イケメン王宮のイベント「王子様とかくれんぼ」
シド編です
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私はひとり、薄暗い時計塔の階段を上る。
(誰もいないし、少し怖くなってきたな…)
不安な気持ちで足を進めていると…―
「……!」
時計塔の上から足音が聞こえてきた。
足を止め、息を飲む。
(誰か来る……?)
近付いてきた足音の先にいたのは……
シド「………」
「シ、シドっ……」
私に気がついたシドがふっと眉を寄せる。
シド「あ?お前こんなとこまで来たのか」
「う、うん…」
私はどきどきと音を立てる胸に手を当てる。
その様子を見てか、シドはふっと笑みを零した。
シド「そんな怖がりが、よくここまで来れたな」
シド「だが……」
シドが階段を下り、私を見下ろす。
シド「見つかった以上、このまま帰すわけにはいかねえ」
にやっと口角を上げ、私の身体をふわりと横抱きにする。
「ちょっ……」
なす術もなく、私はシドに抱かれたまま階段を上がっていく。
時計塔の頂上まで来ると、シドは私をそっと下ろした。
広がる景色に、私は思わず目を瞬かせる。
城下町の向こう側に見える森が、
春の訪れを感じさせるように、色とりどりの花々で綺麗に色づいていた。
(綺麗……)
シド「その顔、最高だな」
私の隣に並んだシドが、ふっと笑みを浮かべる。
「この景色を見せるために、連れて来てくれたの…?」
シド「さあな」
曖昧な言葉に、私はつい警戒してしまう。
(何か目的があったりして……)
シドは見透かしたように、私を見て大きく笑った。
シド「俺が何かすんのかと思ってんのか?」
そして、私の瞳をぐいっと覗き込んだ。
シド「だったら、お前の希望通り」
シド「今から何かしてやっても、いいけどな」
「結構ですっ……」
また大きく笑うシドが、私の頭をくしゃりとした。
柔らかな風が吹き、シドの髪が揺れる。
シド「…こんなとこで、何もしねえよ」
そう言ってシドは景色に目を細める。
(もうっ……)
私は乱された髪を押さえながらも、広がる景色に心を震わせていた…―
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おわり
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