神はそれでも意地悪に僕らの魂をいつかは取り上げるのだろう

クズと思われても仕方がない赤裸々な日記。

括約筋をめぐる冒険/後編

2013年05月19日 20時32分22秒 | 日記
俺とTが劇場を出たのは一時間後だった。

「あの時、女装野郎に何て話し掛けられたんだ?」と俺が尋ねると、Tは苦笑し、「女装を探してるんでしょ?って聞かれた」と答えた。「危うくカップル成立になるところだぜ」

帰りの電車の中、Tは言った。
「同じ学年の中に必ず一人はそういうのがいるもんだって聞いたことあるけど、実際、どうなんだろうな」
「さぁな」
「仮にそういう奴がクラスにいたとしても、ハナから異分子だなんて決めつけられねぇよな」
「そうだな。お前もそろそろカミングアウトしろよ」と俺が軽口を叩くと、Tは笑って俺の肩にパンチした。


そのポルノ映画館はまだH町で営業している。潰れることはないと思う。
愛には様々な形がある。それは性欲も同じだ。この世界にはまだまだ我々が足を踏み入れていない未知の領域がたくさん存在する。その中でも人間の欲望が一番のトワイライトゾーンなのかもしれない。



…とか言ってみたりして。

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