今から約10年ほど前真っ白な体に耳だけが薄茶色の柴犬が家族の仲間入りになりました。
柴犬がほしくて、偶然にも3匹の柴犬の赤ちゃんが生まれた知り合いの家に家族全員で見に行ったんです。そしたら他の2匹は茶色の柴犬ですでに他の方たちにもらわれていってしまっていてその白いムクムクした体の赤ちゃん柴犬だけがお母さん柴犬といたんです。飼い主さんから"お母さん柴犬も兄弟たちも全員茶色なのでこの子もしばらくしたら茶色になるわよ"と言われ、一番犬がほしかった娘にもせがまれこの白い柴犬を頂きました。家を新築して半年ほどの我が家に迎え入れると床をつるつる滑りながらアンバランスに走り回るのがやっとで、何度みんなで手助けをしたか。。。でも3日目で外で飼うこことにしました。真っ白の脱毛の後片付けが毎日大変だったんです。私にとっても初めて飼う犬で、まさか犬の飼育にこんなに振り回されるなんてって3日目で家の中で飼うことに疲れてしまったんです。
みんながなかなか思いつかない名前に、私は思わず"メスなのでジョセフィーヌにしよう"と言って、きょとんとしていたまだ幼かった娘と息子に"メスだし、偉大なナポレオンを支えた奥さんの名前だし"とか説明をすると、ジョセフィーヌという名前に同意。日が経つにつれみんな"ジョセ"と呼んでいました。
後日、いろんな方たちに"なぜジョセという名前なの?"と聞かれると娘と息子はただ単に"女性だから"と答えているのを知りましたけど。。。
昼間は毎日一人ぼっちで庭にお留守番をしていて夕方になると、どこからともなく私たちを何度もジーっと見つめていたジョセ。プライドが高くいろんな犬が近づいては威嚇をして追い出したり、その割には追い出してほしいのら猫が近づくとつい見逃して後で気づいてワンワン追いかけようとしてみたり。。。
時々は家族とそのお友達以外のまったく知らない人たちにも威嚇をしてみたり。。。まるで"私はりっぱな番犬よ!"とでも自覚しているかのような偉大な(?)ジョセフィーヌ。典型的な柴犬で家族にはほんとに忠実なところもあって、家族以外にはだれにも近づこうとはせず。。。私たち家族がほんとに大好きでたくさん甘えん坊なジョセ。
そんなジョセフィーヌの左目に異変を見つけたのが去年の春でした。いそいで病院へ連れて行ったのですが余命数ヶ月の宣告。元気だし左目の腫れ以外何も変らない彼女。犬の寿命は10年余りと聞いていたのでまったくその宣告が信じられない私と家族。たくさんのお金がかかりましたが2回の手術と注射の通院に投薬。。。それでも容赦なくどんどん再発をしてくる病気との闘い。。。
翌年のお正月あたりからはこれまでこんなことはなかったのですが、彼女は私たちから距離を置くようになってしまいあまり触れることもできなくなりました。毎晩玄関の中で寝ていた彼女ですがそれさえも拒んでしまいました。食べる量も減り喉が渇いているはずなのにお水さえもなかなか飲んでくれず、手で汲んであげようとしてもなかなか近づいてくれず。。。夜中に何度も起きては外の軒下でごそごそ音を立てている彼女の様子を見ながらすごしていたある朝早く、静かに冷たくなっていたジョセフィーヌにやっと触れることができました。
たくさんの涙を流しながら家族で暖かいタオルに彼女を包んであげて、元気な頃持ち上げるといつも感じていたあの重みはもうなく、たくさんの"ありがとう"を言いながら天国へ旅立つ準備をしてあげました。
命日には写真を飾ったりお花を添えたり少しのおやつを添えてあげたりすることをいろいろ耳にしていたのですが、彼女を亡くした悲しさがまだまだつらくて、私たち家族にはそれができません。その悲しさを紛らわすために普段どおりの日々をすごしています。見た目にはジョセが庭にいないだけでいつかまたひょこっと帰ってくるような気さえして。。。
そんな真っ白いからだの柴犬、ジョセフィーヌが旅立ったのはちょうど1年前の今日、2月18日でした。