○小池晃君 そのほか医療にかかわる問題、幾つか聞きます。
歯科診療における診療報酬についての独自ルール、いわゆるローカルルールという問題です。これは一昨年四月の当委員会で、神奈川県でそういう県の独自ルールを保険医の皆さんに押し付けているという実態を私紹介しまして、そのとき水田局長も、診療報酬の解釈は全国統一だと答弁されました。
これ白紙撤回ということになったようですが、その後の歯科医や医療機関への周知というのはどのように行われているか、御報告願います。
○政府参考人(水田邦雄君) 委員御指摘のいわゆる四者協議でございますけれども、これにつきましては、前回御答弁申し上げましたように歯科診療報酬の算定要件にかかわる全国統一の取扱いがございます。協議すること自体は認識を共有するという意味で意義があるわけでありますけれども、こういった個別の事案について詳細な取決めが行われているという神奈川県の事例、これについて県独自の解釈が行われていると、こういった誤解を招くおそれがあるのではないかと考えられたことから四者協議の場で白紙撤回ということを決めたわけでございます。これは、昨年九月にこの四者協議の場におきまして白紙撤回する旨の合意がなされたものと聞いております。
その後の周知につきましては、社会保険事務局におきまして取決めの周知を行った医療機関に対しましてその周知を図る、あるいは国民健康保険団体連合会及び神奈川県歯科医師会につきましては、広報誌や事務連絡等を通じまして医療機関等へ周知しているものと聞いてございます。
○小池晃君 支払基金だけが周知の努力をしていないようなので、これは撤回したことを周知するように厚生労働省からも指導をしていただきたいというふうに思います。
それから、神奈川県で行われているようなこういう四者協議あるいはローカルルールというのは全国でどうなっているか調査を求めましたが、その結果をお示しいただきたい。
○政府参考人(水田邦雄君) 社会保険事務局、支払基金、国保連合会及び歯科医師会、これで四者協議と言っているわけでありますけれども、こういった協議は全国で神奈川県を含め四つの県で存在していると承知をしてございます。秋田県、長野県、神奈川県、和歌山県でございます。ただ、この四者協議におきましては、歯科診療報酬の請求や算定の基準等に関する情報の共有化を図っているものと聞いておりまして、これ自体否定すべきものではないと考えてございます。
ただ、この四者取決めがもうローカルルールになるのではないかということも御指摘になったわけでありますけれども、こういった神奈川県以外の三つの県におきましては、神奈川県と同様の取決めを行ったところはないものと聞いております。
○小池晃君 診療報酬の解釈は全国統一だという原則ですから、こういうローカルルールのようなものはもう根絶するように引き続き指導を求めたいと思います。
それから、社団法人日本口腔インプラント学会が専門医制度規程を作っております。この規程の案の段階では、専門医資格の条件の一つとして日本歯科医師会会員であることということが挙げられています。しかし、専門医の認定に必要な技術水準の指標と、職能団体である歯科医師会への加盟ということは何の関係もないはずだと思います。
医政局長にお伺いしますが、専門医制度の在り方から見ていかがなものかと私は思うんですが、見解はいかがですか。
○政府参考人(松谷有希雄君) 専門医につきましては、それを広告するに当たっては国が定めた一定の要件を満たすことを求めているところでございますけれども、それぞれの専門医自体の認定要件につきましては各学会において独自に定めておりますものであることから、社団法人日本口腔インプラント学会の判断につきまして厚生労働省としてコメントする立場にはないというふうに考えております。
なお、そもそもこの学会は専門医を広告できる団体では現在ございません。なお、お尋ねをいただいた件につきましては、社団法人日本口腔インプラント学会に照会したところ、専門医の申請資格については、案の段階では日本歯科医師会員であるとなっていたものが、今先生御指摘のとおり、日本歯科医師会員であることが望ましいに修正されて、本年三月二十九日付けで施行されたと聞いております。
○小池晃君 専門医資格の条件として歯科医師会員であることがなぜ望ましいのかというのは、私、歯科医師会員であるというのは変わったと言うけれども、ますます疑問が深まるわけで、これは問題提起はしておきたいと思います。
最後に、レセプトオンラインシステムの問題についてお聞きしたいんですが、昨年四月の厚生労働省令の改正で、オンライン請求が来年四月から段階的に施行され、二〇一一年四月から原則義務化される。初めに断っておきますが、私はオンライン請求そのものを否定する立場じゃありません。それはやれるところは大いにやったらいいと思うんです。しかし、その義務としてすべての医療機関に押し付けるということ、しかも、その何というか、財政的保障などについてやはり問題があるのではないかという、そういう立場で質問をするんですが、最初に、そのオンライン請求の義務化には、これは法律による根拠というのはあるんでしょうか、簡単にお答えください。
