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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

興南vs東海大相模   さあ決勝! 対照的な歩みの2チームが決戦!

2010年08月21日 | 高校野球

第92回全国高校野球選手権大会

◇決勝

 興南(沖縄)   東海大相模(神奈川)



いよいよ決勝までやってきた両チーム。
春夏連覇を狙う興南と、大型チームで40年ぶりの戴冠を狙う東海大相模の対戦です。
昨日の準決勝、
両チームとも前半に”頼みのエース”が打ち込まれての大苦戦。
何とかかんとか振り切って、
決勝の舞台に立つことができました。

大会前”優勝候補筆頭”に挙げられていた興南。
こちらも”優勝候補”に挙げられ、大型チームとうわさの高かった東海大相模。

思えば、
去年の秋の段階から東西を二分すると強豪と言われていた両チームが、
最後の最後に激突するファイナルマッチ。
ワクワクどきどきの最終決戦となりました。


秋の段階では興南が、
選抜は当確となるも九州大会の準決勝で思わぬ敗戦を喫したのとは反対に、
東海大相模は関東大会を圧勝で優勝。
続く明治神宮大会でも準優勝を収め、
春に続く”黄金ロード”を突き進んでいました。

しかし年が明け春の選抜が始まると、
両校の立場は一変します。

興南については、
いまさらいうまでもないこと。
沖縄勢3度目の選抜制覇。

島袋は”高校NO1”の称号をゆるぎないものとし、
興南は全国の高校から目標にされるチームへと成長、
その後も順風満帆の歩みで、
春夏連覇への道を突き進んできました。

そのチーム力は折り紙つき。
大会を経るごとに打線の破壊力が増し、
いまでは”強打の興南”の評価はゆるぎないものとなっています。

準決勝の報徳戦でも、
5点のリードも何のその。
腰の据わった打法で鋭い打球を右へ左へ。
あっという間に逆転しました。

特にトップの国吉大陸、キャプテンの我如古の好調ぶりは心強いばかり。
決勝もこの”右バッター”の二人の出来がカギを握るでしょう。


東海大相模は、
苦難の連続でここまでたどり着きました。

エース一二三は、
秋の時点では『安定感抜群』のエースとの評判でした。
キャプテンも兼ねていたこの大黒柱は、
選抜の重要な選考対象となる秋季関東大会で、
抜群のピッチングを披露。

今では考えられないのですが、
4試合を投げて四死球わずかに8.
失点もわずか4と、
『全国屈指の右腕』との評価をゆるぎないものとしていました。

ところが、
冬を越して選抜をにらむ春のシーズンを迎えると、
どうも「おやおや?」
というニュースばかりが飛び込んでくるようになりました。

「一二三大荒れ」
「調整遅れ」

など、不安な文字ばかりが並びましたが、
選抜を迎えれば大丈夫だろうと、
根拠のない安心感だけが頼りでした。

しかし、
その不安は選抜で最悪の形で露呈。
さほど特徴のあるチームではない自由が丘を相手に、
一二三が不調なだけではなく、
打線もまったくの沈黙。
淡白な打撃を繰り返し、
緒戦で完敗を喫してしまいました。

『まさかの敗戦』
『優勝候補が・・・・』

その日は新聞にも派手な見出しが躍りましたが、
本当に苦難が始まるのはそこから。

一二三はフォームを崩し、完全に自信を失ってしまったようでした。
疲れもあったのでしょうが、
春の段階ではまったく登板はなし。
登板してもとんでもない荒れ方でマウンドを降りることが多く、
不安を通り越して『一二三は夏はだめだな』が定番の評価となってしまいました。

打線も不調を脱することができず、
春の県大会では無印の橘学苑にコールド寸前の惨敗。

強豪集い厳しい戦いが繰り広げられる神奈川大会を前にして、
東海大相模は”優勝候補”の地位からも零れ落ちてしまいました。
予選大会の組み合わせが決まっても、
聞こえてくるのは”他校有利”の声ばかり。

そんな中、
一二三は夏に向けて、
じっくりと対策を練っていました。

『横手投げへの転身』

このニュースが駆け巡ります。
「なぜ?」
「そこまで不調なのか?」
これがこのニュースを聞いたときの、神奈川での反応。

ワタシ自身も、
『ドラフト1位候補がなぜ、こんなことをするのだ』
と思いました。
今でも少しその思いはありますが、
『何とかこの高校野球で、最後の年を飾りたい』
という彼の強い意思を感じたのは、
神奈川県大会でのピッチングを見たときでした。

