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歯科技工士・岩澤 毅

小池晃 日本歯科医師会臼田会長らの逮捕 中医協汚職 日歯連事件

2005年04月15日 | 国会議事録
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 法案質疑に先立って、昨日、日本歯科医師会の臼田会長らの逮捕がありました。これに関してお尋ねしたい。
 東京地検特捜部の発表した被疑事実によれば、中医協で歯科医師会に有利な意見を述べてほしいという趣旨の贈収賄であります。収賄側は下村健健保連副会長らで、贈賄側は臼田貞夫日本歯科医師会長らであります。下村容疑者は厚労省社会保険庁のOBだ。臼田容疑者は厚労省管轄の公益法人である日本歯科医師会のトップであります。しかも、事件の舞台は中医協で、これは国民の受ける医療内容にこれ重大な影響を与える診療報酬の改定をめぐる贈収賄だと。
 大臣にお伺いしますが、こういう性格の贈収賄であって、これは厚労省としての責任、私、重大だと思うんですが、どう考えていらっしゃいますか。

○国務大臣(坂口力君) 今朝も朝日委員に御答弁を申し上げたところでございますが、これが事実とすれば誠に遺憾なことであり、我々も重大な関心を持ってこの処置に当たらなければならないというふうに思っております。もう少し検察等の調べの経緯も必要でございますが、我々も責任のあることでございますから十分に対応したいというふうに考えております。

○小池晃君 これは診療報酬の改定をめぐる贈収賄ですから、私は、厚生労働行政の公正性が問われる、そういう性格の問題だと。そういう認識ございますか。

○国務大臣(坂口力君) 中医協は、これはもうオープンにいたしておりますし、皆さん方にどのように御発言をしていただいているかということはすべてオープンになっております。その中医協におきますそれぞれの委員の皆さん方の御発言というものは、私は今日まで信頼をしてきたところでございますが、そうしたことに何らかの影響があったかどうかということは現在の段階では分からないことでございます。しかし、体制的には私はこの皆さん方の御意見というものが十分に生かされてきたというふうに思っているところでございます。
 今後、もう少し経緯を見て私たちも検討したいと思っております。

○小池晃君 ちょっと事実関係確認したいんですけれども、下村容疑者、加藤容疑者から歯科診療報酬改定の内容について厚生労働省に対して中医協の場以外で何らかの働き掛けがあったと、そういう事実ございますか。

○国務大臣(坂口力君) 今も申しましたとおり、これは、中医協の中でそれぞれの方が発言をされて、それが集約されて一つの結論になるわけでございますから、その中医協の場でどのように発言をされているかというところまで現在私は調べておりません。
 厚生労働省の方にそういうことがあったかどうかということも、今ちょっとここで御答弁をすることはでき得ませんけれども、これはやっぱりちゃんと調査をしなければいけないというふうに思っております。少なくとも私のところにはそういう話はございませんでした。

