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歯科技工士・岩澤 毅

秋元 秀俊 (著) 手仕事の医療 評伝 石原寿郎

2017年06月06日 | amazon.co.jp・リストマニア



手仕事の医療 評伝 石原寿郎 単行本 – 2017/4/8

秋元 秀俊 (著) 単行本 ¥ 3,456

http://peoples-med.com/2017/03/14/%e3%80%90%e6%96%b0%e5%88%8a%e3%80%91%e6%89%8b%e4%bb%95%e4%ba%8b%e3%81%ae%e5%8c%bb%e7%99%82-%e8%a9%95%e4%bc%9d%e3%80%80%e7%9f%b3%e5%8e%9f%e5%af%bf%e9%83%8e/

歯科医学の青春の門~補綴編, 2017/6/6

投稿者 歯職人

 本書は、東大医学部出身の医師の上で歯科医師となり、医科医学と比して何らかのわだかまりを持ちがちな歯科医学に携わる者たちに、歯科医療の「歯は、目で見て、自分で治して、そうして、効果がわかる。」という十分な価値を説き、言葉と裏付けのある科学により歯科医学の価値と学問の自立へと導き、数多くの研究者と歯学部教授を育てながら、60年代末の大学紛争の渦中で自死を選んだ石原寿郎東京医科歯科大学歯学部教授(当時歯学部附属病院長)の評伝を中心としながら、ある種の青春群像でもある。
 著者の秋元秀俊氏は、東京医科歯科大学とは、大学も地域も違うが、年齢的には60年代末の大学紛争の時代の空気を近くで感じた世代。大学卒業後、幾つかの職業を経験し、歯科専門の雑誌社・出版社に位置を得て、その能力を発揮した方です。
 本書の冒頭に91年の夏、代々木の故石原教授宅に夫人を訪ねる行がある。著者の経歴資料によれば、この頃、著者の秋元氏は医療ジャーナリスト、編集企画者として独立した。既に本書の構想はあったものと思われる。映画の宣伝風に言えば、本書は「構想四半世の石原寿郎評伝」であり、歯科に人一倍係わりを持ったジャーナリストの決算の書となるのだろうか。
 輸入学問としての日本の歯科医学は、その輸入先の発掘と販売代理権の獲得、日本国内への華々しい販売合戦に忙しく、何かに欠けていたものと思われる。石原教授は、その欠けていたものを埋めるべく研究生活を送り、大学人としての役割を果たす。
 ギージー/鋳造冠/ナソロジー/下顎運動/運動軸、歯科補綴に接した者にとっては、keywordとして刻み込まれた言葉をめぐる物語が展開する。
 藍稔/阿部晴彦/加藤元彦/金子一芳/河邊清治/桑田正博/末次恒夫/染谷成一郎/高橋新次郎/中澤勇/中原市五郎/平沼謙二/総山孝雄/保母須弥也/眞鍋満太/増原英一/丸森賢二/村岡博/その他、戦後の歯科医療の経済的成功の担い手と伴走者たちが、躍動する。
 著者の秋元氏は、決して本書を「公平中立」の立場から書くことを意図してはいないだろう。秋元氏から見た歯科医学であり、歯科補綴であり、東京医科歯科大学を描くことを意図したものと思われる。
 是非、読むべき人たちに手に取ってもらいたい重みのある一冊です。
https://www.amazon.co.jp/review/R1WG5Z0WJS5Q11/ref=cm_cr_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=4990917618

【新刊】手仕事の医療 —評伝 石原寿郎

生活の医療社、書籍出版第二弾 2017年3月刊行
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タイトル:
手仕事の医療
評伝 石原寿郎

 秋元秀俊 著

上製本|四六判|312ページ
定価:3200円+税
shienshaアマゾン


「歯は、目で見て、自分で治して、そうして、効果がわかる。」石原は自分に言い聞かせるように訥々と、歯科医師への転身の理由をそう語った。そして、臨床を真正面に据えながら、教育者として、学者として、清明な論理をもって実証にこだわり続けた。歯科は、ここに初めて「ものがたり」を得た。これはノンフィクションであり、証言集であり、歯科医学の現代史である。石原寿郎という臨床を愛した孤高の学者の仕事と彼をめぐる状況を、歴史的資料によって跡づけ、丁寧に紡いだ。

