あみものだもの

まちがいだらけでも

感想文2 三國さんと行く編みもの修学旅行、ガーンジー島の章

2015年09月25日 | 編みものの本
ロンドンから飛行機で30分。自治の気風が強く、独自の通貨をもちユニークな法律もある、漁師たちの島ガーンジー。ここがガーンジー(またはガンジー)セーターの故郷です。

メリヤス編みに裏目で模様を入れたガーンジーセーターは漁師たちのユニフォームとして、今でも愛されています。今は機能的にセーターより優れた合成繊維の服がたくさん出回っているというのに、なぜ漁師たちはガーンジーセーターにこだわるのでしょう?

三國さんはここで、ガーンジー・フォーク・アンド・コスチューム博物館と、ガーンジー・ウールンズ、ル・トリコトゥールという二つのファクトリーを訪れて、かつて高校生だったご自身と、今の島の漁師たちを惹き付けるガーンジーセーターの魅力のわけに迫っていきます。

ガーンジーセーターは今のセーターにしては硬い糸で、密に編まれています。博物館に展示されている120年前のガーンジーセーターは、なんと靴下を編むような細い針を使って編まれたものだそう。それはまるで機械編みのセーターのようです。これも、アラン諸島のアンさんが言うところの"Talent"の賜物なのでしょうね。

保存状態がよいのは、これがおそらくよそいき用だったから。博物館のキュレーター、モリスさんがいうには当時の漁師たちは二着のガーンジーセーターを持っていたとのこと。一枚は毎日漁に着ていくためのもの。そしてもう一枚は、日曜礼拝に着ていくもの。イギリスのニッティングカルチャーはどうやら宗教儀礼とも深い関わりがあるようですね。否、関わりがあるというよりも、生きる糧を得ること、祈ること。ニットは生活の全てといってもいいのでしょう。

ちなみに毎日漁に着ていく「本物のガーンジーセーター」は、洗われることがないので海の匂いで一杯なのだそうです。一体どんな匂いがするのか…嗅いでみたいですね。ちょっと怖いけど。

ガーンジー島にある二つのファクトリーでは、もちろんひとつひとつのパーツは機械編みなのですが、とじはぎは職人の手作業で行われるそうです。工場で作られるものというとなんとなく全てが機械によってされている、というイメージがありますが、意外と多くの人の手がかけられているものなんですね。それぞれ小さな規模の工場なのに。

章の最後には上空から撮影したガーンジー島の写真が見開きで掲載されています。美しい写真の数々も、このブックの魅力です。

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実はこのあみものだもの、再開してから最初の記事で、1720のOUTポイントをいただきました。ある日全てのデータが消えて、「世界一孤独」になった私の記事を読んでくれた人がこんなにいるなんて、感激しました。これからも頑張って更新していきますので、どうぞ見守っていて下さいませ。多謝。

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