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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第103回全国高校野球選手権 準々決勝  3試合がサヨナラ決着! なんというすごい日だ!!

2021年08月27日 | 高校野球

≪第103回全国高校野球選手権大会≫ ~甲子園~
【準々決勝】

第1試合 京都国際  3×ー2 敦賀気比
第2試合 智辯和歌山 9-1   石見智翠館
第3試合 智弁学園  3×ー2 明徳義塾
第4試合 近 江   7×ー6 神戸国際大付


ま~なんというすさまじい日だったのでしょうか。
「高校野球の一番面白い日」と昔から言われてきた準々決勝の日。

雨で順延が続き、
さらにコロナで一般無観客での中行われている甲子園の夏ですが、
8強に残った球児たちの素晴らしすぎる戦いで、
すべてのネガティブな要素は吹き飛んでしまいました。

第1試合、第3試合、第4試合が大熱戦の上にサヨナラ決着。
も~なんというか、
「高校野球おやじ」の涙腺は緩みっぱなし、そして声はガラガラ。。。。
こんなコーフンの日があったでしょうか。

ワタシは個人的には、
横浜vsPLの延長17回が行われた98年の準々決勝、
そして4試合すべてが激戦でそのうち2試合がサヨナラ決着だった13年の準々決勝、
この2日が「高校野球最高の日」と位置付けていましたが、
昨日の激闘はその2日間に勝るとも劣らない、
素晴らしい日となりました。


まずは第1試合。

京都国際・平野、敦賀気比・本田の両投手が素晴らしいピッチングを披露して、
両チーム無得点のまま迎えた8回。
まずは敦賀気比が京都国際のマウンドに途中から上がっていたエース森下を攻め2点を先取。
しかしその裏、京都国際がこちらも途中からマウンドに上がっていた敦賀気比の2番手・吉崎を攻めて四球をうまく絡めて同点。
9回には1死2塁からライトへのタイムリーが出てサヨナラを勝ち取りました。

夏初出場での快進撃。
投手を中心として、
しっかり守れているところがこのチームの強みですね。

第2試合は、
投打に上回る智辯和歌山が序盤から圧倒。
エース温存でも3人の投手が素晴らしい球を投げ込み、
石見智翠館の打線を全く寄せ付けませんでした。

智辯和歌山は3回戦からの登場で、
この日でまだ2試合目。
ようやく調子が出てきたころでまだ投手を中心にスタミナも十分という感じ。
大きなアドバンテージを得て、頂点への戦いに向かって行きます。

第1、第2試合はしかし、
この日の序章にすぎませんでした。

1回戦から登場したチームが4試合目を行った準々決勝の第3、第4試合が、
なんといってもこの日のハイライトでした。

どちらの試合も、
激闘に心が震え、
体はしばらくの間熱くなっていました。
そんな試合。。。。。

第3試合は、
優勝候補筆頭とも言われる智弁学園と、
名門ながらこの大会で一味違うところを見せて勝ち上がってきた明徳義塾。

この両チーム。
同じ県に「高校ビッグ4」と言われる剛腕がいました。

智弁の奈良県には天理の達投手。
明徳の高知県には高知の森木投手。

この剛腕を打たなければ甲子園はない・・・・・
という事で鍛え上げられてきた打線は、
速球にはめっぽう強い打線。

智弁は目の前に来る投手を次々に粉砕してきて、
4割近いチーム打率を上げてきていました。
明徳は「高校ビッグ4」の一角、明桜の風間投手を粘りで攻略。
6回で138球を投げさせるという対応力は見事でした。

しかし。。

この試合、
つくづく投手というのは、
球が速いというだけではないなあ・・・・・・という事を、
またも思い知らされるような投手戦となりました。

智弁のエース西村は、
球速ではなくキレで相手を抑えるタイプの左腕。
130キロ台の速球に明徳打線は、
ことごとく力負けのような感じの打球を放つのみ。

明徳の先発はエース代木ではなく左腕横手投げの2年生吉村。
変則的なトルネード投法は画面を見ていても「打ちづらいだろうなあ」という感じでしたが、
球速は130キロ前後。

