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歯科技工士・岩澤 毅

渡辺房男 (著) お金から見た幕末維新――財政破綻と円の誕生(祥伝社新書219)

2010年12月09日 | amazon.co.jp・リストマニア
幕末維新期の日本の財政を当時の貨幣と金銀相場事情から見る, 2010/12/9

By 歯職人

 徳川幕府を倒してみたけれど、新政府に金は無い。日本の東と西では、金を用いるもの銀を用いるもの、基準も異なる。藩はその財政難から、御札(おふだ)の様な藩札を発行し、更には偽金作りにさえ手を出している。
 明治新政府が、様々な負の遺産を背負込みながら「円」を発行し、西欧列強に「追いつこうとする国」として財政と通貨制度を整える過程を描く一冊です。
 幕末維新期はその「英雄」物語と戦闘を含む激動に目を奪われがちであるが、極めて地味かつ困難な国家の基本を取り上げ新書にまとめたものです。
 実務は、常に地味且つ技術的問題への格闘と「民の支持(意識)獲得競争」という側面にも光を当てた幕末維新史です。
「円」と「日銀」誕生の前史を語る読み物として適していると思います。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/439611219X/ref=cm_cr_mts_prod_img

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祥伝社新書
お金から見た幕末維新―財政破綻と円の誕生

渡辺 房男【著】
祥伝社 (2010/11/10 出版)

209p / 18cm
ISBN: 9784396112196
NDC分類: 342.1
価格: ¥798 (税込)


詳細
幕府から政権を奪ったものの金はなく、明治政府は財政破綻からのスタートだった。
同じ日本でありながら東国は金貨、西国は銀貨が流通し、それぞれの品質も違えば交換相場も日々変わる。
おまけに各藩が発行した藩札の処理。
近代国家を目指す新政府にとって、焦眉の急は、単位が統一された通貨制度の確立にあった。
だが、その道は困難を極め、財政的な綱渡りを繰り返していく。
「円」は明治四年になってやっと生まれ、日本銀行は十五年に誕生。
初めての紙幣が発行されたとき、明治はすでに十八年になっていた。
新政府の財政を立て直し、国の根幹をなす貨幣制度を作りだした、大隈重信、渋沢栄一、松方正義ら、経済官僚たちの創意工夫と苦闘を描く、もう一つの幕末維新史。


第1章 幕末の財政破綻―戊辰戦争の軍資金は、いかにして調達されたか
第2章 新政府、苦肉の財政立て直し―三岡八郎の登場と太政官札の発行
第3章 「円」は、いかにして生まれたか―大判小判の世界から、新貨幣の世界へ
第4章 日本初の貨幣鋳造工場―近代化への生みの苦しみと、大隈重信の執念
第5章 藩札、太政官札の退場―箱館戦争の終結、中央集権体制の確立へ
第6章 「明治通宝」札の登場―初の「円」紙幣発行、通貨統合の完成
第7章 「国立銀行」誕生の怪―なぜ、一五〇種を超える銀行紙幣が発行されたのか
第8章 最初の肖像は神功皇后―悲願の国産紙幣が印刷機にかかるまで
第9章 松方財政と日銀の誕生―二〇年かけて完成した通貨流通体制

著者紹介
渡辺房男[ワタナベフサオ]
1944年、甲府市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後NHKに入局、文化番組などを数多く手がける。99年『桜田門外十万坪』で歴史文学賞を、『指』で世田谷文学賞を、2001年『ゲルマン紙幣一億円』で中村星湖文学賞を受賞。明治時代に材を採った歴史経済小説の書き手として注目されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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