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ダイヤフラムの株式会社 永島パッキング製作所

ダイヤフラムについて、設計、制作の様々な情報を発信しております。

ダイヤフラムの補強繊維(基布、布)まとめ  8 

2017-10-06 07:53:41 | 日記
東京でダイヤフラムを専門設計製作している永島パッキング製作所の公式ブログへようこそ!

今まで7回にわたり、弊社で使用している織物(基布、布)を紹介致しましたが今回で繊維については最終回のまとめと致します。

ダイヤフラムゴムの性能という面では、力学的な部分を受け持ち、最重要な要素が補強繊維、基布、布と呼ばれている部分です(補強繊維を使用しているのが前提)。

いままで、その織り方には触れていませんでしたが、大まか平織ですが、特殊な織り方、編み方も存在しております。

また、その性能は、織り方や編み方のみでなく、その密度、1本あたりの使用原糸、撚り数など、簡単には比較できません。当然、使用環境などでも繊維の材質をも選定しなければなりません。ですから、ダイヤフラムを新規に制作する時も、設計で求められる性能を引き出すために、ダイヤフラムの厚み、外径、形状、ゴムの要素、の他に補強繊維、基布、布の材質、織り方、密度によるところも大きく影響いたします。

特に精密な制御を要求される、ヒステリシスのきわめて少ないダイヤフラムを設計するのは考慮することが必要です。

また、最近では繊維産業の衰退などの影響で、過去に多種多様な織物が存在しておりましたが合理化の方向へ進みつつあり、織物の種類が減少、廃盤の織物もあり、そのたびに、代替繊維を求め今まで使用してきたダイヤフラムの性能を極力変化しないようにするのが、大変な作業となっています。

今後、ダイヤフラムを新規設計するうえでも、補強繊維、基布、布の選定作業は極めて重要であると思います。

※見えにくいですが、織物のサンプル画像を添付致します。
まず、アラミド(ケブラー)織物↓

アラミド(コーネックス)織物↓

ナイロン織物↓

ポリエステル(テトロン)織物↓


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ダイヤフラムの補強繊維(基布、布) 7

2017-10-05 08:14:10 | 日記
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 今回も、弊社で使用している織物(基布、布)を紹介いたします。

ポリエステルの次はの次は、アラミド織物について。

一般に高強度、高耐熱性、高耐薬品性、高価格の高機能繊維と呼ばれております。

アラミド繊維は2つに大別されていて、メタ系とパラ系とに分かれ、性格も異なります。

パラ系アラミド繊維で織られた材料は、特に強度、防弾・防刃性などに優れ、防弾チョッキ、自動車のブレーキパッド、タイヤの補強材、光ファイバーの補強材などに主に使われています。

商品名は、ケブラー、トワロン、テクノーラなどがあります。しかしながら、ダイヤフラムに使うには、接着が難しく、屈曲性に問題がある為、動きの大きなものには不向きとされています。

また、メタ系アラミド繊維で高耐熱性、強伸度、弾性率など、ダイヤフラムでも比較的使いやすく、耐熱性に関しては、これを外せません。

商品名は、コーネックス、ノーメックスなどがあります。

弊社では、コーネックスを一番耐熱繊維(基布、布)として数多く使用しております。

(多摩産技研でケブラーを織っている現場)
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ダイヤフラムの補強繊維(基布、布 )6

2017-10-03 11:30:25 | 日記
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 今回も、弊社で使用している織物(基布、布)を紹介いたします。

ナイロンの次は、ポリエステル(テトロン)織物について。

日本では帝人のテ、東レのト、をとりそれにナイロンのロンを足してテトロンと

呼ばれているらしく、商標登録されています。

ポリエステル繊維は日本でも世界的に見ても、もっとも生産量が多い繊維であります。

原料は石油から合成されます。

弊社では、ナイロン繊維の次に多く使用されております。

ナイロンとの相違点は、耐熱性にポリエステル繊維の方が若干強く、伸びが小さいという特性の差があります。

ローリングダイヤフラムにはよく使用される傾向があります。

弊社では、決まった使い方は決めておらず、試作によるフィールド試験の結果を重視して選定されま


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ダイヤフラムの補強繊維(基布、布) 5

2017-10-02 09:51:28 | 日記
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 今回は、弊社で使用している織物(基布、布)を紹介いたします。

まずはナイロン織物から。

弊社で使用している織物で一番多いものは、ナイロン繊維を使用したものであります。

ナイロン繊維は、接着しやすく、強度もあり、比較テク簡単に入手出来るので

ダイヤフラムの補強繊維で数多く使用されております。

 ナイロンは、石油を原料にして作られる合成繊維でありますが、実際ダイヤフラムの補強繊

維として使用されるのは、ナイロン6とナイロン66です。

 ナイロン繊維の長所は、摩耗に強く繰り返しの曲げにも強い、また、耐薬品性にも強く

弾力性にも優れています。

 短所は、酸に弱いことと、白い色が黄色く変色する点です。

ナイロンの耐熱性は、軟化点が180℃なので、通常のゴム成型温度内なのでゴムとの複合化に問題はありません。

実際ナイロン織物を表すには、平織とすると弊社では、まだデニールで呼び、通常ナイロンは70デニール、210デニール、

420デニール、840デニール、1240デニール

などの種類があり、また、1インチ間に縦何本、横何本、等で規定されております。

下記画像は、弊社のダイヤフラムで実際使用しているナイロン66の420デニールで織った織物です。


ダイヤフラム補強繊維:420デニール


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ダイヤフラムの補強繊維(基布、布) 4

2017-09-30 09:16:45 | 日記
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今回は、ダイヤフラムで使用する織物(基布、布)の選定について説明いたします。

ダイヤフラムに補強繊維を使う必要性は、以前説明したように

ダイヤフラムの伸びの抑制であります。

特に精密に繰り返し駆動するダイヤフラムに使用するためには、その使用圧力に

耐えることを前提に致します。

また、現在の課題としてダイヤフラムの実働域での補強繊維の伸びが

弾性変形内であるのか、知る必要があります。

よく織物の物性に伸びとありますが、これは、引っ張って切れた時の伸びの%を表示

しているので、ナイロンでは、30~40%、テトロンでは10~20%などと表示されますが

実際に使用されるのは、伸びがごく少ない領域で使用されます。

ですので、圧力のかかった時に伸びないぐらいの余裕が引張強度、破裂強度に要求されます。

引張強度は、引張試験機で測定されます。

破裂強度は、φ50の受圧面に油圧を掛け破裂した時の値を通常呼びます。

また、温度による選定方法は、ナイロン、テトロン、アラミドの順に高温に使用いたします。

ところが、ダイヤフラムゴムの場合、高温になるとどんなゴムでも軟化し、機械的強度が相当低下するので

高温化で動かすには、無理があります。

フッ素ゴム、シリコンゴムとアラミド繊維の補強繊維、PTFE等の組み合わせですと無負荷停止状態ですと

200℃ぐらいまで耐えますが、駆動すると130℃でも壊れる可能性があります。

繊維の選定には、温度、圧力、動きやすさ、等を総合的に判断し、何種類かの繊維を実際試作して

耐久試験を行うことをお勧めいたします。

ダイヤフラムを試作するときは、実際織物の種類を数多く所有している企業に相談する事をお勧めいたします。

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