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SimonsonのKirbyっぽい遠近法が凄い、1977年のTHOR 266号、267号



2022年の夏以来の1977年のTHORのレビュー。今回はTHOR 266号、267号。

筋書をLen Wien、画をWalter Simonson、インクをTony DeZuniga がそれぞれ担当。添付画像は267号の表紙。267号ではこのようなシーンはないが、SimonsonのKirbyっぽいメカニカルなドローンミサイルのシーン。このコミックブックが出版された45年後の今、実際の戦争でドローンミサイルが使われるなんて。

粗筋。266号、悪巧みにより玉座についたLoki。仲間Balderの魂が入ったDestroyerに苦戦中のTHOR。救うことができるのはNornの女王Kanillaと囚われの身で眠りについているOdin。267号。Lokiの野望を打ち砕いたTHORは地球へ戻る。そこでコバルトを盗みニューヨークを強請ろうとするDamoclesと遭遇する。

今回も気にいったシーンや、台詞を徒然に書いていく。266号はこの話の最終回だけに盛り上がりまくり。THORとDestroyerの戦いは凄い。映画THORの最初みたいな感じ。

1ページを9個のコマに分け、Warriors Threeが悪人3人組を懲らしめる水戸黄門のようなシーンはSimonsonの凄技だ。左から右に進行する漫画しかできない表現。今回の一番の功労者はOdinを救いだしたこの3人だしな。それから今回も偶然か必然かVolstaggが相手を寄せ付けない力を見せつけたのも収穫。

Lokiに勝負を挑むKanillaの台詞。”Face the righteous wrath of the Norn Queen Kanilla.” Balderを救おうとしていつも以上に気合が入っている。

本編とは関係ないのだが、TravoltaやFarah Majorsのポスターの広告があり、時代を感じることができるのは、今だからこその楽しみだ。

2ページ見開きで、破壊された宮殿を再建するBalderのシーン。表紙もKirbyっぽかったが、この2ページはの遠近法の使い方は、正にKirby World。Simonsonすげー。宮殿の柱にカラスの顔がついているのが面白い。

さんざん悪事を働いていたLokiに対して憐みの気持ちを持つTHOR。それに対してLokiの台詞。”The realm eternal should be ruled by Loki. And I would sooner immortality entire than live to serve under such as thee.”(この後にLokiは神としての力を奪われ、地球に放逐れることになる。)この兄弟の対比はWienのアイディアかな。
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