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元マンガオタク。

大人になって、再度マンガにはまり気味。

ネタバレ■菜の花の彼 1~5話(1巻)

2016-05-02 00:00:34 | 菜の花の彼
「菜の花の彼」1~5話(1巻)

■ストーリー
中学の時のうまくいかなかった恋愛で小さな傷が残ったままの高1、綾瀬菜乃花。友達の恋バナに乗れなかったりで友達関係がうまくいかず落ち込んでいるところに、後ろからカップルのケンカが聞こえてくる。彼を試すために浮気(のフリ)をした彼女と、そういうのはムリと言う彼はそのままケンカ別れ。1週間後、通りすがりにあの印象的な彼の声が聞こえ、友人達に別れた理由を「気持ちの歩く速さが合わなかっただけなんじゃないのかなって」と説明したのを耳にした瞬間、衝動的に振り返って告白した菜乃花。
「あのっ… 私とつきあってもらえませんかっ…」

◇レビュー
これで告白した相手がひとつ年下の中学生、隼太。優しいバレー部キャプテンで、別れた彼女はそのマネージャーです。
中学で付き合っててうまくいかなかったのが、鷹人。ぶっきらぼうで無愛想で不器用。彼の登場はもう少し先。
菜乃花は、こうだろうかああだろうかと自分の中でじくじくと思いあぐね、きっとこうなんだろうとやはり自分の中で結論を出してしまうタイプ。物静かだが、隼太に対しては衝動的、鷹人には直情的。


突然告白した隼太にアドレスを渡した菜乃花。
数日後、改めて話をしたいと隼太からメールが来て放課後に会うが、今は別れたばかりで付き合うのは考えられないと振られてしまう。隼太の友人に出くわし、菜乃花をかばうため隼太は自分が振られたと説明するが、それに大きな声で反論する菜乃花。
「あなたへのきもちを 私から絶ったみたいに言わないで!」


同じように言われたら隼太に対してすごく怒りがわくと思うけど、それをこんな風に言語化できる自信なし。
現実的にこんな言い回しするか?って文章ではあるけど、でもこれ以上のセリフはないと思う。このマンガでは全てが驚くほど的確に言語化される。

■中学校潜入
いきなり大きな声で怒った?ことを謝りたい菜乃花。メールできず、会って謝ろうと隼太の中学へ(菜乃花は隼太の通う中学の卒業生)。
一方、優しさのつもりの言葉で菜乃花を傷付けたことを謝りたい隼太も、菜乃花に会うため高校へ。
すれ違って中学で隼太には会えず、とうとう過去の制服で中学校内へ入った菜乃花は、校内で隼太と遭遇。隼太は、自分が気後れして高校の門から引き返してきたのに対して、自分のところまで来てくれた菜乃花に、終わりにしたくないと思っていることを気づかされる。
「俺つきあえないって言ったけど、ここから始めさせてほしいんです」


隼太からそう言われた場所。それは中学の頃、鷹人が菜乃花と別れて「なんか思ってたのとちがった」と友人に言っているのを聞いてしまった場所。
過去の悲しい思い出の場所が、隼太のおかげで上書きされていくことに感動する菜乃花。このパターンがこの後何度も出てきます。先取りワードですが…恋するって残酷。

最初に読んだ時はあまり深く考えませんでした。でも、この作品のすごさに気づいてから改めて読むと、1巻からすでに結構すごかった。
菜乃花と隼太(と鷹人)の恋愛模様だけでなく、菜乃花・優子・千里の友人関係も重要で、恋愛モノだとさらっと無いことにされてしまう友達同士の見栄の張り合いとか、横並び意識とか…大人になると消えてしまうような10代特有のものが大切に表現されていると思う。
菜乃花、中学のことをいちいち引っ張りすぎだよ!と最初は思ったけど(鷹人が再登場するから、引っ張っとかないと話が成り立たないんだけど)、うじうじと自分をえぐるように思考するのも、もしかしてこの年代だからできることなのかもしれない。

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