昨日の続きです。
エジプト神話のトト神は万能の神様だから異名が沢山ありました。トト神は太陽神「ラー」の補佐を務めたことから、「ラーの心臓」ともよばれたようです。
太陽神ラーの心臓とも言われるトト神は、エジプトだけでなく古代ローマ帝国でも信仰されていました。
世界を創ったとする「創造神」の1柱でもあり、トト神は言葉を使って世界を創造したと言われています。
ところで、トト神が補佐をした太陽神ラーについて今日は書いてみます。
古代エジプトは、多神教で神話には、日の出あたりの太陽をフンコロガシの神様として、日中燃え盛る太陽をラー神として、日の入りの太陽をアトム神としました。
太陽にも3つ名前をつけるわけです。実際、様々な神様が何千とおり、まさに、エジプト版ヤオロズの神!
しかし、とても多い神様を、実は基は同じ神様が姿かたちを変えているだけという考えを生み出しています。そして基の神様を1つの神様としてまとめたのが、
創造神アトゥム=太陽神ラーなんだそうです。
フンコロガシの神(日の出の神)はどこいった?
ところで、太陽神ラーは創造神アトゥムと同じです。アトムは核ですね。
私のもつアトムのイメージは、アニメ界巨匠、手塚治虫さんの鉄腕アトム。
そして、唯一の被爆国ですから核兵器のイメージもあります。
大好きな手塚治虫さん作品と核兵器のもつ言葉の響きが共通することにも複雑な気持ちになります。
核兵器廃絶頑張って!
エジプト神話では、アトゥムはエジプト人が最も原初に近い生物と考えていた蛇の形をいます。太陽の形にも、蛇が象られています。
神が日光を運ぶという考えがあったようです。蛇は脱皮により無限に死と再生を繰り返すので、生命を象徴する存在としてエジプトでは崇められてもいました。ツタンカーメンも蛇を頭につけてますね!
蛇の信仰は、日本の古代龍蛇信仰にも繋がります。
創造神アトゥムは世界を生み出しては滅ぼす、生と死、再生と破壊を繰り返していたと考えられています。
インドのヨガの教典では、個の根源のことをアートマンと呼んでいるようです。インドにも、再生、維持、破壊の神を信じるヒンズー教がありますね。
アートマン、アトゥム、アトム。そして、日本語ではあとむ、(ひらがなのはじまり音)阿 十 無。無の響きは、ひらがな最後の音、「ん」とも感じます。阿吽にも。
世界に広がる信仰の中で、再生や破壊、始まりと終わりをイメージできる神に、核や根源を表すアトムと同じ音の響きをもつのは不思議だなと感じました。
つづく