンブーロッド、ランディングネットetc.)、ネコ、

全損事故

2024年04月14日 | Weblog

前にも書いているが、これまで何度か事故の経験がある。
バイク、自転車、4輪、いずれも相手の不注意や違反が原因だ。
バイクの時は、ケガがなかったことは奇跡に近い。
事故の記憶は、一部を除き、未だに鮮明で、一生忘れられないだろう。

〝二輪の運転者は先程の救急車でもう病院の方に搬送されたのですか 〟
が救急車が帰った後に現場に到着した警官の言葉だ。
その事故捜査専門の警官は、事故の状況からライダーは重症で、先着
の救急車で搬送されたと思ったらしい。
事故相手の営業用のADバンは、右全面ボコボコ。
私のバイクは、左側の、ミラー、ウインカー、セパハン、クランクケ
ースガード 、ペダル、ステップ、そして、マフラーが逝った。
フレーム、タンク、サイドカバーが無傷だったのは、ライダーが身を
挺して衝撃を和らげたからに違いない。

事故の様子はおおよそ以下の通り。
片側2車線の左側を走行中、道路脇から飛び出してきたバンを、ホー
ンを鳴らし減速しながら右車線に回避。
しかし、バンはさらに幅寄せし、分離帯との間に挟まれもはや回避で
きなくなり、右折車線に入るところで車両後部右フェンダーに衝突。

ここからの記憶が何故かない、一瞬魂がどこか別の所に飛んでしまっ
ていたのかもしれない。
おそらく、バンにもたれる様な状態で並走、分離帯に衝突する
直前、右折車線に入り3車線になったところでバンが急停車。
バイクはすぐには止まれず、バン右側をボコボコにしながら
前方まで行き、フェンダーを過ぎた辺りで支えを失い転倒。

ここから再び記憶が戻る。
対向車線をダンプなど大型が数台猛スピードでカッ飛んで行った。
自分は交差点の横断歩道あたりで止り、バイクは火花を散らしなが
ら路面を滑って行き、路肩に当たり停止。
起き上がると、ヘルメットをとって、頭を打っていないか確認した。
確認すると、急に怒りが込みあげてきた…

事故後間もなく現場にやってきた相手損保の担当者は、スキンヘッ
ドに派手なダブルのスーツと、絵に描いたような〇〇さんスタイル
だった。
驚くことに、救急車と同時くらいに現場に着いたと思う。
『7:3、いや6:4だな。』とか、勝手なことを言うので追い返した。

警官に対する聴取では、左車線から右折車線まで衝突を回避しよう
としたが、分離帯との間に挟まれ、逃げ場がなくなり衝突してしま
ったことを順を追って正確に説明した。
バンの運転者である相手は、本社から赴任したばかりの大手事務機
の支店次長で、相当数保有する営業車の安全管理の責任者も兼務し
ていた。
得意先への赴任の挨拶周りの途中での事故だった。本人、同乗者と
の話に夢中になり、安全確認せず道路に出て、衝突して初めてバイ
クに気付いた、と言っていた。
なるほど、あのヤーさん、大口顧客のお偉いさんだから、スッ飛ん
で来たんだと納得した。

『交通安全の責任者である自分が業務中不注意で事故を起こし、被
害者に怪我をさせたなんて事になれば進退問題です。怪我がなかっ
たことで、何とかクビがつながりました。保険とは別に、修理費等
必要があれば自分が出します。』
事故当日夜、私の自宅を訪れた当人の言葉である。

先ずは損保会社と交渉するので、埒が明かないときの仲立ちをお願
いした。
損保会社に行って支店長と直接面談し、こちらには過失がないこと、
可能な限りの衝突回避行動は取ったこと告げた
そして、バイクの損害のすべて、ヘルメットその他、擦り切
れたりした二
輪用の革製の衣類を保証することで合意した。

