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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第96回全国高校野球選手権大会 予選展望1 ≪北海道・東北≫

2014年06月23日 | 高校野球

サッカーワールドカップもたけなわですが、
こちらもいつもながら熱い夏が始まります。

96回を迎えた、
全国高校野球選手権大会の地方予選が、
沖縄を皮切りに開始されます。

今年は春の選抜で龍谷大平安が歓喜の初優勝を飾り、
夏も連覇を狙います。

連覇と言えば、
昨年の夏の甲子園を制覇した前橋育英はエースの高橋光成が残り、
”昨夏の再現”を狙っていきます。

その他にも、
昨春のセンバツの決勝で対戦した浦和学院・小島投手に済美・安楽投手、
1年から甲子園で実績を残し最後の夏に挑む明徳義塾・岸投手など、
甲子園で実績十分の投手が大挙して残る地方大会となりました。

そんな96回目の熱い夏、
果たして49枚の『甲子園切符』はどこの学校の手に。

まずは北海道、東北地区からです。


≪第96回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望1 北海道・東北地区 -





【北北海道】(参加校107校) 
白樺学園が本命、旭川勢が追う展開も、武修館、北見北斗らがどう絡んでいくか。

◎ 白樺学園 
〇 旭川工  北見北斗 武修館   
△ 旭川大 遠軽 旭川龍谷 旭川実 
▲ 岩見沢東 帯広三条 帯広大谷 

白樺学園が3年ぶりの代表に向け、戦力を充実させて大本命だ。春の全道大会で選抜帰りの駒大苫小牧を完封し、投手陣にメドが立ったのが大きい。エース市沢と斎藤の2枚看板で臨む夏の大会は、気候、日程共にそれほどタイトではないため、盤石の戦いぶりを見せるかもしれない。そしてこのチームの特徴は何と言ってもその強打。その破壊力は北海道屈指で、今のところスキは見当たらない。追いかける一番手は旭川工。こちらも看板は2枚そろえる投手力。打線はやや迫力に欠けるものの、安定した戦いぶりは買える。本命の白樺学園に十分伍していける戦力だ。左腕のエース宮川を擁して春の大会を勝ち進んだ北見北斗は、春の勢いをそのまま夏に持ち込みたい。こちらも突き放せるだけの攻撃力を持たないため、投手陣の踏ん張りがカギになるか。そのほかでは、何とか初出場を狙いたい実績十分の武修館、旭川勢の旭川大、旭川実あたりが絡むか。昨夏の出場校・帯広大谷も経験者を軸に連続を狙う。春に優勝した北照を最後まで苦しめた岩見沢東は、そこでつけた自信を胸に初出場を狙っている。



【南北海道】(参加125校)  
連続出場狙う北照は今年も分厚い戦力誇る。センバツ組の駒大苫小牧が差なく追う。

◎ 北照 
〇 駒大苫小牧
△ 東海大四 札幌第一 札幌大谷  
▲ 北海 函館大有斗 

秋に悔しい負け方をして3季連続の甲子園を逃した北照の巻き返しで、昨年と同じような構図が出来上がった。北照は昨年のエース・大串のような”1枚看板”はいないものの、エース斎藤に山田、川端と3枚の左腕が揃い投手力は万全の態勢。打線の破壊力はむしろ昨年を上回るとさえ言われ、昨年狙った『全国制覇』を今年のチームでと意気込む。選抜で久しぶりの【聖地帰還】を果たした駒大苫小牧は、センバツ後に調子を落としたものの、夏までに戦力の再整備が出来れば北照に対抗できる一番手。選抜で好投した伊藤をエースに格上げし、”守り勝つ”チームに変貌を遂げている最中だ。打線はもともと鋭い振りの選手が揃い、打撃戦になっても北照に打ち負けないだけの破壊力はある。春の大会で準優勝の東海大四は、久しぶりの甲子園へ気合十分。エース西嶋の安定感は抜群で、ロースコアに持ち込めば十分に勝負になる。プロから指導者に転身した遠田監督の北海、有倉監督の札幌大谷は今大会注目度が高い。札幌第一は、戦力的には2年ぶりの聖地を狙える陣容だが、勝負弱さをいかに克服できるか。久々復活を狙う函館大有斗までを、今大会の有力候補に挙げておく。