準々決勝の慶応戦。

予想では【東海不利】の文字が踊りましたが、
一二三が気迫のこもったピッチングを展開。
力を持った慶応を抑えきり、
神奈川の高校野球ファンに【一二三健在】を強く印象付けました。

そして、
その対戦成績から
【絶対不利】と言われ続ける横浜との決勝でも、
一二三が横浜の勝負強い打線を寄せ付けないピッチングを披露。
33年ぶりの夏の出場を文字通り”もぎ取った”のでした。

いつも秋や春に他校を大きくリードするものの、
夏の予選の間に波に乗ったチームに逆転され、
あとちょっとのところで甲子園を逃し続けた東海大相模。

しかし、
今年は春にどん底を味わい、
夏によみがえっての戴冠でした。


興南と東海大相模。

両校並び立つ存在であった昨年秋。
そこから大きく差がついてしまった春。
ずっと太陽の当たる黄金ロードを歩んできた興南。
どん底の地中深くから、
太陽の当たる道へと這い上がってきた東海大相模。
まさに対照的な道を歩み、
たどり着いた先は同じところでした。

このコントラストが鮮やか過ぎたため、
この対戦は非常に興味深いものです。

果たしてどういう試合になるのか。
ここ数年に比べても、
非常に興味いっぱいの対戦です。


≪決勝戦の見どころ≫

打撃戦に持ち込みたい東海大相模。興南は島袋の踏ん張りに期待!


決勝は力と力の戦いとなった。
大本命の重圧をものともせず決勝に突き進んできた興南の力は本物。昨日の準決勝を見るまでもなく、どんな展開でも勝ちに結び付けていく力は、まさに”1つ抜けている”存在と見てよいであろう。
準決勝では前半やや球が上ずった島袋だが、後半はきっちりと修正して来た。この調整力は歴代の好投手にもなかったようなもので、”球史に残る好投手”なのは間違いない。その島袋を支えるバックの勝負強さも尋常ではない。打線は国吉大陸・我如古が当たっていてポイントゲッターになっているが、今日は”左打者が苦手”な相手・一二三投手に対して左がどれだけ機能するかがポイントだろう。2・4・6番がうまくつないでいけると、途切れることのない”興南の野球”が展開できそうだ。
守備は折り紙つき。どこを取っても”一段上”の戦力を持っている興南が、最後まで【2010年の高校野球の一番星】を維持し続けるか。
さあ、その難攻不落の興南に挑む東海大相模。準決勝ではエース一二三に不安が露呈したものの、打線は好投手中川に対して【本来の東海大相模】の力を見せ付けた。決勝は打線で勝負をかけたい。
渡辺・伊集院の1・2番が昨日の報徳のように機能すれば、島袋攻略の糸口はつかめる。そして、そうなれば準決勝のような打線大爆発もありえない話ではない。今日は島袋に対して、足でかき回す攻撃も見せたい。エース一二三は、疲れが残っているものの最後の気力にかけたい。左打者を苦手にしているものの、しっかり内角を突いていけるようなら好投も期待できる。指揮官も、”エースの一世一代のピッチング”に期待しているのではないだろうか。
ワタシは、それ以上に東海大相模の【まだまだ底を見せていない本当の力】に期待しています。
東海大相模は、今大会はここまでやや対戦相手に恵まれてきたともいえなくもない。
大会前にAクラスといわれたチームとの対戦は、今までのところない。
東海大相模というチーム、自分たちが上と見るや、やや”本気度”の薄い試合をやってしまうという傾向を、昔から持つチームです。
しかしながら、”自分たちより上”といわれるチームに向かうとき、『今までの試合はなんだったんだ』といわれるような【ものすごく強い】試合をすることがあります。
今年の神奈川大会決勝、横浜戦でもそうでした。(去年の明治神宮大会、帝京戦などもそれにあたります)
『完膚なきまでに相手を叩きのめす』東海大相模の野球全開の試合をやりました。

こういう試合になることも、
決勝の考えられるシナリオのひとつだとは思います。

いつもクールに試合をする東海大相模の選手たちの目がギラギラ輝いていたら、
『ひょっとすると・・・・・』と思わないでもありません。

どんな展開でもあわてず騒がず『自分たちの野球』をやりきる興南。
そしてまだ底を見せていない感じの東海大相模。

頂上決戦の展開、
まったく読めません!!!


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