長楽寺で、択捉島とウルップ島との間に日本とロシアとの
国境が定められました。
つまり、択捉以南の北方四島 を日本の領土と
する「日露通好条約」が調印されたことにちなんで
制定されたのが 「北方領土の日」 なのですが …
一昨日で34回目を迎えたこの日のことを詳しく伝える
マスコミ報道がどれほどあったというのでしょうか

静岡県民にとっては地元、伊豆の下田での出来事であり
、歴史的にも関わりが深いだけに人一倍 思い入れが強い
のかもしれませんが、世間はソチ五輪の話題で一杯です。
これでは四島の返還なんて、到底、覚束(おぼつか)ない
話で、日本の国民が一丸となって領土の返還を強く求める
姿勢と機運がみられなければ、交渉を何度やろうが四島の
返還はいつまで待っても 夢のまた夢 でしょう
1号さんの記事 『東日本人民共和国』 では
終戦直前になって突如参戦したソ連が終戦後に占領した
北方四島を1946年に自国の領土とし、すべての日本人を
強制的に日本本土へ引き揚げさせたと記されていますが、

そんな北方四島のひとつ、色丹島に暮らす純平(10歳)
と寛太(7歳)の兄弟を中心に描いた実話ベースの物語と
して終戦後にソ連軍の侵攻を受けた色丹島 を舞台に
した 『ジョバンニの島』 というアニメーション映画
がまもなく(2月22日から)全国公開になります。
ソ連軍の突然の侵攻と進駐による島民たちの混乱と不安
、兄弟の通う学校にもソ連兵がなだれ込んで来ます
侵攻後、3年程の間はソ連(ロシア)人との共棲する時期
があったようで、いつしか二人は ターニャというロシア人の
少女と心を通わせるようになるのですが …


ところで、

といわれて、あなたは〇〇に何をいれますか

映画、グルメ、ライセンス、それとも …

というタイトルから連想すれば、やはり戦犯でしょうか
ABCといったら、ABCマート、ABCクッキングスタジオ、
ABC分析などの他にも、静岡、山梨、長野県内ではABC
(パチンコ・スロットル)も有名ですが …

そういえば、真珠湾攻撃を誘発させたといわれる1941年
の米国(America)、英国(Britain)、中華民国(China)、蘭
(オランダ=Dutch)などによるABCD包囲網なんて
いう経済封鎖もありましたよね
A、B、C、そのものは、単なる記号あるいはアルファベット
としての文字にすぎませんが、その後に続く表記(言葉)に
よって大きく意味合いが違ってくる場合があります。
A組B組、A種B種、A類B類、A項B項といったら、一般的
には、カテゴリー(分類・分野・区分・種類・部門・ジャンル)を
表しますが、A級B級 となるとランク(順位・等級・地位・
階級・身分など)を意味します。
要するに、
すべての元凶はここにあると言っても過言ではない
ほどの誤訳が現在の不幸を生んでいるのです

「A級戦犯」 とはA級戦争犯罪人の略で、東京裁判
の被告人をさす通称です。
罪状となった「平和に対する罪」が、A級犯罪と呼ばれた
ことから名付けられたものですが、もともと 「A級」 とは、
日本とドイツの国際軍事裁判所が管轄とする犯罪の区分
を表す記号であり、本来は「A項」、もしくは、「A種」、
「A類」などと訳すべき言葉だったのです。
まず最初に 「A項」 に該当する犯罪を規定したのは、
ニュルンベルク裁判の基本法「国際軍事裁判所憲章」で、
その第6条の冒頭でA~C項の犯罪を「国際軍事裁判が
管轄する犯罪であり、個人的責任が成立する犯罪」とした
うえで「平和に対する罪」を定義し、「侵略戦争を計画し、
準備、開始、遂行、もしくはそれを達成するための共同
謀議への参加」といったことを規定したのです。
それを日本では「A項」 を「A級」 と訳したことで、
最重要犯罪の意味合いが強まってしまったわけですが、
ABC の分類は罪の軽重を表すものではなく、罪状
の種類を分けるものだったのです。
ちなみに、
A

B

C

日本については 「通例の戦争犯罪」 を犯した
として、連合国各国の軍事法廷で裁かれた人を一括して
B・C級戦犯 としているようですが …
いずれもが戦勝国による仮面をかぶった復讐劇としての
「報復裁判」 の色合いが強いものだったようです。
さて、それを踏まえたうえでA級戦犯の罪状とされる
「平和に対する罪」ですが、これは第二次大戦後
に戦争犯罪の構成要件を決定する必要に迫られた戦勝国
(連合国側)が、前述の 「侵略戦争を計画し、準備、開始、
遂行、云々 …」 という種々のガイドラインを定めたもので、
所謂(いわゆる)事後法であり、それで罪を問うことは誤り
であるとする意見も少なくないわけで、裁判の公正性や
A級戦犯 の法的根拠の曖昧さなど、今もって 議論
の分かれるところなのです。
この点について 上智大学名誉教授の渡部昇一氏 は
『「東京裁判」を裁判する』 で、詳細な解説
を行なっています。
ポツダム宣言が発せられた時点では、国家がもつ
「開戦と交戦の権利」が国際法で認められており、戦争
そのものは犯罪ではないとされていた。
このことはマッカーサーの片腕として活躍したアメリカの
チャールズ・ウイロビー将軍も認めており、「こんなことが
犯罪なら、子供を軍人にすることはできないだろう」 との
趣旨の発言を行なって東京裁判を批判したといいます。
要は 「戦争をはじめるかどうかを検討したり、その準備を
することは犯罪ではない」 ということであり、ポツダム宣言
受諾時の 「戦争犯罪人」 とは、東京裁判における
分類でいうB・C級犯罪を対象としたもので、終戦後
につくられたA級犯罪で裁くことは東京裁判における
法的根拠から逸脱することになるというわけです。
奇しくも、NHK経営委員を務める作家の百田尚樹氏が
東京都知事選の応援演説で、東条英機元首相らA級戦犯
を裁いた東京裁判に疑問を呈し、南京大虐殺を否定する
などしたことについて、昨日、在日米大使館の報道担当官
は米政府の公式の統一見解として 「非常識だ」 と
批判しましたが …
百田氏は米軍による東京大空襲や原爆投下
を 「大虐殺だ」 としたうえで 「東京裁判
はそれをごまかすための裁判だった」と
言ったのです。
そこで、
東京裁判について言えば、勝者と敗者の峻別を
これほどまでに見せつけられた事例は、近世においては
皆無だと言っても差し支えないと2号も思うわけですが、
前記した 「平和に対する罪」 が事後法であった
こと以外にも東京裁判 の問題点として指摘される
事柄はまだまだ沢山ありますし、他にも書き足りないことが
あるのですが、紙幅の関係上、冗長な文は避けたいと思い
ますので、この続きは次回に持ち越しとさせてください。
便宜上、今回を 『極東国際軍事裁判 1』 と
いうことで次回の 『極東国際軍事裁判 2』 を
どうか、
乞うご期待のほどを…
