あんなに嫌いだったのに

平成29年10月に夫がすい臓がんで先に逝ってしまいました。
定年したら離婚しようと準備していたのに・・・

癌との毎日 その25

2017-12-17 21:16:25 | 主人のこと
担当のドクターは外来を持っているため病室にくるのは大抵は夕方すぎだ。
私は(平日)2時からの面会時間に合わせて病院に行き、子供たちが帰ってくるまでには夕飯の支度をしなければならないので5時か遅くても5時半には病院を出ている。

病院に不信感を持ったその日も5時に病院を出て自宅へと運転していた。
5時半頃バッグの中で携帯がなるが、運転していて取ることはできない。

停められるところを探して、携帯をみるが知らない番号からだ。でも、市街局番で病院だろうということはすぐわかった。
こちらからかけ直そうとしている時に再度携帯が鳴った。
担当のドクターからだった。

夕方病室に顔を出した時に主人から話があったのだろう。
私が憤慨しているとでも言ったのかもしれない。

とても丁寧に「連絡が遅くなってすいませんでした。」と謝られた。
そして「一度奥様にもお話しておきたいので病院に来てもらってもいいですか?」と言われた。つい数時間前に主人相手に噛み付いたばかりなので、こっちから言い出さないと説明もないのかよと心の中で悪態をつきながらも「はい、大丈夫です。いつでも行けます」と答えた。
ドクターは「では明日でもいいですか?」と言うので「もちろん、面会時間の2時には病室に行ってますので先生が(病室に)来てくれるまでは待っています」と答えるも「いや、ご主人には内緒で僕の午前中の外来に来ていただきたいんです」と言われた。

途端に心臓がバクバクいいだした。
え?主人には内緒で?それって余命宣告?え?え?午前中?外来?え?え?ちょっとしたパニックになった。
そんな動揺を感じとったのかドクターが「まずは奥様とだけで話をしたいと思います」と切り出した。そんなことを言われたらもう悪い方にしか話はないよなと思いつつ、いたって平静をたもち(保ったつもりだが)次の日の約束を取り付けた。
そしてドクターが「二度手間になってしまうのは申し訳ないのですが、そのあと夕方にご主人と三人で話がしたいので、もう一度来ていただくことはできますか?」と言われた。
あくまでも午前中のドクターとの面談は隠したまま、夕方今後の治療方針を相談しましょうと言うスタンスできて欲しいとのことだった。
全身の毛穴が開いたようないや汗がでるが「はい、わかりました」と電話を切った。

心臓はバクバクしたままどうにか自宅まで帰り、夕飯の支度なんて手もつけられないままボーッとしてると主人からメールが来た。
「先生から電話が行ったんだね。明日五時半に面談だって今先生が言いに来たよ」と。
私だけが外来に呼ばれてるとは知らない主人が「経過がいいから退院の話をしましょうって言ってたよ」と嬉しそうにメールをよこした。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