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歯科技工士・岩澤 毅

岩澤毅 金沢医療技術専門学校が歯科技工学科の開設申請 歯科のダブルライセンスを活かす制度の整備を

2020年10月28日 | 歯科川柳・日本歯科新聞


日本歯科新聞 2020年10月27日号

投稿/寄稿
金沢医療技術専門学校が歯科技工学科の開設申請
歯科のダブルライセンス を活かす制度の整備を
岩澤 毅 (歯科技工士)

 歯科技工士学校・養成所の閉校、閉科の報が続く中、金沢医療技術専門学校が令和3年の歯科技工学科の開設を申請している。同校は、平成元年に看護師養成の専門学校として設立され、平成21年に鍼灸学科、平成31年に歯科衛生学科を開設した学校だ。

 理事長の田中健二氏は、地元テレビ局(北陸朝日放送)の取材に、学生は既存の昼間部の歯科衛生士科とともに夜間部の歯科技工士科で学ぶことにより、3年間でダブルライセンスの取得をめざし特徴のある歯科技工士を養成すると説明している。学生には、厳しいカリキュラム編成となるものと思う。

 整形外科医でもある田中理事長は、石川県歯科医師会立歯科医療専門学校の歯科技工士科の閉科に衝撃を受け、歯科技工士資格のみでは法的に出来ない患者の口腔内での業務に歯科衛生士資格を併せ持つことにより、可能性が拓けるのではと考え、今回の挑戦を決定されたとのことだ。

 関係深い資格間の「ダブルライセンス」は、理容師・美容師が先行した。理容師志願者の急激な減少の中、厚労省の「理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会」等での審議を経て、理容師が美容師資格を、美容師が理容師資格を短期間で取得できる制度改正が平成30年になされた。理容師養成施設に「美容習得者課程」が、美容師養成施設に「理容習得者課程」が設置できるとし、さらに両資格の共通部分として整理したものに関しては履修等を免除し修業期間を短縮するものだ。

 単独の資格では叶わぬものに、ダブルライセンスによる新たな価値を創造し、その果実が国民に還元されることを期待された試みと思う。既に個人のご努力でダブルライセンスを獲得し、多角的な視点から業務に当たられている方もいる。貴重な先行事例となるだろう。

 ダブルライセンスを活かせる職場と雇用主の開拓とそのマッチングを図る必要もあるだろう。理容師・美容師の養成制度の改正に学び、歯科のダブルライセンスの制度整備を願う。


理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syokuhin_306917.html

歯科技工士が減少‥ 育成の課題と対策は 2020.9.18放送
https://www.youtube.com/watch?v=a00Z1k25zHQ&t=70s


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