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中島 誠 (著) 立法学〔第3版〕: 序論・立法過程論

2014年11月28日 | amazon.co.jp・リストマニア
政策形成の道標となる立法過程論
投稿者 歯職人 投稿日 2014/11/28

 著者の中島氏は、現役の厚生労働官僚にして、大学の教壇にも立ち、地方自治体(富山県)に出向けば県職員の政策情報誌『でるくい』(出る杭の意)を創刊し、なおかつそれを県内主要書店で販売するという、なかなかアクティブな方です。
 本書は、初版発行が2004年、新版発行が2007年、そしてこの第3版発行が2014年と確実な読者を得ている。公共政策系大学院等での教科書として企画されてはいるが、それに留まらない『でるくい』である。
 政策が法律案へと仕上がる過程を、実際の国会の審議に登場する以前の「省庁内過程」「政府内過程」「与党内過程」、そしてその過程に作用するマスコミの力等、実際の動きが整理され、なおかつ机上論ではない論考がされている。
 官僚批判の時代に中央省庁に席を得、政権交代により大きな風圧を受けた厚生労働省の渦中にあり、障害者自立支援法の廃止をめぐっては担当課長として市民団体から名指しの批判を受けた中島氏の立法学の名を借りた立法過程論であり、統治論、日本政治論である。
 特に本書でお勧めなのが、時に数ページに及ぶ出典と引用文からなる脚注である。この脚注には、独立の資料集・読み物としても出版の価値があるのではと思わせる力がある。
 副題に「序論」を置き、「立法学」をタイトルにした著者の次の一手が楽しみである。
 
http://www.amazon.co.jp/%E7%AB%8B%E6%B3%95%E5%AD%A6%E3%80%94%E7%AC%AC3%E7%89%88%E3%80%95-%E5%BA%8F%E8%AB%96%E3%83%BB%E7%AB%8B%E6%B3%95%E9%81%8E%E7%A8%8B%E8%AB%96-%E4%B8%AD%E5%B3%B6-%E8%AA%A0/dp/4589035472/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1417154635&sr=8-1&keywords=%E7%AB%8B%E6%B3%95%E5%AD%A6#customerReviews

立法学―序論・立法過程論 (第3版)

中島 誠【著】

価格 \3,888(本体\3,600)
法律文化社(2014/01発売)

サイズ A5判/ページ数 365p/高さ 22cm
商品コード 9784589035479
NDC分類 321

内容説明

2009年政権交代、自民党復権などの大きな政治変動を踏まえ、50頁増の大幅補訂を施し刊行。日本政治を考える主要な視座を提示しつつ、我が国における立法過程の全貌に迫る。

目次

第1部 序論―立法学総論(立法学の意義;立法学の体系;立法学の課題)
第2部 立法過程論―立法を巡る制度と動態(我が国における立法過程の鳥瞰図;省庁内過程;政府内過程;与党内過程;政官関係;官僚制;マスコミ;国会内過程;議員提出法案;国会の機能;政治主導)

著者紹介

中島誠[ナカジママコト]
1960年兵庫県生まれ。1984年東京大学法学部卒業後、厚生省入省。大臣官房企画官(人事・省庁再編担当)。健康局生活習慣病対策室長。大臣官房参事官(健康・医療保険担当)。障害保健福祉部企画課長等を務める。この間、2001~04年九州大学大学院法学研究院助教授(立法学、社会保障法)に出向。その後、一橋大学大学院法学研究科客員教授。筑波大学法科大学院非常勤講師。早稲田大学大学院法学研究科非常勤講師等も経験(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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