利害得失を論ずるは易しと雖も、軽重是非を明らかにするは甚だ難し, 2010/9/17
By 歯職人
維新による討幕側・明治新政府の権力奪取以降の社会意識がまだ固まりきらない日本社会の方向性に、福澤諭吉により字義『啓蒙』として、日本社会に世界史的視点から進むべき方向を示した歴史的書籍です。
42歳の福澤の世界の遊行の結果得た知識と経験を踏まえ、更には福澤の見聞した幕末維新の日本の世情と人々の心情と知識を鑑みた、当時の人々との「交際」を図るための福澤の人間知と世間知を含む言葉に生命力を感じさせる一冊です。
私は、卷之一 第一章の「議論の本位を定る事」を読むために本書を購入しました。
コンビニエンスな「知識」と「論理」のみが流布する現在。「事軽重長短善悪是非等の字は相対したる考より生じたるものなり。」と「議論の本位を定めざれば其利害得失を談ず可らず。」を味読する必要を感じます。
なおこのコンパクト版福澤諭吉(全書判(B6判変型)は、福澤諭吉著作集の中から、代表的著作を普及用として刊行されたものです。福澤諭吉著作集編纂発行事業については、『三田評論』(慶應義塾機関誌 明治31年3月創刊(毎月1回1日発行) 発行:慶應義塾 編集・制作:慶應義塾大学出版会)2004年4月号(特集 あらためて福澤諭吉を読む)の座談会(著作に触れ、確かめる/福澤諭吉の新しさ 坂本忠雄、西澤直子、権丈善一、山内慶太(司会))が参考になる。
この対談で、福澤諭吉を読む意義を、「いずれにしろ若い時期には、わけがわからなくても手当たり次第に読む本のなかに、福澤諭吉の本を数冊入れておいたどうだろうか」「高く、難しい山に一度登っておけば、それ以下の山ならいくらでも登れるようになるだろうし、ちょっとした自信くらいは身についていく気もします」との指摘は、全く賛同します。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4766416244/ref=cm_cr_mts_prod_img
ブンメイロンノガイリャク
文明論之概略
福澤 諭吉【著】 戸沢 行夫【編】
慶應義塾大学出版会 (2009/05/30 出版)
391,17p / 17cm
ISBN: 9784766416244
NDC分類: 361.5
価格: ¥1,470 (税込)
詳細
達意の文章、豊富な事例、緻密な分析で、文明の本質を説き明かし、あらためて日本の近代化の歩みを問い直す。
『学問のすゝめ』、『福翁自伝』と並ぶ、福澤諭吉の代表作。
第1章 議論の本位を定る事
第2章 西洋の文明を目的とする事
第3章 文明の本旨を論ず
第4章 一国人民の智徳を論ず
第5章 前論の続
第6章 智徳の弁
第7章 智徳の行わるべき時代と場所とを論ず
第8章 西洋文明の由来
第9章 日本文明の由来
第10章 自国の独立を論ず
著者紹介
戸沢行夫[トザワユキオ]
1943年生まれ。1967年慶應義塾大学文学部卒業、1972年同大学大学院社会学研究科博士課程修了。1972年東京歯科大学教養学部専任講師、1975年同大学教養学部助教授。現在、亜細亜大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766416244/
文明論之概略
福澤 諭吉 著
戸沢 行夫 編
全書判(B6判変型)/並製/418頁
初版年月日:2009/05/30
ISBN: 978-4-7664-1624-4
(4-7664-1624-4)
Cコード:C0010
定価:1,470円 (本体:1,400円)
[コンパクト版で読む福澤諭吉の本]
新字・新かなを使用した読みやすい表記、わかりやすい「語注」「解説」による編集。
畢生の大作
達意の文章、豊富な事例、緻密な分析で、文明の本質を説き明かし、あらためて日本の近代化の歩みを問い直す。『学問のすゝめ』、『福翁自伝』と並ぶ、福澤諭吉の代表作。
※本書は、2002年7月、当社から福澤諭吉著作集(全12巻)の第4巻として刊行されたものです。
緒言
巻之一 第一章 議論の本位を定る事
第二章 西洋の文明を目的とする事
第三章 文明の本旨を論ず
巻之二 第四章 一国人民の智徳を論ず
第五章 前論の続
巻之三 第六章 智徳の弁
巻之四 第七章 智徳の行われるべき時代と場所とを論ず
第八章 西洋文明の由来
巻之五 第九章 日本文明の由来
巻之六 第十章 自国の独立を論ず
【編者】
戸沢行夫(とざわ ゆきお)
1943年生まれ。1967年慶應義塾大学文学部卒業、1972年同大学大学院社会学研究科博士課程修了。1972年東京歯科大学教養学部専任講師、1975年同大学教養学部助教授。現在、亜細亜大学経済学部教授。
主な著作に『明六社の人びと』(築地書館、1991)、『桂川家の世界――江戸芸苑の気運』(築地書館、1994)、『江戸がのぞいた〈西洋〉』(教育出版、1999)など。