【青森】(参加67校) 
八戸学院光星は全国レベルの攻守。ライバル・青森山田は差を詰められるのか。

◎ 八戸学院光星
〇 青森山田
△ 八戸工大一 聖愛
▲ 弘前工 青森北 木造 

今年も例年通りの図式になりそうだが、本命の八戸学院光星の力が図抜けており、他校の付け入るスキはちょっと見当たらないというのが現状だ。その光星は、チームのスケールの大きさは甲子園で春夏準優勝を飾った一昨年のチームを彷彿とさせる。特にその打撃陣。スタンドに叩き込む力を持つ北條から始まり、森山・深江・新井と続く打線の破壊力はまさに驚異。大阪のチームを見ているような、破壊力満点の猛打線だ。投手陣も中川、呉屋といった複数のエース級が選抜で自信をつけており、その陣容は固まりつつある。やや不安なのはやはり守備だが、その不安をみじんも感じさせない圧倒的な力で予選を勝ち上がる可能性は大だ。その光星に秋の時点では快勝していたライバルの青森山田だが、どうも今夏は旗色が悪い。光星とは違う試合巧者ぶりを見せつけての戦いは、夏の大会向きということも言える。圧倒的に突き放される展開にならなければ、青森山田のその”野球力”が発揮されるが、そういう展開に持ち込めるかどうか。その”2強絶対”の勢力図を変えて昨年初出場をもぎ取った聖愛は、昨年ほどのパワーはないものの、今年もそつなくまとまったチームという印象。ただし、2年生エースの赤川にかかる負担は大きく、上位の対戦で【一世一代】のピッチングを見せないと苦しくなることは予想できるが。こちらも名門の八戸工大一は、春の県大会準優勝で出場した東北大会で20失点の大敗。このダメージをどう払しょくしているのか。乱れ始めると歯止めがきかない姿を見せているだけに、やや精神的に不利な立場に追い込まれている。この4校以外で覇権を争うチームが出現する可能性は極めて低いが、甲子園経験のある名門の弘前工、青森北、木造あたりがどう絡んでくるのか。



【秋田】(参加50校) 
強打の大曲工が初の夏を掴むか。夏に強い秋田商と能代松陽らが追う。群雄割拠の中から、最後にどこが抜けだすのか。

◎ 大曲工 秋田商
〇 秋田南 角館 能代松陽 
△ 大館鳳鳴 秋田 明桜
▲ 秋田中央 横手

ド迫力の打線を前面に出して春優勝、東北大会でも八戸工大一、仙台育英を破り4強まで駆け上がった大曲工が本命に躍り出た。集中打が出る打線の迫力は、最近の秋田県勢としては出色。春の秋田商戦で2安打完封したエース佐々木は球速はないものの安定感のある好投手。勢いに乗って、一気に頂点まで駆け上がる力は十分にあるとみる。追っていく1番手は秋田商。やはり夏にチーム力をピークに持っていく術を心得ており、3連覇を視界にはっきりととらえている。エース佐々木は昨夏の甲子園でも登板して、経験値は十分。控えの成田もしっかりと任せられるだけの投球を見せており、投手力は万全だ。打線は相変わらず小粒だが、小技を駆使して得点力はある程度ある。連覇へのカギは、接戦をどうしぶとく勝ち抜いていくかということだろう。春準優勝の秋田南は、エース中川の剛腕が頼みの綱だが、控え投手陣やバックのレベルが上がってきて、覇権を争えるだけの力をつけてきたとみられている。【21世紀枠】でのセンバツ出場をすぐそこまで引き寄せていた角館が、仕切り直しで初出場を狙う。秋田らしい攻守に粘るチームカラーを信条としており、聖地で見てみたい学校のひとつだ。3年前の甲子園で鮮烈な印象を残した能代翔陽(旧・能代商)も夏は怖い存在。必ず優勝争いに絡んでくるだろう。名門の明桜はプロ出身の八木監督が就任して、これまでとは違った姿が見られるかも。大館鳳鳴や秋田などID野球のチームも怖い。