○小池晃君 これ、司直の手に任せるということにはならないと。やはり、厚労省として調査されると言ったので、これ全力を挙げるということを求めたいと思います。
 そもそもこういう事件なぜ起こるのかということに関して言うと、私は、背景としてやはり歯科医師会と歯科医師政治連盟が一体となった集金活動が横行しているという問題があると思うんです。これによって多額の資金が生まれて、そういう資金が政治家や今回のように中医協の委員にまでばらまかれているということではないだろうか。ここにメス入れない限り、私はこうした疑惑の根を絶つことできないと思います。
 この間、この問題、私も何度も取り上げてまいりましたが、その後、今日も、こういう事態あったんで朝からいろいろと調べてみたら、それだけでも次から次へと事実出てくるわけであります。
 これは山梨県の歯科医師会が歯科医師会の名前で会員の医療機関に送った文書なんですが、この中には、会費の通知なんですけれども、山梨県歯科医師会会費と政治連盟会費、それから日本歯科医師会会費と政治連盟会費がこれ一緒くたに全部記載されて合計額として示されている。これが医療機関に送られている。正にこれ、混然一体となった集金活動の、私、動かぬ証拠だと思う。
 それから、後で厚労省にはこれお渡ししますけれども、北海道の歯科医師会が会員に送った領収書のコピーがございます。これははがきで送られているんですが、歯科医師会費十五年度前期分五万円、日本歯科医師政治連盟の会費十五年度分三万三千円、北海道歯科医師政治連盟会費十五年度分一万円、その他国保料など全部合計して十八万四千九百七十三円が北海道歯科医師会の発行した領収書で会員に送られているわけです。
 さらに、これは医師会、歯科医師会でなく医師会ですが、神戸市の医師会が会員に送ったこれ二枚の請求書がございます。これ、全く書式も同じだと。片やこれ医師会費、片や連盟会費なんです。これ、振り込み口座両方とも書いてあるんですが、どちらも大和銀行神戸支店、それから神戸中央郵便局、それぞれ口座番号は全く同じで、口座名義人は両方とも社団法人神戸市医師会となっている。この送り付けられた請求書に同封されていたのがこの振り込み用紙でございまして、この振り込み用紙には医師会費と政治連盟の会費を合計した金額が書かれて、口座名は神戸市医師会、ここに振り込んでくださいと。つまり、医師会費も政治連盟の会費も医師会の口座に全く一緒に振り込まれているという、こういう構図あるわけですよ。こんなことやったら、どこまでが医師会費でどこまでが連盟会費なんて、これは峻別のしようがないわけです。
 この問題は私も何度も取り上げてきましたが、こういう医師会や歯科医師会とそれから政治連盟を一体となって集金活動やるということに私は重大な問題があると考えておりますが、大臣の認識いかがですか。

○国務大臣(坂口力君) これは以前にも御答弁申し上げたことがあるというふうに思いますが、医師会は、これは厚生労働省の管轄でございますが、医師会政治連盟でありますとか歯科医師政治連盟でありますというのは我々の、この厚生労働省の範囲のことではございません。
 ただし、そうではございますけれども、今御指摘のように、医師会と医師政治連盟、それから歯科医師会と歯科医師政治連盟の会費を一緒に集めるとか、あるいはまた同じ場所に存在をするとか同じ口座にするとかというようなことは、これは避けなければならない。それは別の話であって、別にすべきだということを各種団体に対しましても流しているところでございますし、何度もそれは我々の方といたしましては各種団体に言っているところでございます。
 しかし、そういうふうに流しております、流しているといいますか、皆さん方にもそういうふうにして申し上げているところでございますけれども、それでもなおかつそういう事態が今後も続いているということであれば、現在も続いているということであれば、ひとつしっかりとその辺は一遍調査をして再度確認をしたいというふうに思います。

○小池晃君 これが続いているんですよ、依然として。これ、通達出してそれで終わりじゃなくて、今、大臣、調査するとおっしゃったんで、これ是非調査していただきたい。これ全国調査すべきですよ、こういう実態がもう本当に。だって、私、今朝から調べただけでこれだけ情報来るんですよ。これは厚労省がもう全体としてやればもっともっとこれはっきり全貌分かるはずだ。これは是非調査すべきだというふうに思います。
 政治連盟の活動の中身も、これ見てみますと、例えば中野区の、東京の中野区の歯科医師政治連盟の例をちょっと御紹介しますと、昨年九月二十七日に中野区歯科医師会の会館の講堂で総会が行われているんです。会長のあいさつがちゃんと報告書になっています。どういうあいさつかというと、四月の中野区議会議員選挙におきまして所期の目的を達成し、山崎芳夫区議が当選できましたことは、先生方のお力添えのおかげです。ありがとうございました。来年七月に参議院選挙があります。我々の業界より日本歯科医師連盟公認の笹井啓史氏、厚労省の出身の方ですね、が立候補いたしますと、こういうごあいさつされていて、その後は粕谷茂前衆議院議員、川井重勇都議会議員があいさつをして、正に自民党の後援会の決起集会みたいなことをやっているわけです。
 川井都議はこんなことを言っている。粕谷茂前衆議院議員を東京都連盟の特別枠推薦で比例区で押し上げたいということで話を進めておりますと。定年は七十三歳ですが、総裁・総理経験者、それに準ずる働きが党にあった方という特例がありますと。東京都連盟、まあ歯科医師連盟ですね、正にそれに準ずる働きをなさった方ということで、認めていただけるかどうかは国レベルの問題となるので今現在分かりませんが、そうしたいと。正に候補者の決定にまで歯科医師連盟として取り組んでいるということを書いているわけで、これ事実としては重大だと。
 私は、中野区のこれ調べてみますと、歯科医師政治連盟の会費は、日本歯科医師連盟が三万三千円、東京都連盟一万五千円、中野区歯科医師連盟が二万円ですから、これ合計、先生方一人当たり六万八千円の政治連盟会費を払っているわけです。これが膨大に集められて、それが言わば医師会員、歯科医師会員から自動的にこれだけの巨額なお金が集められて、それが自民党の政治活動に使われているとしたら、これは私重大な事態だと、こんなことを許していていいのかというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
 こういったことがまかり通っているんですよ。こういったことに対して、これは連盟の問題だというふうにおっしゃるけれども、歯科医師会と全く一体となってやっている以上、これは厚生労働省として物を言うべきじゃないですか。いかがですか。

