
All New X-MEN (”ANX”)自体は今月14号のみなので、それと、Astonishing X-MEN("ATX”)の最近の流れをちょっとだけおさらいしたい。
まずは、ANX 14号についてのレビュー。筋書きをBrian Michael Bendis("BMB”)、画をStuart Immonenがそれぞれ担当。添付の表紙画もStuartの手によるもの。最近のStuartの画は良くなってきている。
さて、粗筋。伏線は数カ月前から続いているRaven、Lady Mastermind(LM)、Sabretoothによる銀行強盗篇の最終回。悪は敗れて一段落のはずだったが…。
初代X-MENのメンバーの一人Jean Greyと今回の敵役LMの父親とは因縁がある。そこをLMが利用して、過去から来たJean Greyにあることないこと吹き込むという図は楽しい。LMに対するJeanの台詞がかっちょ良いな。”If you’re trying to see which one of us can make the other one more angry, you win.”その後のJeanの台詞、「LMは幻影を使うが、私は現実」を使うってのも、好き。現実ってのは、LMが一番恐れているもの、即ちLM自身の考え、LM自身そのもだってのね。
戦闘シーンでは、CYCLOPSとBEASTの連携が良いな。苦戦しながら戦っている相手を替えると、形勢が逆転するってやつ。ヒーローものの実写では、こういうシーンはよく使われるけど、アメコミではあまり見ないかな。
今回はとにもかくにもLMの幻影に悩まされるわけだが、本物かどうか試すために、ICE MANが投げる雪つぶてが本物のAVENGERであるTHORにぶつかっちゃうシーンは、先月に引き続き楽しい。BMBは本当にICE MANを上手く使っている。
最後は、AVENGERSに拘束されたRavenが牢獄を脱走するシーン。こういう終り方は連続活劇ものでは定石かもしれないけど、何度観ても飽きない。一種の予定調和だな、水戸黄門の印籠みたいに、わかっちゃいるけどやめられない。
前回書き忘れちゃったけど、Ravenの秘密基地が日本にあるってことを表すためか、使用している車が日産のGT-Rなんだよね。画を描いているGabrielの車好き度が現れているね。選択が渋い。
前述の通りATXについてちょっとだけ書こう。ANXではずっこけヒーローの役割であるICE MANが、ATXでその力が暴走している。そればかりかその力が彼の弱い心を飲み込んでいる。また、ここでもRavenが悪役として大活躍。