カプアン通信

堀内さん。ふくちゃん。

2016年10月25日 17時46分45秒

堀内誠一さんというデザイナーを知っている方がどれくらいいらっしゃるでしょうか？

以下のロゴマークをご覧ください。

これらはご存知、「マガジンハウス」（旧　平凡出版）の雑誌タイトルです。
上から、
an・an　1970年創刊
POPEYE　1976年創刊
BRUTUS　1980年創刊
Olive　1982年創刊

これらは全て堀内さんが創刊時にデザインし、現在も使われているロゴマークです。
さらに、Olive以外は、
本文の編集デザイン、企画、取材、文、イラストも担当されてました。
（Oliveは表紙デザインのみ）

私にとっては、これら人気雑誌のロゴ・デザインおよびエディトリアル（編集）・デザイン
の巨匠というイメージですが、人によっては、
パリ在住で海外旅行経験が多く、膨大な「絵地図」を残したことから
「旅行家」のイメージが強い人もおり、
また、多数の絵本を作ったことから
「絵本作家」としての堀内さんの印象が強い人もいます。

堀内さんがプロのデザイナーになったのは14歳のときで
伊勢丹百貨店宣伝課への就職でした。
まだ「少年」ですので、外部の人が仕事を頼みに行くと
出て来たのが「幼い容貌の少年」だったので不安になったそうです。
しかし、堀内さんが私家版の雑誌を作り始めたのは6歳の頃であり
14歳ですでにビシビシ仕事をしていたそうです。

以前、「雑誌づくりの決定的瞬間　堀内誠一の仕事」という本を衝動買いしたことがあります。

この本に、かってPOPEYEやBRUTUSの創刊に関わった
名物編集長だった石川次郎さんが、堀内さんの仕事ぶりについて寄稿しています。

「POPEYE」の創刊時、堀内さんはパリに滞在しており
デザインを担当してもらうために、一時帰国してもらいます。

堀内さんはたった2日間ですべてのページのデザインを指示し
表紙も自分で描き始めます。

当時、創刊号のテーマである「アメリカ西海岸」に
「エアブラシ」という画材が流行っていることに注目し
帰国翌日に「エアブラシ」を取り寄せてもらい
すぐに使い方をマスターしてしまいます。

「ポパイは子どものときよく描いたから目をつむっても描ける」
とその場で、ポパイのイラストとロゴ入りの表紙イラストを描きあげてしまいました。
パリから帰国してからたった4日間の出来事です。

堀内さんは1932年（昭和7年）生まれです。
多才な堀内さんですが
多才といえば、映画監督で俳優でエッセイスト、イラストレーター、グラフィックデザイナーだった
伊丹十三さんのことも思いだしました。
堀内さんより1歳年下の1933年生まれでした。
また、タイプは違いますが、俳優で絵本作家の米倉斉加年さんはその下の1934年生まれでした。
たまたまかもしれませんが、この世代の方々は、絵やデザインの才能が豊かな方が多いなー
という印象があります。
戦争経験や、戦後の欧米文化の流入が影響しているのでしょうか？

堀内さんは1987年に下咽頭癌により死去してしまいます。
享年54歳。私よりも若い年齢です。

そんな堀内さんの生涯や仕事を取材した特集が「ほぼ日刊イトイ新聞（ほぼ日）」で連載されます。
先週「はじめに」の回が掲載されましたが
明日から「本題」の記事が始まる予定です（週1掲載予定）。
かなり、楽しみです。

堀内さん。

ところで・・・
「POPEYE創刊号」が最近、「付録」として復刻されたことを知り。
ぜひ、堀内さんのデザインを確かめたい。と取り寄せました。

amazonで探すと、中古書籍でたくさん発売されていて
価格は「1円」でした。
でも「1円」の本は「可」という評価なので、せめて「良」がいいな。と
「180円」くらいのを見つけて「購入ボタン」をぽっちり押しました。
送料と合わせて400円くらいでした。

じきに自宅に大きな封筒が届き、ああ届いたな。と、おもむろに開けたら、
まず最初に「雑誌」より
同梱された「注文管理書」が目にはいりました。
白黒の用紙の1箇所に蛍光ピンクのマーカーで
何かマーキングしてあります。

ん？？　なんだなんだ？　と読むと・・・

「付録欠品」

がーん・・・。
付録が欲しくて買ったのに「付録がついてない商品」を買ってしまいました

返品はもちろん送料がかかります。
180円を取り返すためにいろいろアクションするのはばかばかしいことです。
私は、すぐに、確実に「付録つき」の本を「ぽっちり」しました。

その本はさっき届きました。

今度は、送料込みで1,600円くらいの本でした。
2,000円で本を買ったと思うしかありません。

まだ開けていません。楽しみです。

それから、もうひとつ「ほぼ日」でよい文章を読みました。

「ほぼ日」創刊からいちども休まず連載されていた
『ぼーっとした女子高生通信』が、『ぼーっとした青春』になり
現在は『ぼーっとしたミーハー通信。』というタイトルで
コラムが連載されています。
作者はイラストレーターのゆーないとさん。

最近「ドコノコ」の担当をされているので
2回ほど本人にお目にかかる機会がありましたが
ちっとも「ぼーっと」した人ではなく。
賢く、実に気配りがある女性です。

きのう掲載されたコラムのタイトルは
街のボス「ふくちゃん」。

印象的な地域猫のことを書かれています。

じ〜んとくる名文でした。

ぜひ読んでください。
　　　　　　　↓
街のボス「ふくちゃん」。

「ぼーっとしたミーハー通信。」より

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