○国務大臣(坂口力君) 政治連盟の中でどういうふうに行われているか、そこでどういう発言をされたかというところまで我々は関知することではないと思っております。

○小池晃君 しかし、今回こういう事件にまでなってきていると。これは歯科医師、中野区歯科医師連盟の会長は言っているんですね。我々の仕事というのはどういう仕事かなと、こういうふうに言っているんですよ。連盟の仕事というのは、社会保険の問題、また委託事業、学校歯科健診、三歳児健診等に関し関係各所と折衝し歯科界の立場を主張すると。政治力がないとできないから、こういう政治力を発揮してやろうと。正に連盟の政治力を使って厚生行政を、これ動かしていこうということを言っているわけですね。これはちゃんと会員に公然と配られているあいさつですよ。
 だから私、これは政治連盟だから関係ないじゃ済まされない。正に今回の事件がそれを示しているじゃないですか。この混然と一体となった集金活動によって莫大なお金、そしてそれが峻別されていないから、どこまでが医師会のお金でどこまでが政治連盟だか分からない。そういう金が正に厚生行政を動かす、診療報酬の点数を変えるために使われていると。こういう実態があるのに、それは政治連盟の話で関係ありませんじゃ済まないでしょう。
 これ、厚生大臣として、こういう実態があるのであれば、やはりただすべきところはただすと、私は当然そういう態度で臨むべきだと考えますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(坂口力君) 政治連盟がどういうことを主張されるか、それは政治連盟がお決めになることでございます。
 政治連盟というんですから、それは政治をどう動かそうかと皆思われるでしょう。それはほかの団体でも同じことでありまして、政治に対してどういう働き掛けをするかということをやはりそれはお考えになって政治連盟をお作りになっているわけでありますから、我々の主張を政治にひとつ反映させようということに、おっしゃるのはそれは当然のことだといえば当然のことだというふうに思うわけであります。だから、そのことと今回のこととがそんな直接関係あるということではないというふうに私は理解をいたしております。

○小池晃君 そんなことを断定できる段階じゃないと思いますよ、事実がまだ分かんないって大臣だっておっしゃったんだし。これは徹底的に、こういう事実関係について厚生労働省の責任で私は明らかにすることを求めたいと。先ほどおっしゃいましたから、それはやっていただくということで。
 委員会に対しては、これは診療報酬の改定にかかわる疑惑ですから、私はこれはもう正に厚生行政にかかわる重大問題だと思います。日本歯科医師会の代表の参考人招致を求めます。会長と言いたいところですが、逮捕されていますので、それに代わる代表を呼んでいただきたい。それから、疑惑が起こった当時も現在も中医協の会長を務めておられるのは星野進保さんですので、この両名の参考人招致を求めますが、いかがでしょうか。

○委員長(国井正幸君) 後日、理事会において協議させていただきます。

○小池晃君 それから厚労省には、これは〇二年度の歯科診療報酬改定の経過にかかわる疑惑であります。この歯科診療報酬改定の経過についての、どういう議論がなされたか、それから日本歯科医師会あるいは今回逮捕された容疑者からどのような働き掛けがあったのか、大至急調査をして資料を提出することを要求いたします。

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