【岩手】(参加72校)
花巻東の連続出場か、松本擁する盛岡大付属か。春の東北大会準Vで自信付けた盛岡三と、力のある一関学院も圏内。

◎ 花巻東
〇 盛岡大付 
△ 盛岡三 一関学院 
▲ 久慈工 専大北上 福岡 久慈東

花巻東と盛岡大付属の両雄の一騎打ちの様相だ。花巻東は、昨夏甲子園4強のメンバーが多数残りチームの軸を形成。甲子園でも好投したエース細川はすっかり成長して、大黒柱となった。春は一気に東北大会制覇まで上り詰めたが、その過程で高橋、佐々木、小野寺などどんどん『投げられる投手』が出現。投手陣の層は、昨年の比ではないぐらいに厚くなった。そして足を使った伝統の攻撃力。大田、茂木、小熊、八木など打てる選手も多数そろえ、甲子園でも上位で戦えるだけの戦力を揃えている。伝統の『全員で盛り上がって、どんどん相手にプレッシャーをかける』ベンチワークも健在。今夏は大谷健在の一昨年を超える”大本命”の位置で大会に臨む。待ったをかけたいのが盛岡大付属。プラチナメンバーを揃えて今年にかけるチームだけに、どうしても花巻東の壁を乗り越えて聖地にたどり着きたいところだ。エース松本は『ドラ1候補』とも言われる東北屈指の右腕。投げて150キロ、打てば通算本塁打40発超という、『大谷二世』ともいうべきスーパー球児だ。盛岡大付属としては、とにかく『松本が絶好調で花巻東に当たることができれば』という戦略以外に、考えることはないであろう。関口監督は、その決勝での決戦を見据え、春は信頼できる第2投手の育成に躍起になった。春は県大会決勝で花巻東に、そして東北大会準々決勝では盛岡三に敗れたが、監督は全く意に介していない様子。この両校、過去2年決勝で対戦し、一昨年は大谷を擁した【花巻東絶対優位】と言われたが盛岡大付属が制し、反対に昨年はセンバツ出場の【盛岡大付属絶対優位】の情勢だったが、花巻東がリベンジを果たした。今年は『ほぼ互角』と言われる情勢の中、どちらが聖地へのキップをもぎ取るのであろうか。名門・盛岡三は春に輝いた。東北大会をあれよあれよと勝ち抜き準優勝。2強対決と言われる今夏の岩手に一石を投じることができるか。そして秋春共に4強に進出しながら、2強とは少し差があるのを自覚する一関学院が、どのような”勝負手”を打ってくるのかにも注目が集まる。全国的に見ても注目のこのライバル対決。結末はいかに。



【山形】(参加52校) 
自信の攻守で連続出場狙う日大山形。秋春決勝進出の山本学園も有力だが、波乱含み。

◎ 日大山形
〇 山本学園 酒田南 
△ 山形中央 九里学園 鶴岡東 
▲ 東海大山形 羽黒 山形商 

本命は2連覇を狙う日大山形。昨夏甲子園4強が自信になり、戦いぶりにどっしりとした安定感が出てきたのが強み。青木、中野と言った昨年から主力として活躍する選手がしっかりとチームの軸になり、チームを牽引する。エース佐藤は昨年のエース庄司張りにグイグイと攻める投球が持ち味の好投手。スケールの大きさもあり、波に乗れば連覇が近づいてくる戦力とみている。2季連続県大会の決勝に進出している山本学園が、ライバル日大山形に引導を渡して初出場を狙う。投手陣は駒が豊富で、だれが出てもそこそこのピッチングができるのが強み。しかし裏を返せばエースは不在で、このあたり一発勝負の夏の大会で吉と出るか凶と出るか。打線はまずまず得点力があり、東北大会で秋、春ともに経験を積んだことでチームの戦いぶりが変貌するかもしれない。2年ぶりの夏を狙う酒田南も今年は戦力が充実。清水・三浦の中軸の2人のバットは、その2人を観にスカウトが大挙押し寄せるほど。投手陣の整備さえできれば優勝争いの本命となれるだけの力を持つ。このところ甲子園の常連となりつつある山形中央は、昨春のセンバツで好投したエース石川が成長を見せ、一気に優勝まで駆け上がる態勢が整った。鶴岡東は打線が活発。九里学園はエース鈴木の出来次第。東海大山形や羽黒などかつての常連組は、何か一つ壁を破らないと甲子園までは届かない戦力。日大山形や青森山田で何度も甲子園を沸かせたベテラン・渋谷監督率いる山形商は、どこまで上位陣に食い込んでいけるか。