By 歯職人
維新による討幕側・明治新政府の権力奪取以降の社会意識がまだ固まりきらない日本社会の方向性に、福澤諭吉により字義『啓蒙』として、日本社会に世界史的視点から進むべき方向を示した歴史的書籍です。
42歳の福澤の世界の遊行の結果得た知識と経験を踏まえ、更には福澤の見聞した幕末維新の日本の世情と人々の心情と知識を鑑みた、当時の人々との「交際」を図るための福澤の人間知と世間知を含む言葉に生命力を感じさせる一冊です。
私は、卷之一 第一章の「議論の本位を定る事」を読むために本書を購入しました。
コンビニエンスな「知識」と「論理」のみが流布する現在。「事軽重長短善悪是非等の字は相対したる考より生じたるものなり。」と「議論の本位を定めざれば其利害得失を談ず可らず。」を味読する必要を感じます。
なおこのコンパクト版福澤諭吉(全書判(B6判変型)は、福澤諭吉著作集の中から、代表的著作を普及用として刊行されたものです。福澤諭吉著作集編纂発行事業については、『三田評論』(慶應義塾機関誌 明治31年3月創刊(毎月1回1日発行) 発行:慶應義塾 編集・制作:慶應義塾大学出版会)2004年4月号(特集 あらためて福澤諭吉を読む)の座談会(著作に触れ、確かめる/福澤諭吉の新しさ 坂本忠雄、西澤直子、権丈善一、山内慶太(司会))が参考になる。
この対談で、福澤諭吉を読む意義を、「いずれにしろ若い時期には、わけがわからなくても手当たり次第に読む本のなかに、福澤諭吉の本を数冊入れておいたどうだろうか」「高く、難しい山に一度登っておけば、それ以下の山ならいくらでも登れるようになるだろうし、ちょっとした自信くらいは身についていく気もします」との指摘は、全く賛同します。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4766416244/ref=cm_cr_mts_prod_img
ブンメイロンノガイリャク
文明論之概略
福澤 諭吉【著】 戸沢 行夫【編】
慶應義塾大学出版会 (2009/05/30 出版)
391,17p / 17cm
ISBN: 9784766416244
NDC分類: 361.5
価格: ¥1,470 (税込)
詳細
達意の文章、豊富な事例、緻密な分析で、文明の本質を説き明かし、あらためて日本の近代化の歩みを問い直す。
『学問のすゝめ』、『福翁自伝』と並ぶ、福澤諭吉の代表作。
第1章 議論の本位を定る事
第2章 西洋の文明を目的とする事
第3章 文明の本旨を論ず
第4章 一国人民の智徳を論ず
第5章 前論の続
第6章 智徳の弁
第7章 智徳の行わるべき時代と場所とを論ず
第8章 西洋文明の由来
第9章 日本文明の由来
第10章 自国の独立を論ず
著者紹介
戸沢行夫[トザワユキオ]
1943年生まれ。1967年慶應義塾大学文学部卒業、1972年同大学大学院社会学研究科博士課程修了。1972年東京歯科大学教養学部専任講師、1975年同大学教養学部助教授。現在、亜細亜大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766416244/
文明論之概略
福澤 諭吉 著
戸沢 行夫 編
全書判(B6判変型)/並製/418頁
初版年月日:2009/05/30
ISBN: 978-4-7664-1624-4
(4-7664-1624-4)
Cコード:C0010
定価:1,470円 (本体:1,400円)
[コンパクト版で読む福澤諭吉の本]
新字・新かなを使用した読みやすい表記、わかりやすい「語注」「解説」による編集。
畢生の大作
達意の文章、豊富な事例、緻密な分析で、文明の本質を説き明かし、あらためて日本の近代化の歩みを問い直す。『学問のすゝめ』、『福翁自伝』と並ぶ、福澤諭吉の代表作。
※本書は、2002年7月、当社から福澤諭吉著作集(全12巻)の第4巻として刊行されたものです。
緒言
巻之一 第一章 議論の本位を定る事
第二章 西洋の文明を目的とする事
第三章 文明の本旨を論ず
巻之二 第四章 一国人民の智徳を論ず
第五章 前論の続
巻之三 第六章 智徳の弁
巻之四 第七章 智徳の行われるべき時代と場所とを論ず
第八章 西洋文明の由来
巻之五 第九章 日本文明の由来
巻之六 第十章 自国の独立を論ず
【編者】
戸沢行夫(とざわ ゆきお)
1943年生まれ。1967年慶應義塾大学文学部卒業、1972年同大学大学院社会学研究科博士課程修了。1972年東京歯科大学教養学部専任講師、1975年同大学教養学部助教授。現在、亜細亜大学経済学部教授。
主な著作に『明六社の人びと』(築地書館、1991)、『桂川家の世界――江戸芸苑の気運』(築地書館、1994)、『江戸がのぞいた〈西洋〉』(教育出版、1999)など。