わたしんちの医学革命と雑多な情報

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ビッグ・ファーマ 巨大製薬会社の真実 

2008年01月21日 | 医学と健康

先回のつづきです。


URL:http://miyajee.free100.tv/bigphama.html


ーーーーーーーー以下引用ーーーーーーーーーーーーーー


第五章 ものまね薬づくり 製薬業界の実態


前章で述べられているように、「画期的新薬」が14%なら、あとは何だ?という疑問がある。

信じられないことに、残りはすべて、すでに同じ病気を治すために市販されている薬とさして違わない薬(「ゾロ新薬」という)なのだ。中にはオリジナルと異なった構造のものもあるが、大多数はそれほど違わず、改良品ともいえないようなものばかりだ。

こんな茶番が可能なのは、法に大きな欠陥があるからだ。

新薬の承認を得るには、製薬会社がFDAに新薬が「効く」ことさえ証明すればいいからだ。
つまり同じ病気の治療に既に使われている薬よりもその新薬が優れている必要は無いのだ。

臨床試験で行われているのは、新薬と現在最善とされている薬の比較ではなく、プラセボとの比較でいいのだ。このハードルは非常に低いものだ


また、大ヒット薬の特許期限が切れそうになると、しばしばその大ヒット薬と実質的に同じ薬を作り、ユーザーをそれに乗り換えさせることが行われる。

イギリスのアストラゼネカは、年間60億ドル売り上げる胸焼け薬「プリロゼック」の特許期限が切れるに当たって、ほぼ同じ内容の「ネクシアム」として大々的に売り出した。
1年間で5億ドルのキャンペーンを行い、ネクシアムはプリロゼックに代わる地位を得た。



第六章 新薬ってどのくらい効くんだろう?

製薬会社がスポンサーとなっていない稀な臨床試験からみる。
それはALLHAT(心臓発作の予防に関する降圧および脂質低下療法試験」)と呼ばれる、高血圧の治療に関する大規模臨床試験であり、主にNIHによって実施された。

8年間もの長期にわたり、4万2千人以上を対象に、600箇所以上の医療機関で実施荒れたもので、これまで実施されてきた高血圧の治療に関する臨床試験の中でも最大のものだ。

この試験では①カルシウム拮抗薬(ファイザーのノルバスク)、②α遮断薬(ファイザーのカーデュラとジェネリックのドキサゾシン)、③アンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬(アストラぜネカのゼストリル、メルクのプリニビール、ジェネリックのリシノプリル)、④ジェネリックの利尿薬

の4種類の薬を比較している。

この臨床試験について、2002年に米国医師会雑誌に報告された結果は驚くべきものだった。

何と古くから使われている利尿薬が最も血圧を下げただけでなく、高血圧の重篤な合併症である心臓病や脳卒中も十分に予防することがわかったのだ。

利尿薬で治療した群の方が、ノルバスクで治療した群よりも心不全になる人が少なかった。
また、利尿薬で治療した群ではACE阻害薬で治療した群よりも、心不全、脳卒中、その他の合併症になる人は少なかった。

米国国立心肺血液研究所の所長は、「ALLHATは利尿薬が高血圧の治療に、医学的にも経済的にも最善であることを証明した」とはっきりと結論付けている。

高血圧の治療には、おおむね新タイプの薬が使われる。82年には高血圧患者の56%に利尿薬が処方されていたが、ACE阻害薬やカルシウム拮抗薬が市場で大ヒットしたため、その10年後には27%にまで落ちている。

2001年に高齢者に処方された薬ベスト50で、ノルバスクは2位である。他のACE阻害薬も3つ入っている。
だが、利尿薬など一つも入ってない。

ここで費用を考えてみよう。
2002年の時点で、利尿薬の年間費用は37ドル(市販薬で最も安い)。一方ノルバスクは715ドル。ジェネリックのACE阻害薬でも230ドルだ。つまりノルバスクを使っている高血圧患者は利尿薬と効き目が代わらない、おそらく効かない薬に利尿薬の19倍もの金を払っているのだ。


1980年代までは臨床試験に対して製薬会社はコントロールする立ち場にはおらず、結果があがってくるのをじっと待っていたのだ。製薬会社は研究者に対して臨床試験のやり方を全く指示しなかった。

だが、現在では製薬会社は研究デザインの決定、データの解析から研究結果を公表するかどうかまで、あらゆることに口を出す。

なぜ、こんなことになってしまったのか。
80年を境に、製薬業界が巨万の富と大きな影響力を持つ産業へと成長したことに始まる。
彼らは研究者が結果を出してくれるのをじっと待っていられなくなったのだ。

