
今月はいつものようにThe Amazing SPIDER-MAN (”ASM”)を最初に読んだので、早速レビュー。対象はASM 4号、1.3号。
今月も筋書きはDan Slottが、ASM 4号の画をHumberto Ramos 、ASM 1.3号の画をRamon Perezがそれぞれ担当。ASM 1.3号のAlex Rossの表紙も良いのだが、どうも新鮮さが感じられなかったので、4号のRamosの表紙を選んでみた。左がPeterで右が今回ようやく全貌を現したSilk ことCindy Moon。
ASM 4号は、Marvel夏のイベントOriginal SinのTie-in(同時期に進行する話)。殺されたWatcherの目の力によって、Peterは過去の隠された秘密を知ることになる。それが、Silkの存在。彼と同じ力を持つSilkだが、彼女の力を捕食しようとするMorlunを恐れている。一方1.3号では、May伯母さんとの関係がメイン。Peterの部屋で大金や化学物質をMay伯母さんが発見しひと悶着。その後はPeterの通う高校の科学発表会の場でまたもやClashなる勘違い少年と戦うことになる。
いつものように、気に入った台詞やシーンを紹介。今回も全体的にRamosの画が良いな。特にSilkがジャンプした後に蜘蛛糸を使ってSPIDER-MANのようにビルからビルへと飛んでいこうとするシーンが綺麗だ。
ASM 4号を読んで過去の経緯をおさらいしたかったので、小プロの末烽フスパイダーマン大全を読み直した。Ezekielと、今回の敵Morlunについてね。John Romita Jr.の描いた二人の姿は記憶にあるのだが、話は覚えてなかったな。先々月に書いた通り、Peterは単純に蜘蛛に噛まれたからSPIDER-MANになったわけじゃないってEzekielから教えてもらったんだよね。それなのに、何故かSilkは蜘蛛の力を持っている。彼女も選ばれた蜘蛛の力を持つ戦士なのか。
SilkがPeter以上の体力とSpider-sense(第六感的なもの)を持っている点は買いかな。
今回の話は、どうも物語の途中で進展が遅いのがだめ。また、Silkが異常にMorlunを恐れているわりに、Peterとのキスで物語が終ってしまったのはあまりに唐突かな。
それから最大の欠点。Peter Parker はこれまでの多くの敵と戦った経験から、ヒーローとして一人前であるのに対し、Silkはそんな経験を積んでいない。仮にPeter以上の力を持っていたとしても、それを使って相手と戦うのとは別の話。ASM 4号でのSilkとSPIDER-MANの戦いは不自然。
一方のASM 1.3号。May伯母さんの早とちりは、Stan Lee、John Romita Sr.が担当していた当時のSPIDER-MANを彷彿とさせ面白い。まさか、Peterがドラッグの製造者兼売人とは。もっとPeterを信用しろよって言いたくなるけどね。
ClashというSPIDER-MANのバッタモン悪人とPeterの対比は今回も見せてくれる。高校の科学展で方や他責ばかりのClashに対し、自責のSPIDER-MAN は最後まで人命の救助にあたる。May伯母さんから悪人扱いされてしまうのも昔のSPIDER-MANのお約束かな。
経験を積んでいないPeterはもうこの時点でSPIDER-MAN稼業から足を洗っちゃう宣言したのも良いね。
2点気に食わないところ。今回はのPerezの画はちょっといただけないな。何個か残念だと思うコマがあり。もう一つは、三流悪人のClashで話を引っ張り過ぎなところ。