しかし「剛腕得意」の両校打線は、
この左腕の技巧派に対して、
攻略の糸口がつかめないまま回を重ねました。

得点はともに4回。
明徳は四球、送りバントをピッチャーが処理の時転んで無死1・2塁のチャンスをつかむと、
そこから送りバント、スクイズと見事に明徳らしい「スモールベースボール」での先制。

その裏の智弁は、
四死球2つの1死1・2塁から、
4番山下がライトにチーム初ヒットとなるタイムリーで同点。

しかしその後は、
両チームともにチャンスの糸口がつかめないまま試合はついに9回へ。

9回を迎えるにあたり、
明徳の安打は3本、智弁はなんと2本に抑えられていました。

本当に両投手の投球は素晴らしく、
得点の匂いが、
ほとんどしない投手戦でした。

しかし9回。

奇しくも解説者が「こういう試合は、使い古された言葉ですが、四球と長打が試合を決めるでしょうね」と言ったとたん、
飛び出したのは明徳のエース・代木の特大の一発。

ワタシはこの一発、
あの98年の横浜vsPL戦の17回に飛び出した、
横浜・常盤の一発を思い出していました。

ガッツポーズでダイヤモンドを1周する代木。
メチャかっこよかったです。

すぐさま智弁はピッチャーを2枚看板のもう一人、
剛腕の小畠に交代しますが、
明徳はここを攻めて連打で1死満塁のチャンスをつかみます。

ここでバッターは何でもできる「明徳野球の象徴」米崎。
一気に明徳が突き放しにかかりました。

ワタシはここでスクイズを敢行するかと思いましたが、
米崎は強行。
「とらえた!」と思ったあたりは前進守備の1塁の真正面。
3-2-3と渡る痛恨のダブルプレーとなって、
突き放すことができませんでした。

まさにハードラックな一打。
しかしこのあたりから、
”甲子園の女神”は確実に智弁学園のほうに微笑みかけていました。

「よっしゃ、行けるぞ!」

ピンチを抑えた智弁のベンチはガッツポーズが飛び交い、
ムードは一気に上がりました。

そしてこの回のトップ垪和がレフト前にたたいて反撃開始。
ここで2番の森田は、
「犠牲バントだが、守備が前にチャージをかけてきたら打ってもいい」というサインを忠実に遂行し、

”思った以上の結果”センターへのヒットを放って無死1・2塁と明徳・吉村に最高のプレッシャーをかけました。

馬淵監督をして「どんなピンチにも動じず、ひょうひょうと投げる」と言わしめた吉村も、
さすがにこの場面では緊張から球が抜けだして、
智弁の誇る3番・前川、4番・山下に連続の死球。

あっという間の押し出しで同点となり、
試合の形成は一気に智弁に傾きました。

そして最後はあっけなく岡島が前進守備のセカンドの後ろに落としてサヨナラ。
このサヨナラのシーンは、
打球の落ちた場所が2塁の後ろだったという事もあり、
ワタシはまた、98年の準決勝、
横浜が6点差を大逆転して明徳を破ったシーンを思い出していました。
あの時は柴のサヨナラヒットでしたかね。

明徳にとっては、
つかみかけた勝利が、
またもするりとその手から零れ落ちました。

こういう試合で敗れる明徳を、
いったい何度見たことでしょう。

甲子園の女神は、
本当に気まぐれです。
本当に「ほんのちょっとの球運」が試合の行方を左右する、
そんな決着でした。


ちなみに。。。。
なんですが、
9回表に代木が勝ち越しホームランを打った時、
ワタシはふと「これで9回裏に代木がマウンドに上がって智弁打線を抑える大魔神の働きをしたらまさにヒーローなんだけどなあ」
なんて思いましたが、
「いやいや、吉村の出来からして、馬淵監督が代木をマウンドに送ることはないんだろうなあ」
とすぐにその考えを否定しました。

しかし、もしもそうなっていたら。。。。。

高校野球の『if』が、
またもひとつワタシの頭の中に、
積み重なっていった試合でした。

いい試合だった~~~~!!


