灯り①

 

いつだったかな。。もう２０年ぐらい前。。

体中に湿疹が出たことがありました。

湿疹は全身に広がり

皮膚科に行っても

アレルギー検査をしても

原因はわからなかった。

痒み止め、塗り薬

皮膚にいいという入浴剤

毎日気が狂いそうな痒みとの戦い。

結局何かわからないまま落ち着いていったけど

あの苦しみは忘れない。

今の仕事を始めて何年目だろうか。

決まったエリアの中の配達の仕事。

毎日ぐるぐるエリアの中を車で走り

猫が多くいる場所はだいたい把握できている。

この子達の存在を知ったのは結構前なんだけど

痩せていないこの子達は

きっとエサやりさんに大事にされている。

この日ふっと車から降りてみたんだ。

 

とにかく体を痒がって

ひたすら掻きむしっている。

皮膚病かなぁ。。

そしてもう１頭。

痒くて痒くてたまらない様子。

茶白のこの子。

痩せていて状態が良くはなかった。。

 

体全身にかさぶた

掻きむしった場所に血がにじんでいる。

触るのも痛々しいほどだった。

これは何？何が考えられる？

早速メンバーに写メを送ります。

ノミ、ダニがいることによるアレルギーではないか？

駆虫薬を垂らせば良くなるよ！

とのことでした。

獣医さんでも写真を見せて確認

ヒゼンダニ

ーヒゼンダニとはー

疥癬（かいせん）は、

猫の皮膚にダニの一種である「ヒゼンダニ」が

寄生することで皮膚炎を起こす病気です。
疥癬の初期症状は顔や耳介に赤い発疹や脱毛が見られ

フケやかさぶたが発生します。
さらに、それに伴って皮膚が肥厚し

顔や耳の皮膚にしわができます。

若い猫でも、急に年老いたような見た目になります。

疥癬の原因となるヒゼンダニが猫の皮膚に寄生すると

猫の皮膚を破壊したり

猫にとって刺激となる分泌物を放出するようになります。

それが原因となり免疫細胞を呼び寄せて

猫にとって異物となるものを除去しようとして炎症を起こします。

このとき、免疫細胞が周辺の神経まで刺激することによって

激しいかゆみを引き起こします。

獣医さんは言う。

「ここまで酷くなる子はキャリア（エイズ、白血病）

である可能性が高いよ。

抵抗力が落ちて酷くなってる訳だから。」

すりすり寄ってくるこの子。

たまらないですね。。

お金を出せば買える駆虫薬

駆虫すれば済むことなのに

この子達にはそれさえもできません。

皮膚がただれ、体からフケや粉が落ち

人からは汚い野良猫と言われ追い払われる。

この子の向かう先は死なのですか？

抱っこも出来るこの子。

私が抱きしめるから！！

まずは頭数分のレボリューションの手配。

一刻も早くこの子達を痒みから解放してあげたい！

 

この日ご近所の方と話をすることができました。

自転車に乗って来るおじさんがここでエサをあげるのだと言う。

エサをばら撒いてうんちは凄いし

大変迷惑しているとおっしゃっていました。

でもね、この子達

迷惑をしていると言ってた方がいても逃げないんです。

私「お母さんが出て来ても逃げないんですね。

お母さん、追い払ったりしないんですね。」

近所の方「動物は嫌いじゃないからね。

この子達には罪はないし。」

その言葉だけでも私は嬉しかった。

 

準備に取り掛かります。

決行日、本日！！

あの子はいるだろうか？

 

 

いた！！！

できる子から順番に駆虫薬を垂らします。

 

鳴いてすり寄ってくるこの子が愛しくてたまりません。

この子達は、自分の力ではどうにもならないと感じ

人に頼るということを本能で知っています。

私は何度もそういう子達と出会った。

 

 

あなたはキャリーの中で何を想っていたのだろう。

 

この子の保護部屋は洗面所です。

とりあえず隔離が必要ですが

もう部屋がないから。。ごめんね。

 

この日の為に調達したストーブ。

これがまたもの凄く温かい。

 

 

パウチ２袋を完食し

すーすー寝息を立てて眠っています。

心も体も温まってほしい。

 

駆虫薬で死んだノミがたくさん落ちていました。

すーすー寝息を立てていても

こうしてじっとしている姿を見ると心配になります。

 

 

もの凄く過酷だったんだろうな。。

頭も背中もかさぶたでごつごつしてます。

きっと疲れたよね。。

 

絶対に元気になって！！

 

 

体が綺麗になれば絶対可愛くなるね。

凄く楽しみにしているんだからね(*´▽｀*)

by 会員K