○政府参考人(水田邦雄君) 診療報酬のオンライン請求の法令上の根拠でございますけれども、これは平成十八年四月に、療養の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令を改正してこのオンライン請求を規定しているわけでございます。
これは、健康保険法第七十六条第六項及び国民健康保険法第四十五条八項におきまして、保険医療機関又は保険薬局の療養の給付に関して必要な事項は厚生省令で定める旨規定がなされているわけでございます。先ほど申し上げました省令は、これらの法律の委任を受けたものでございます。法的環境はそのように整理をしてございます。
○小池晃君 私が法律の条文読んでも、オンライン請求を義務化するところまで委任しているとはとても読めないんですね。
この義務化というのは、これはいろんな意味で権利義務生じるわけですよ。その従来の方式全部変えるわけですし、猶予期間以外の救済規定はありませんし、費用負担についても代償措置もないんですね。
こういうように新たな義務を開業医、医療機関に課すのに対して、法律の根拠なく省令の改正だけでやれるということがそもそも許されるんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 既に電子請求につきましてはこれまでもやってきたわけでありますし、言わば電子請求をしてきたものをオンラインにつなげるだけでございますので、これは診療報酬請求の方法でございますので、特に問題はないかと承知しております。
○小池晃君 いや、それはやりたいところがやるのは別にいいんですよ。義務にするわけでしょう。すべての開業医、医療機関にこれ義務にすることが、法律を変えることなく省令の変更だけでできるのかと、そういう権利義務の変更が。それを聞いているんですよ。
○政府参考人(水田邦雄君) それは法令上の根拠のある省令に基づいて決められるものだと思っております。
○小池晃君 いや、それは駄目ですね。それはさっき言ったように、法律上あの法律からオンライン請求を義務化するというところまで委任しているとはとても読めないですよ。こういうふうに、新たなかなり大変な義務を負わせることを私は省令だけでやるということ、すべてに義務にするわけですから、そもそもこれは許されないやり方だと、立法府としてはちょっと大いに考えなきゃいけない問題だというふうに思っております。
しかも、非常に心配の声が上がっていて、神奈川県の保険医協会のアンケートでは、二〇一一年からのオンライン請求化に対応できるというふうに答えた人が三二・一%、残りの七割の人が不安の声を上げています。これは非常に厳しい質問なんですが、オンライン請求が義務化された場合に開業医を続けるかという問いには、一二%の方が辞めるというふうに答えているんですね。このアンケート調査を見ますと、やっぱり一番の不安は設備への費用投資です。要するに、レセコンがある方が八割ぐらい、しかし今のレセコンでそのままオンラインにつなげるのかどうかということでいうと、なかなか難しいという方も多い。そういう意味では、環境を整備するために様々な費用が掛かってくる、それを大変心配されているわけですね。
一方で、審査支払機関については昨年度予算で三十億円の補助金が付いているわけです。審査支払機関にはオンライン義務化に当たって三十億円補助金を出しながら、診療側には何の財政援助もなくもう全部オンライン義務化しろ、これはあんまりじゃないですか、こういうやり方は。いかがですか。
○政府参考人(水田邦雄君) レセプト請求の電算化、オンライン化ということでございまして、導入時点で一定の経費が必要になるわけでありますけれども、導入後におきましては、膨大な紙のレセプトの印刷あるいは編綴作業あるいは提出前の院内チェックが効率化されると、こういった医療機関にとってもメリットが大きいわけでございます。
財政援助ということでございますけれども、十八年七月の診療報酬改定におきましてIT化を集中的に推進するという観点から、平成二十二年度まででございますけれども、電子化加算を新設したところでございます。さらに、医療機関ごとに異なる傷病名等のコードを電子レセプト用の統一コードに変換するための支援ソフトを私ども厚生労働省で開発し、医療機関に提供したところでございまして、こういったところで初期費用の軽減を図るということができるものと考えております。