その余韻に浸りながら見始めた第4試合。

関西勢同士の近江vs神戸国際大付の一戦。
これも試合前から、
興味津々の一戦でした。

両校は普段からとても交流の深い同士、
しかもこのチームで昨秋の近畿大会初戦で激突。
その試合を制した神戸国際大付が選抜の座を射止め、
敗れた近江は厳しい冬を送ることになったという因縁の一戦です。

この大会に入ってからの戦いぶりを見ると、
勢いに乗っているのは近江かなあと思ってみていましたが、
その通りに序盤から中盤、終盤と近江はしっかりと「勝ちパターン」の試合を展開。
7,8回にトドメの一撃を加えて6-2とリードして9回を迎えました。

近江のマウンドには、
「近江の大魔神」岩佐がしっかりと上がっていて、
9回の神戸国際大付の攻撃も、
3番の阪上、4番の西川の二人の強打者をしっかり抑えて2死ランナーなし。
勝利まであと一人と迫りました。

「ああ、近江、強いなあ・・・・」

なんて思いながら見ていると、
次の5番・武本は粘りに粘って四球で1塁へ。
「最後のバッターになるモノか」という気迫の出塁が、
チームに「まだまだあきらめないぞ」という思いを起こさせました。

6番のところで代打起用。

ワタシは画面を見ながら「ああ、神戸国際は思い出でづくりに入ったな」
と思ったら、
その代打が見事にヒットでつないで次打者へ。

また代打起用。
そしてその代打がまた、
ヒットでつないで1点を返しました。

その連打を見ていて、
ワタシ達は「思い出つなぎ、数珠繋ぎ攻撃」なんて言いながら見ていると、
次もまた代打。

「そうはまさかも続かないだろう」
と思ったらなんとツーベースが出て2点差。
しかも2・3塁と一打同点のチャンス。

次もまたまた代打が送られ、
「そうは問屋が卸すはずは・・・・・・」
と思っていたら四球でつないで満塁。

これまで、
半世紀もの間野球を見て、プレーして、体験してきてなお、
見たことも聞いたこともない
「代打4人連続成功」
という「大偉業」が成されて神戸国際大付は2点差に追いついてなお2死満塁というところまで、
迫ってきました。

ここで近江は、
ライトに下げていたエース山田を再登板させ、
何とかこのピンチを切り抜けようと躍起。

しかしここで登場の1番・関。

関は山田の投球をしっかりと絞って、
ライト前にクリーンヒット。

まさかまさかの両方のベンチ、スタンドの悲鳴を乗せて、
3塁ランナーに続いて2塁ランナーも同点のホームへ。

まさに奇跡としか言いようのない、
2死無走者からの怒涛の追い上げで同点!!!!

こんなの、
ホント見たことも聞いたこともないよ!!!
というようなすごさでした。

あの日本文理が中京大中京を追い詰めたシーンを、
まざまざと思い出していました。

しかしその波にも負けず、
近江のエース山田は次の打者を切って取り、
先行は許しませんでした。

野球の格言としてもうひとつ言われていること。
「追いついても、追い越さなきゃその試合には勝てない」

その格言通りのシーンが、
その裏繰り広げられました。

4人連続で代打を送った神戸国際大付。
大幅に守備を変更、そしてピッチャーも。

もちろんピッチャーは経験十分のピッチャーでしたが、
1死から「一番出してはいけない」俊足の明石をデッドボールで塁に出してしまいました。

そして迎えるは主将の春山。
苦しい時も腐らずチームを支え続けてきた春山が、
この「チームが最も苦しい時」にも結果を出しました。

エンドランがかかった3球目、
春山が放った打球は右中間に飛んで、
その打球を見た明石が勝利をつかみ取るホームに向かって、
走る、走る、走る。。。。。


まるで劇画の最終回を見ているようなシーン、
ボールがキャッチャーに戻ってきたときには、
明石はすでに、
歓喜のホームに滑り込んでいました。

近江のサヨナラ勝ちでした。

なんというすごい試合。
すごいとしか形容しようのない、
魂を揺さぶられるような試合でした。

勝った近江も、敗れた神戸国際大付も。
本当にこんな素晴らしいゲームを見せてくれてありがとう!!!!