【宮城】(参加74校) 
昨年ほどの力はない仙台育英。センバツ組の東稜や名門・東北がどこまで追いかけられるか。

◎ 仙台育英
〇 東北 東稜 
△ 古川学園 利府
▲ 塩釜 柴田 石巻工

昨年は全国屈指の戦力を誇った仙台育英だが、今年はそれほどの戦力はない。しかしながら、今年も県大会は安定して勝ちぬいていけそうではある。今年のチームは、昨年からのメンバーはほとんど残っていないが『顔』で秋、春ともに県大会を制した。正直今年のチームは、投手陣の整備もまだまだで、おまけに打線の破壊力も例年ほどではないので他校にチャンスがありそうだが、追ってくる各校にどうにも迫力がないのが実情だ。対抗馬の1番手をあげるのであれば、やはりライバルの東北ということになろう。確かに今季1度は仙台育英を破った(中部地区大会、1-0)が、県大会決勝では手痛いしっぺ返しを食らった(2-12)。戦力的には『打撃のチーム』なのだろうが、往年の迫力は見られない。選抜出場の東稜は、2強に対して分が悪いのが心配の種。今季も東北には勝ったが仙台育英には連敗中。そのコンプレックスを取り除くことから、甲子園への道は始まるだろう。古川学園、利府の両校も、十分に優勝を狙えるだけの戦力は持っている。特に古川学園の投の2枚看板、堀江と福泉は県内でも注目を集める存在だ。利府の万城目は攻守にキレのある2年生。来年の注目株だ。そのほかでは塩釜、柴田など秋、春の4強組の戦いぶりにも注目。今年は2強が『本命』と言われるほどの戦力ではないため、大荒れの県大会になる可能性も、ないとは言えない波乱含みの夏だ。



【福島】(参加81校)  
聖光学院の連覇は途切れるのか。焦点はこの一点に絞られる。

◎ 聖光学院
〇 日大東北
△ 学法石川  
▲ 須賀川 いわき光洋 東日本国際大昌平

『絶対王者』聖光学院の県内公式戦の連勝は、昨秋ついに95で止まった。止めたのは長年のライバル、日大東北。この両校の対決が、なんといってもこの夏のハイライトになることは間違いない。聖光はこの悔しさから新たにスタートを切って、春にはライバルを決勝で倒し覇権を奪回した。特にこの試合は日大東北の誇るエースの大和田を倒してのものだっただけに、自信も回復。8年連続を狙う態勢は整った。投手陣は経験のある左腕石井と、横手の船迫。両投手ともに安定感は抜群で、『投手力の聖光』の伝統は健在だ。打線は、安田、柳沼、石垣、八百板など長打を打てるバッターが揃っており、他の追随を許さない。しかし敗れるときは打線が抑えられるという”負けパターン”もあり、そのあたりの解消がより盤石さを増すための『やるべきこと』だろう。対する日大東北は、秋に聖光を倒したことで、今夏は『やれる』との機運は高まっている。エース大和田は145キロ越えの速球が武器の本格派。ズバズバ攻める投球はいいのだが、春の聖光戦や東北大会の日大山形戦で見せた立ち上がりの悪さは不安材料。あのPLの名将、中村元監督の息子である中村監督が、『PLメソッド』とともに打倒聖光を誓っている。両校の戦力は抜けており、マッチレースの展開が予想されるが、間隙を突きたいのが名門・学法石川。ずいぶん長く甲子園から遠ざかっているため、華麗な復活を狙う。秋春の県大会で実績を残す須賀川やいわき光洋などが追撃態勢に入れるか。東日本国際大昌平や光南、福島商、田村、小高工、いわき、郡山商など、波乱を起こしてくれる要素を持った各校の秘策やいかに。

 


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