○小池晃君 IT加算は初診料三点ですよ。これで設備投資の費用だって言えるんですか、胸張って。全然足りないですよ、こんなんでは。私は、やはりこれだけのことを診療側に求めるのであれば、当然何らかのその経済的なインセンティブというのがあってしかるべきだというふうに思います。
それから、私、最も重大だと思うのは個人情報の問題です。診療報酬請求データというのは最もデリケートな個人情報であるはずです。ところが、昨年三月三十一日の閣議決定、規制改革・民間開放推進三か年計画ではこう書いてあるんですね。レセプトデータについて、民間等も含め活用する際、過度の厳重な要件を課していたずらに利用を制限することのないよう、個人情報保護に配慮しつつも、データ利用・分析に係る利用資格・手続等の利用環境の整備を図る、こう言っているんですね。私、これ読むと、どうしても個人情報保護がまず第一ではなくて、民間ができるだけ活用しやすくするようにするんだと、その際個人情報保護も配慮するけれども、まずは民間の利用の活用だというふうにしか読めないんです。
大臣、ここで言っている民間というのは一体何なのかというのもあるんですが、これでは、やっぱりこういう閣議決定では民間へのデータの提供が個人情報保護よりも優先するとしか私には読めませんし、大事なその患者情報が流出する危険性があるようなシステムを医療機関に対して財政援助もなく義務として押し付ける、こういうやり方には到底理解が得られないのではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) レセプトデータというのは今委員の御指摘のとおりでありまして、非常に高度な個人情報であるということでございまして、その保護には万全を期すことは当然であると、このように考えます。このため、収集、分析に当たっては、個人情報保護に十分留意して、匿名化技術の活用によりまして、個人名等を特定できない形で行うことといたしております。
また、収集したデータについて、国以外にどこまで利用を認めるかなど、利活用の在り方につきましては、個人情報の取扱いに十分留意しながら、有識者や関係団体の方々の御意見も踏まえ、今後、慎重に検討していかなければならないと、このように考えております。私自身も、この関係のいろいろな内閣における会合では、その点は常に強調をしているというところでございます。
○小池晃君 大臣の今の答弁と、私は閣議決定の三か年計画のニュアンス大分違うようにお聞きをしました。個人情報保護第一にこの問題はやっていくんだということでやっていただきたいと思います。
終わります。
歯科診療における診療報酬についての独自ルール、いわゆるローカルルールという問題です。これは一昨年四月の当委員会で、神奈川県でそういう県の独自ルールを保険医の皆さんに押し付けているという実態を私紹介しまして、そのとき水田局長も、診療報酬の解釈は全国統一だと答弁されました。
これ白紙撤回ということになったようですが、その後の歯科医や医療機関への周知というのはどのように行われているか、御報告願います。
○政府参考人(水田邦雄君) 委員御指摘のいわゆる四者協議でございますけれども、これにつきましては、前回御答弁申し上げましたように歯科診療報酬の算定要件にかかわる全国統一の取扱いがございます。協議すること自体は認識を共有するという意味で意義があるわけでありますけれども、こういった個別の事案について詳細な取決めが行われているという神奈川県の事例、これについて県独自の解釈が行われていると、こういった誤解を招くおそれがあるのではないかと考えられたことから四者協議の場で白紙撤回ということを決めたわけでございます。これは、昨年九月にこの四者協議の場におきまして白紙撤回する旨の合意がなされたものと聞いております。
その後の周知につきましては、社会保険事務局におきまして取決めの周知を行った医療機関に対しましてその周知を図る、あるいは国民健康保険団体連合会及び神奈川県歯科医師会につきましては、広報誌や事務連絡等を通じまして医療機関等へ周知しているものと聞いてございます。
○小池晃君 支払基金だけが周知の努力をしていないようなので、これは撤回したことを周知するように厚生労働省からも指導をしていただきたいというふうに思います。
それから、神奈川県で行われているようなこういう四者協議あるいはローカルルールというのは全国でどうなっているか調査を求めましたが、その結果をお示しいただきたい。
○政府参考人(水田邦雄君) 社会保険事務局、支払基金、国保連合会及び歯科医師会、これで四者協議と言っているわけでありますけれども、こういった協議は全国で神奈川県を含め四つの県で存在していると承知をしてございます。秋田県、長野県、神奈川県、和歌山県でございます。ただ、この四者協議におきましては、歯科診療報酬の請求や算定の基準等に関する情報の共有化を図っているものと聞いておりまして、これ自体否定すべきものではないと考えてございます。