甲子園の高校野球の素晴らしさ、
またまた凝縮したような、
すんごい試合でした。

近江も神戸国際大付も、
まさに今大会の「激闘王」ですね。
長く心に残すとともに、
ワタシは一気にこの両チームの大ファンになってしまいました。
(まあ、もとより神戸国際大付属の青木監督のファンではあったんですけどね。)

いやあ。
それにしてもすごかった。

甲子園って、
面白いなあ。。。。。

さあ、
いよいよ4強が決まりました。

予想されていた通り、
近畿勢4校の戦いとなりました。

準決勝は以下の通りです。

第1試合  近江 vs 智辯和歌山
第2試合  智弁学園 vs 京都国際

どちらの試合も、
見どころ満点です。

赤勝て白勝て~~~~
ではありませんが、
どちらの試合も、どっちにも頑張ってほしい。

そしてまた、
魂が震えるような激闘を、
期待しています。

く~~~~

やっぱり2年待った甲斐があったなあ。。。。
夏の甲子園は、やっぱりサイコーだぜ。




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2 コメント

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いい試合だったっす・・・ (hanahana)
2021-08-28 01:34:28
いい試合だったけどさ・・・
それ以上に悔しいっす(泣)!!

なんでいつもこんな役回りかね?
っていうぐらいの負けっぷり。
なんか切ないわー。


本当に98年夏の横浜戦を見てるような最期。
思えばあの試合がきっかけで明徳を好きになって今日に至るわけですが、
大会が始まってその試合をTVで再放送していましたね。
まるで今大会の明徳の終焉を暗示していたかのような・・・。


勝ったと思ったのになあ。
今大会の采配はズバズバ当たって神懸っていました。
9回満塁でのゲッツーまでは・・・。

例年以上にヘコみました。さすがに。


しかし今大会は本当に楽しませてもらいました。
昨今のパワー野球のようなハデさは微塵もありませんが、
これぞ”高校野球”というような、馬淵野球の真髄を満天下に知らしめたのではないでしょうか。

相変わらずアンチの多いチーム、監督ではありますが、ここへきて名将という評価も徐々に増え
そういった面では今大会はファンとして感慨無量です。
しみじみ・・・


天候に振り回された今大会もいよいよ佳境に入ってきました。
決勝戦での智辯対決が見られるのでしょうか。
はたまた滋賀県勢悲願の初優勝に王手をかけるのでしょうか。

楽しみですねー。

マジ高校野球サイコー!




PS

明徳はここんとこずーーっと毎回対戦相手がキツいように思います。
胃が痛くなるような試合ばかりで見てて疲れる。
今大会なんかまともに見てられなかったし。

中立の立場で見たらシビレるようなゲームなんでしょうが、
毎試合ハラハラドキドキはしんどいよ~。


ま、昔みたいな優位性が無くなったってことなんでしょうね。
「和歌山じゃないほうの智辯なんて楽勝よ」って思ってたぐらいだったし。


ワタクシのおふくろなんて、いまだに東北、北陸の学校を地域性を理由に応援していますから。
昭和の頃の弱いイメージが離れないんでしょう。
今はどっちかっていうと強豪揃いの地域なんですがね。
返信する
Unknown (まめちち)
2021-08-28 07:25:34
hanahana様、コメントありがとうございます。
明徳義塾、残念でしたね。
あまり選手やチームをほめることのない馬淵監督をして、「いいチームになった」と言わしめたこのチーム、最近の明徳では感じられなかった「時の勢い」を感じ、ひょっとしたらと思っていました。
ワタシは大会前まではこのチームをあまり高く評価していませんでしたが、大会に入ってからいいチームだなあと思うようになっていましたので、智弁との試合は期待していました。
「力の智弁にどう対応するのだろうか」と思っていましたが、切り札として起用された吉村のナイスピッチングが、試合をしっかりと作り上げ、あと3人まで智弁に詰め寄りましたね。

前の試合、投手は継投を考えていた馬淵監督に対して、代木が嬉しい誤算で見事に完投。
この智弁戦に向かうに際して「切り札」吉村を温存できたのは、まさに「女神のご加護」かと思っていました。あのまま勝ち切っていたら、一気に頂点に登っていく流れだったですね。
さて、すでに還暦を大きく超えた馬淵監督。02年に続く栄光を、今一度つかめるでしょうか。残された時間は、あまり多くはありません。そして、近畿勢の無双状態は、しばらくは続くのではとワタシは読んでいます。
今後どのような戦いをしていくのか、とても興味深いですね。
今年は高知高校を見られずにとても落胆していましたが、明徳が高知のいごっそうの意地を見せてくれて、印象深い夏となりました。
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