そこで、営利目的で臨床試験を行う開発業務受託機関(CRO)に臨床試験を任せることにした。

また、大学と製薬業界の関係も大きく変わった。
バイ・ドール法により、大学の医療センターは製薬会社と目的を同じくする「パートナー」として考えるようになり、臨床試験では製薬会社に対して従属的な立場をとるようになった


だが問題も多い。
官僚の中で一番給料が高いNIHの上級研究官の間で製薬会社から巨額の顧問料やストックオプションを得るのが慣習化している。
2004年になってやっと上院や会計検査院も調査に乗り出した。


最近の研究によると、製薬会社がスポンサーになった臨床試験では、NIHが実施した臨床試験より4倍も、その製薬会社に有利な結果が出ている。

例えば、ノルバスクなどのカルシウム拮抗薬の研究についての利益相反を検討した論文では、70編の安全性に関する論文のうち、カルシウム拮抗薬の安全性についての利益相反を検討した論文では、70編の安全性に関する論文のうち、カルシウム拮抗薬の安全性を支持する見解を述べた論文の著者の96%はカルシウム拮抗薬を製造する会社と金銭的な関係があり、カルシウム拮抗薬の安全性に批判的な論文の著者の場合はわずか37%であった。


その他、臨床試験の結果をゆがめるために、データの結果の都合の良い部分だけを見せるという手が用いられる

関節炎の治療薬セレブレックス(ファルマシア製、後にファイザーに買収)がスポンサーとなって実施した臨床試験で、既存の2つの治療薬に比べて副作用が少ないという結果が出たが、それは一部だけの結果であり、全体の結果を分析したところ、セレブレックスには何の利点も認められなかったのだ。

 

第七章 押し売り 餌に、賄賂に、リベート

消費者向け直接広告はいまや飽和状態だが、製薬会社のマーケティング活動がターゲットにしているのは、消費者ではなく医師である。

2001年現在、8万8000人もの医薬品情報担当者(MR)がおり、全国の大きな病院の廊下を歩き回り、贈り物を手渡したり、教育病院で若い医師相手にランチをご馳走している

贈り物の例としては、クリスマスツリー、シャンパン、レセプション付きのワシントンレッドスキンズの試合チケット、ハワイへの家族旅行、大量の現金。

製薬会社は競争の厳しい市場に食い入ろうとするために、驚くほど多くの贈り物をしている

さすがに2003年には保健福祉省が過度の贈り物は連邦反リベート法に違反する可能性があるとしたが、これも抜け穴ばかりだ。

というのは、サンプルは一番の贈り物だからだ。
新しく承認された高価な薬になびかせるにはサンプルの提供は非常に効果的だ。
また、製薬会社は病院やHMOに大幅な値引きをする。
これはおとり販売のようなものだ。
というのは、入院中にネクシアムが処方された患者は、退院後も高価なネクシアムを買わなければならないからだ。

製薬会社は研究開発費が巨額であることが薬価が高くなる理由にしようとしているが、実はマーケティングの方にずっとたくさんのお金が使われていることをどう説明するのか。

それに、マーケティングの費用が高いということについては別の疑問もわく。もし処方薬が優れたものであるなら、どうしてそんなに無理して宣伝しなければならないのだろうか。

グリベック(白血病薬)は売込みなどしなくても勝手に売れている。容赦ない売込みが必要なのはゾロ薬なのだ。


第八章 教育を名目としたマーケティングの偽装

FDAは承認していない薬を使うこと(適用外使用)は禁止している。だが、医師はこの制約は受けないのだ。だから製薬会社にとって適用外使用をいかに医師に勧めるかが重要なマーケティングとなる。


ここで「教育」という言い訳が使われるのである。製薬会社が医薬品の潜在的な使用方法について医師に情報提供するだけなら違法ではないのだ。

また、リベートは違法だが、教育とか研究目的だとすれば際限なく贈り物が出来るのだ。


また、アメリカでは医師が免許を持ち続けるためには、継続的に生涯教育を受けることを義務付けられている。
講演会や講義を年間100単位程度取得する必要があるが、その全国で毎日開かれる何百、何千と言う講演会に対して、製薬会社が費用を負担しているのだ(費用の60%を超える)。

中には巨大広告代理店の持つ教育プログラム関連企業もあり、医師生涯教育と薬のマーケティングとの関係が明らかになっている。

また、製薬会社は医師をコンサルタントだのアドバイザーだのとして雇い、多額の謝礼を払うことを正当化していている。
 

大規模な学術集会の多くは、まるでバザーのように製薬会社の派手な展示だらけであり、あらゆる種類の無料サービスを提供している。

医師という職業は気高い聖職のはずなのに、「飲食、お世辞、親睦」、つまり金銭のパワーの下僕に成り下がっているのだ。
 
 

 



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-----------------------以上引用終わり--------------------------------

 次回に続きます。

 

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