ただ、この四者取決めがもうローカルルールになるのではないかということも御指摘になったわけでありますけれども、こういった神奈川県以外の三つの県におきましては、神奈川県と同様の取決めを行ったところはないものと聞いております。
○小池晃君 診療報酬の解釈は全国統一だという原則ですから、こういうローカルルールのようなものはもう根絶するように引き続き指導を求めたいと思います。
それから、社団法人日本口腔インプラント学会が専門医制度規程を作っております。この規程の案の段階では、専門医資格の条件の一つとして日本歯科医師会会員であることということが挙げられています。しかし、専門医の認定に必要な技術水準の指標と、職能団体である歯科医師会への加盟ということは何の関係もないはずだと思います。
医政局長にお伺いしますが、専門医制度の在り方から見ていかがなものかと私は思うんですが、見解はいかがですか。
○政府参考人(松谷有希雄君) 専門医につきましては、それを広告するに当たっては国が定めた一定の要件を満たすことを求めているところでございますけれども、それぞれの専門医自体の認定要件につきましては各学会において独自に定めておりますものであることから、社団法人日本口腔インプラント学会の判断につきまして厚生労働省としてコメントする立場にはないというふうに考えております。
なお、そもそもこの学会は専門医を広告できる団体では現在ございません。なお、お尋ねをいただいた件につきましては、社団法人日本口腔インプラント学会に照会したところ、専門医の申請資格については、案の段階では日本歯科医師会員であるとなっていたものが、今先生御指摘のとおり、日本歯科医師会員であることが望ましいに修正されて、本年三月二十九日付けで施行されたと聞いております。
○小池晃君 専門医資格の条件として歯科医師会員であることがなぜ望ましいのかというのは、私、歯科医師会員であるというのは変わったと言うけれども、ますます疑問が深まるわけで、これは問題提起はしておきたいと思います。
最後に、レセプトオンラインシステムの問題についてお聞きしたいんですが、昨年四月の厚生労働省令の改正で、オンライン請求が来年四月から段階的に施行され、二〇一一年四月から原則義務化される。初めに断っておきますが、私はオンライン請求そのものを否定する立場じゃありません。それはやれるところは大いにやったらいいと思うんです。しかし、その義務としてすべての医療機関に押し付けるということ、しかも、その何というか、財政的保障などについてやはり問題があるのではないかという、そういう立場で質問をするんですが、最初に、そのオンライン請求の義務化には、これは法律による根拠というのはあるんでしょうか、簡単にお答えください。
○政府参考人(水田邦雄君) 診療報酬のオンライン請求の法令上の根拠でございますけれども、これは平成十八年四月に、療養の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令を改正してこのオンライン請求を規定しているわけでございます。
これは、健康保険法第七十六条第六項及び国民健康保険法第四十五条八項におきまして、保険医療機関又は保険薬局の療養の給付に関して必要な事項は厚生省令で定める旨規定がなされているわけでございます。先ほど申し上げました省令は、これらの法律の委任を受けたものでございます。法的環境はそのように整理をしてございます。
○小池晃君 私が法律の条文読んでも、オンライン請求を義務化するところまで委任しているとはとても読めないんですね。
この義務化というのは、これはいろんな意味で権利義務生じるわけですよ。その従来の方式全部変えるわけですし、猶予期間以外の救済規定はありませんし、費用負担についても代償措置もないんですね。
こういうように新たな義務を開業医、医療機関に課すのに対して、法律の根拠なく省令の改正だけでやれるということがそもそも許されるんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 既に電子請求につきましてはこれまでもやってきたわけでありますし、言わば電子請求をしてきたものをオンラインにつなげるだけでございますので、これは診療報酬請求の方法でございますので、特に問題はないかと承知しております。
○小池晃君 いや、それはやりたいところがやるのは別にいいんですよ。義務にするわけでしょう。すべての開業医、医療機関にこれ義務にすることが、法律を変えることなく省令の変更だけでできるのかと、そういう権利義務の変更が。それを聞いているんですよ。
○政府参考人(水田邦雄君) それは法令上の根拠のある省令に基づいて決められるものだと思っております。
