大相撲秋場所12日目。
横綱・大関対決などが行われ、
白鵬が全勝で優勝にぐっと近づきました。
1敗で追っていた鶴竜は大関・高安の上手投げにゴロリ。
痛恨の2敗目を喫し、
優勝争いから一歩後退しました。
ハラハラ・ドキドキの横綱・稀勢の里は、
大関獲りを狙う御嶽海を破り9勝目。
何とか立て直してきて、
今場所後の”進退伺い”とはならない気配ですね。
とりあえず、よかった~。
白鵬はケガが多くなってきた昨今の状況から考えると、
数場所に一度ぐらいは「しっかりと休んで」、
回復して賜杯を狙うというサイクルでもいいのではないでしょうかね。
やはり強さ、うまさは角界ではピカイチ。
周りはよほどしっかりしないと、
彼についてはいけないですね。
それでも過度に立ち合いで駆け引きを行う白鵬の最近の相撲っぷりには、
ワタシは首をかしげることが多いです。
『大横綱』
といわれる地位を築き上げている力士なのですから、
どっしりとかまえて「どっからでもかかってこい」という姿勢を見せてもらいたいというのは、
期待のし過ぎなのかな?!
ワタシが勝手に思っていることなんですが、
白鵬は一人横綱になって優勝を重ねていくに従い、
勝てば勝つほど人気が落ちて行く(?)ということに葛藤を抱えていて、
思い悩んでいたのではないかと思っています。
彼自身がモンゴル出身ということもあって、
何か”いらぬ思い”も彼の中に湧き出てきていたんじゃないかな?
しかしこれって、
彼が日本人力士じゃない云々とは全く関係なくって、
日本人の「判官びいき」に他ならないんですよね、実際。
日本人って、
やっぱり長く上に立つ人がいると、
引きずり降ろしたくなる、
下に立つ立場のものを応援したくなる・・・・・・・・
そんなDNAを抱えているんじゃないかと思うんです。
時の大横綱だって、
みんなそうだったっていうじゃないですか。
ワタシが実際に見た北の湖も、
全盛期はいつも「負ければいいのに!」って言われていましたよ。
大鵬もしかり、
あの双葉山だってそうだったって聞きます。
(双葉山が負けるところを期待したファン、いっぱいいたらしいですよね)
突き抜けた実力を持つ第一人者って、
そんなもんなんだと思います。
しかしそんな「自分が負けることを、日本人が期待している」という葛藤を抱えた白鵬、
思い悩んだ末、
一つの結論に達したんじゃないかなあと思っています。
それは、
「自分は格闘家なんだ」ということ。
そして、
「勝つということのみに全力を傾ける。勝って黙らせる。」
ということをそれ以降の自分の相撲人生の、
中心軸に置いたんではないかということ。
そんなことを思ってみると、
ある時期から彼の相撲が急激に変わって、
張りさし、かちあげ、ダメ押し。。。。。。。。
そんな相撲っぷりが目立つようになってきたことにも、
合点がいきます。
しかしそれを「彼の勝利への執念の発露」とみると、
彼のすごさというものもまた、
見えてきます。
あれだけの実績を残した大横綱が、
なりふり構わず一つの勝利への執念を見せる姿、
最近ワタシは「彼はやっぱりすごい力士だなあ」という思いも、
再びむくむくと頭をもたげてきているところです。
しかしだからといって、
”大相撲の大横綱”という観点で見た場合、
許されざることと見えてしまうことも多数ありますね。
「万人に愛されたい」という思いは誰よりも持っていると思われる白鵬ですが、
それを凌駕する「格闘家としてのDNA」、
そのせめぎあいがなんともワタシの興味を引いているところです。
これから引退するまで、
ワタシはこんな感じで白鵬の相撲っぷりを楽しんでいこうと思っているところです。
ということで、
この秋場所も何か先が見えてきましたね。
焦点は、
今場所好調の豪栄道が、
どこまで白鵬の牙城を崩せるかということ。
豪栄道が波乱を起こさなければ、
すんなり白鵬の優勝ということになりそうです。
それから御嶽海、
頑張らないと、
これまでの努力が水の泡でまたスタートラインに戻っちゃうよ~。
何とか9勝までもってきて、
来場所に望みをつないでほしいものです。