楽天と、インターネット専業のイーバンク銀行は4日、資本・業務提携で基本合意したと発表した。
イーバンク銀は9月末までに、楽天を引受先に優先株で総額約200億円の第三者割当増資を実施する。楽天からの社外役員の受け入れも検討している。
楽天は現在、イーバンク銀行株を議決権ベースで0・03%保有している。今回の増資は議決権のない優先株のため、保有比率は当面変わらない。ただ、全株を普通株に転換した場合、議決権ベースで最大30%程度を保有する筆頭株主となる。
イーバンク銀はこれとは別に、既存の株主に割り当てる方法で最大200億円程度の増資を行う計画だ。米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題の影響などで運用資産に評価損が出ており、4日発表した4~6月期連結決算では税引き後利益が17億9400万円の赤字だった。一連の資本増強で財務基盤の健全性を高める狙いだ。
両社は現在、仮想商店街「楽天市場」での代金支払いについて、イーバンク銀の口座で決済できるようにしており、今後、新たな決済サービスの導入や金融商品の開発などに取り組む方針だ。
楽天グループは、証券、クレジットカード、個人向けローンなどの金融事業が売上高の約4割強を占めている。三木谷浩史社長は銀行業への進出に意欲的とされ、イーバンク銀との提携でノウハウの蓄積を視野に入れているとの見方も出ている。
(2008年8月4日)