○小池晃君 いや、それは駄目ですね。それはさっき言ったように、法律上あの法律からオンライン請求を義務化するというところまで委任しているとはとても読めないですよ。こういうふうに、新たなかなり大変な義務を負わせることを私は省令だけでやるということ、すべてに義務にするわけですから、そもそもこれは許されないやり方だと、立法府としてはちょっと大いに考えなきゃいけない問題だというふうに思っております。
しかも、非常に心配の声が上がっていて、神奈川県の保険医協会のアンケートでは、二〇一一年からのオンライン請求化に対応できるというふうに答えた人が三二・一%、残りの七割の人が不安の声を上げています。これは非常に厳しい質問なんですが、オンライン請求が義務化された場合に開業医を続けるかという問いには、一二%の方が辞めるというふうに答えているんですね。このアンケート調査を見ますと、やっぱり一番の不安は設備への費用投資です。要するに、レセコンがある方が八割ぐらい、しかし今のレセコンでそのままオンラインにつなげるのかどうかということでいうと、なかなか難しいという方も多い。そういう意味では、環境を整備するために様々な費用が掛かってくる、それを大変心配されているわけですね。
一方で、審査支払機関については昨年度予算で三十億円の補助金が付いているわけです。審査支払機関にはオンライン義務化に当たって三十億円補助金を出しながら、診療側には何の財政援助もなくもう全部オンライン義務化しろ、これはあんまりじゃないですか、こういうやり方は。いかがですか。
○政府参考人(水田邦雄君) レセプト請求の電算化、オンライン化ということでございまして、導入時点で一定の経費が必要になるわけでありますけれども、導入後におきましては、膨大な紙のレセプトの印刷あるいは編綴作業あるいは提出前の院内チェックが効率化されると、こういった医療機関にとってもメリットが大きいわけでございます。
財政援助ということでございますけれども、十八年七月の診療報酬改定におきましてIT化を集中的に推進するという観点から、平成二十二年度まででございますけれども、電子化加算を新設したところでございます。さらに、医療機関ごとに異なる傷病名等のコードを電子レセプト用の統一コードに変換するための支援ソフトを私ども厚生労働省で開発し、医療機関に提供したところでございまして、こういったところで初期費用の軽減を図るということができるものと考えております。
○小池晃君 IT加算は初診料三点ですよ。これで設備投資の費用だって言えるんですか、胸張って。全然足りないですよ、こんなんでは。私は、やはりこれだけのことを診療側に求めるのであれば、当然何らかのその経済的なインセンティブというのがあってしかるべきだというふうに思います。
それから、私、最も重大だと思うのは個人情報の問題です。診療報酬請求データというのは最もデリケートな個人情報であるはずです。ところが、昨年三月三十一日の閣議決定、規制改革・民間開放推進三か年計画ではこう書いてあるんですね。レセプトデータについて、民間等も含め活用する際、過度の厳重な要件を課していたずらに利用を制限することのないよう、個人情報保護に配慮しつつも、データ利用・分析に係る利用資格・手続等の利用環境の整備を図る、こう言っているんですね。私、これ読むと、どうしても個人情報保護がまず第一ではなくて、民間ができるだけ活用しやすくするようにするんだと、その際個人情報保護も配慮するけれども、まずは民間の利用の活用だというふうにしか読めないんです。
大臣、ここで言っている民間というのは一体何なのかというのもあるんですが、これでは、やっぱりこういう閣議決定では民間へのデータの提供が個人情報保護よりも優先するとしか私には読めませんし、大事なその患者情報が流出する危険性があるようなシステムを医療機関に対して財政援助もなく義務として押し付ける、こういうやり方には到底理解が得られないのではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) レセプトデータというのは今委員の御指摘のとおりでありまして、非常に高度な個人情報であるということでございまして、その保護には万全を期すことは当然であると、このように考えます。このため、収集、分析に当たっては、個人情報保護に十分留意して、匿名化技術の活用によりまして、個人名等を特定できない形で行うことといたしております。
また、収集したデータについて、国以外にどこまで利用を認めるかなど、利活用の在り方につきましては、個人情報の取扱いに十分留意しながら、有識者や関係団体の方々の御意見も踏まえ、今後、慎重に検討していかなければならないと、このように考えております。私自身も、この関係のいろいろな内閣における会合では、その点は常に強調をしているというところでございます。
○小池晃君 大臣の今の答弁と、私は閣議決定の三か年計画のニュアンス大分違うようにお聞きをしました。個人情報保護第一にこの問題はやっていくんだということでやっていただきたいと思います。
終わります。