49代光仁天皇の皇后、他戸皇太子(後に廃太子)、50代桓武天皇妃である酒人(さかひと)内親王の生母。
45代聖武天皇の第一皇女、生母は夫人・県犬養広刀自(あがたのいぬかいのひろとじ)
5歳のとき伊勢の斎王にト定され、同母弟である安積(あさか)親王の死により任を解かれ、帰京する。
ちなみに安積親王は17歳という若さで突然脚の病により亡くなったとされるが、後継者となるべく男児に恵まれなかった光明皇后側の暗殺の可能性が高い。
帰京後、天智天皇の孫にあたる白壁王(のちの光仁天皇)の妃となり、平穏な日々を過ごしていた。
ところが、異母妹でもある孝謙(称徳)女帝が後嗣なくして没すると、突然皇位継承問題に巻き込まれる。
廃れ老皇子であった白壁王が、亡き聖武天皇の皇女を正妃としていることを理由に、突如皇位が転がり込んできたのである。
こうして白壁王は光仁天皇となり、晴れて井上内親王は皇后、二人の間に産まれた他戸親王は皇太子となった。
しかし突如、井上皇后が光仁天皇を呪詛したとの罪により廃后され、さらにそれに連座したとして他戸親王までもが廃太子され、二人は幽閉されてしまったのである。
もともと白壁王を皇位に推した本当の狙いは、聖武天皇の血筋存続のためではなく、白壁王が渡来人系の女性に産ませた山部親王(後の桓武天皇)の存在であったのだ。
白壁王を即位させるためには「聖武天皇の皇女が正妃」という大義名分が必要であったが、即位してしまった今、もはや井上内親王の存在は邪魔なだけであった。
こうして陰謀をかけられた井上廃后は幽閉先で他戸廃太子と同日に急死しているのであるが、おそらく暗殺であろう。
「水鏡」には、光仁天皇と井上皇后が賭けをし、天皇は「自分が勝ったら若く新しい妃を迎え、自分が負けたら皇后に若く逞しい男性を与えよう」と言い、見事に賭けに勝った皇后は、天皇から約束通り若くて逞しい男性として山部親王を与えられ、皇后は若い山部親王に溺れ、それが原因で邪魔になった天皇を呪詛した、とあるが信憑性は微妙。
井上内親王の実子とされている他戸親王についても、実は井上内親王の実子ではなく、彼女の生母と同族の県犬養勇耳(あがたのいぬかいのいさみ)という女性が光仁天皇との間に儲けた子で、男児に恵まれなかった井上内親王が引き取って実子として育てた、という説もある。
井上廃后と他戸廃太子はその後怨霊となり、天変地異をもたらしたのだという。
人々は二人の怨霊を恐れ、井上廃后は竜になった、と噂しあった。
のちに二人は鎮魂され、再度皇后と皇太子を追号された。
45代聖武天皇の第一皇女、生母は夫人・県犬養広刀自(あがたのいぬかいのひろとじ)
5歳のとき伊勢の斎王にト定され、同母弟である安積(あさか)親王の死により任を解かれ、帰京する。
ちなみに安積親王は17歳という若さで突然脚の病により亡くなったとされるが、後継者となるべく男児に恵まれなかった光明皇后側の暗殺の可能性が高い。
帰京後、天智天皇の孫にあたる白壁王(のちの光仁天皇)の妃となり、平穏な日々を過ごしていた。
ところが、異母妹でもある孝謙(称徳)女帝が後嗣なくして没すると、突然皇位継承問題に巻き込まれる。
廃れ老皇子であった白壁王が、亡き聖武天皇の皇女を正妃としていることを理由に、突如皇位が転がり込んできたのである。
こうして白壁王は光仁天皇となり、晴れて井上内親王は皇后、二人の間に産まれた他戸親王は皇太子となった。
しかし突如、井上皇后が光仁天皇を呪詛したとの罪により廃后され、さらにそれに連座したとして他戸親王までもが廃太子され、二人は幽閉されてしまったのである。
もともと白壁王を皇位に推した本当の狙いは、聖武天皇の血筋存続のためではなく、白壁王が渡来人系の女性に産ませた山部親王(後の桓武天皇)の存在であったのだ。
白壁王を即位させるためには「聖武天皇の皇女が正妃」という大義名分が必要であったが、即位してしまった今、もはや井上内親王の存在は邪魔なだけであった。
こうして陰謀をかけられた井上廃后は幽閉先で他戸廃太子と同日に急死しているのであるが、おそらく暗殺であろう。
「水鏡」には、光仁天皇と井上皇后が賭けをし、天皇は「自分が勝ったら若く新しい妃を迎え、自分が負けたら皇后に若く逞しい男性を与えよう」と言い、見事に賭けに勝った皇后は、天皇から約束通り若くて逞しい男性として山部親王を与えられ、皇后は若い山部親王に溺れ、それが原因で邪魔になった天皇を呪詛した、とあるが信憑性は微妙。
井上内親王の実子とされている他戸親王についても、実は井上内親王の実子ではなく、彼女の生母と同族の県犬養勇耳(あがたのいぬかいのいさみ)という女性が光仁天皇との間に儲けた子で、男児に恵まれなかった井上内親王が引き取って実子として育てた、という説もある。
井上廃后と他戸廃太子はその後怨霊となり、天変地異をもたらしたのだという。
人々は二人の怨霊を恐れ、井上廃后は竜になった、と噂しあった。
のちに二人は鎮魂され、再度皇后と皇太子を追号された。