目次
一.転向
二.粉砕学
三.ギージーの嘘、
四.鋳造冠
五.銅合金
六.中心感染
七.ゆきづまり
八.ナソロジー
九.下顎運動
十.運動軸
十一.渡欧
十二.種々相
十三.熱病
十四.責任

著者について——秋元秀俊
1952年生。大学卒業後、家具職人見習いをはじめいくつかの職を経て人文図書の編集を経験し、クインテッセンス出版の歯科臨床医向け月刊誌創刊に携わり、同誌編集責任者として、心内膜炎と口腔内細菌、患者のナラティブ、腸内細菌と口腔内細菌の生態学、初期齲蝕の再石灰化、臨床と基礎(病理)との接点など、時代を先取りした企画で話題となる。1988 年モリムラなどと連携し、スウェーデンからP. アクセルソンを招いて、従来予防は公衆衛生とされていたところに、歯科医院での予防歯科を日本に導入。1991年10月に独立し、1992年10月有限会社秋編集事務所設立。多数の出版企画・製作とともに毎日ライフ、家庭画報などに歯科医療関連記事を連載。1994年熊谷崇と共著で『<歯科>本音の治療がわかる本』(法研)より出版、改訂新版を合わせて13年間21刷のロングセラーとなる。1998年日本ヘルスケア歯科研究会の設立に参画。2000年に歯科を「生活の医療」と位置づける論考を発表(後に日本歯科医師会大久保執行部のキーコンセプトとなる)。 著書:上記のほか『良い歯医者と治療がわかる本』(1998)、『ドイツに見る歯科医院経営の未来形』(2001)、共著に『医療事故の責任』(2007)、『院内事故調査の手引き』(2009)、『3・11 の記録 震災が問いかけるコミュニティの医療』(2012)、『院内事故調査 実践マニュアル』(2015)など


商品の説明


内容紹介

「歯は、目で見て、自分で治して、そうして、効果がわかる。」石原は自分に言い聞かせるように訥々と、歯科医師への転身をそう語った。清明な論理をもって実証にこだわり続けた石原は、同時にまっすぐに歯科臨床を見据えてもいた。氏の中で、科学としての歯科医学と手仕事としての歯科医療は常にせめぎ合いつつ、併存していた——。 これはノンフィクションであり、証言集であり、歯科医学の現代史である。すなわち、いまの日本の歯科医師とは、何者なのか。石原寿郎というひとりの孤高の学者の仕事と彼をめぐる状況を、歴史的資料によって跡づけ、丁寧に紡いだものがたりである。

著者について

1952 年生。大学卒業後、家具職人見習いをはじめいくつかの職を経て人文図書の編集を経験し、クインテッセンス出版の歯科臨床医向け月刊誌創刊に携わり、同誌編集責任者として、心内膜炎と口腔内細菌、患者のナラティブ、腸内細菌と口腔内細菌の生態学、初期齲蝕の再石灰化、臨床と基礎(病理)との接点など、時代を先取りした企画で話題となる。1988 年モリムラなどと連携し、スウェーデンからP. アクセルソンを招いて、従来予防は公衆衛生とされていたところに、歯科医院での予防歯科を日本に導入。1991 年10 月に独立し、1992 年10 月有限会社秋編集事務所設立。多数の出版企画・製作とともに毎日ライフ、家庭画報などに歯科医療関連記事を連載。1994 年熊谷崇と共著で『<歯科>本音の治療がわかる本』(法研)より出版、改訂新版を合わせて13 年間21 刷のロングセラーとなる。1998 年日本ヘルスケア歯科研究会の設立に参画。2000年に歯科を「生活の医療」と位置づける論考を発表(後に日本歯科医師会大久保執行部のキーコンセプトとなる)。 著書:上記のほか『良い歯医者と治療がわかる本』(1998)、『ドイツに見る歯科医院経営の未来形』(2001)、共著に『医療事故の責任』(2007)、『院内事故調査の手引き』(2009)、『3・11 の記録 震災が問いかけるコミュニティの医療』(2012)、『院内事故調査 実践マニュアル』(2015)など

登録情報

単行本: 312ページ
出版社: 生活の医療; 四六判版 (2017/4/8)
言語: 日本語
ISBN-10: 4990917618
ISBN-13: 978-4990917616
発売日: 2017/4/8

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