バイク屋のおやじに、『二輪相手だと保険会社はなかなかお金を払
わない。これまですぐに支払われたのは、親が議員やその筋の時く
らい。早く修理したかったら立て替えといて。』と言われた。
そんなお金(30万くらいだったか)はないので、すぐに損保会社の
支店長に連絡したらすぐ振り込んでくれた。
『もう修理代出たよ。何かやった?そういう家じゃねかったよね?』
とバイク屋のおやじ。
おそらく、次長さん、損保会社に圧力をかけてくれたんだと思う。

さて、画像の事故車、私が加入する損保の担当者は、車両を一見し
て全損としたそうだ。
それまでの経験では、損保の査定はかなり渋く、あっさり全損を認
めたことに驚いた。
左のドアが開いているのは、車体が歪んで運転席のドアが開かなか
っので助手席から出たからだ。
事故直後は、車体前部からかなり湯気と煙が出たので、火が出たら
マズいと焦った覚えがある。
すぐに到着した警官に、この規模の事故は自分たちの処理能力を超
えるため、交通事故専門の者が来るまで、少し待ように言われた。
待っている間、その警官に手伝ってもらい、斜めになって道路を塞
いでいた私の車を画像のように道路と平行にした。
相手方の車両は、ガードレールに突っ込んで脱輪し移動ができない
状態だった。
この、突っ込まれて斜めになった事が意外に重要で、私が相手を弾
き飛ばしたのではないことを示しているのだ。
さらに、私が徐行していなければ、相手の車が横転、あるいは、進
行方向とは大きく角度を変えて突っ込んでいたはずである。

後日警察に呼ばれ、事情聴取をうけた。
警察の事故の見立ては、事実と少し異なっており、上記のごとく、
事故発生機序を詳しく説明すると、ほぼその通り調書に記載してく
れた。
事故の相手は事故現場でも、信号があることには全く気付かなかっ
たと述べていた。
つまり、全く減速せず突っ込んできたということ。

最後に相手(90歳近い高齢者)に対する処罰感情の程度を聞かれた
が、刑罰はどうでもいいが免許を返納し今後運転は止めてほしい旨
伝えた。
聴取後、署名を求められた書類には確か、過失運転致傷罪被疑者供
述調書とあった。
被疑者とは何事だと、担当の若い警官に文句を言ったことを覚えて
いる。
事故の聴取では、両当事者とも同じ書類を使うため他意はないと、
後で、聴取を行った部屋とは別の場所でその若い警官が説明してく
れた。
そのことは私も知っており、ただ何か言わなければ気が済まなかっ
ただけなのだ。

少し離れた席から様子を窺っていて、時折肝心な処で口をはさんで
きたベテラン警官は、こいつ面倒なヤツだなという目で私を見てい
た。
相手損保の担当者との交渉は、すべて自分でやった。
送られてきた相手方の損害の見積もりの中に、〝ガードレール様〝
とあったのには笑えた。
だがそれも結構な金額であった。
最終的にこの事故の責任割合は、95:5、その条件で示談に応じ、
物損とは別に、慰謝料も支払われた。

赤い車は、そんな事故のため急遽購入したのだ。
こういった経験はもう二度としたくないので、以来安全運転は肝
に銘じている。

事故当日、シートベルトで鎖骨が折れた(後日確認)相手のため
に、救急車に来てもらった。
その時の救急隊員が、もう一方の当事者である私に、どこか痛い
所はないかなど、しきりに聞いてきた。
現場検証に時間がかかり、日も暮れて気温が下がってくる
と、実は私の方も体のあちこち痛み出していた。

実は首や背中が痛いと言うと、絶対に検査しないといけな
いと、別の救急車を呼んでくれた。
車に乗ってまず脈と血圧を測るが、備え付けの血圧計は振
り切って計測不能!
痛み、寒さ、興奮、そして、緊張感で血圧が跳ね上がった
のだ。
おかげで、事故の治療とは別に、循環器科(こちらは自分
で負担)にもしばらく通うことになった。


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