ここでいう「天上人」とは、人間の
次元を遥かに超えた力や知恵を持つ「神」
や「天使」といった存在のことです。
天上人のイメージ（エンジェル1） liveenterprise.main.jp
通常の人間には到底およばない超自然的な
能力を持つ、そんな存在になろうと結託した
のがユダとイエスだったのかもしれません。
ユダとイエス William Hole画 ceramicarte.majo.moo.jp
そんな
ダ・ヴィンチが考えるユダとイエスの関係は
、唯一無二の特別なもので、
『最後の晩餐』ユダとイエス art-ey.com
そのことを暗示しているのが、テーブルの上
でお腹を庇うようにして両手を組む使徒ヨハネ
（マグダラのマリア＆聖母マリア）の前にある
空の皿に手を伸ばすイエスとユダの動作です。
空の皿に同時に手を伸ばすイエスとユダの姿
は『マタイの福音書』にある「わたしと一緒に
鉢に手を浸した者が、わたしを裏切るのです」
という一節に由来すると読むのが常道ですが、
皆が食事をしているとき、イエスは言われた。
「まことにあなたがたに告げます。あなたがた
のうちの一人がわたしを裏切ろうとしています」
すると、弟子たちは非常に悲しんで、「主よ、
まさか私ではないでしょう」と、かわるがわる
イエスに言った。
イエスは答えて言われた。「わたしと一緒に
鉢に手を浸した者が、わたしを裏切るのです。
確かに、人の子は、自分について書いてある
とおりに、去って行きます。しかし、人の子を
裏切るような人間はわざわいです。そういう人
は生まれなかったほうがよかったのです」
すると、イエスを裏切ろうとしていたユダが
答えて言った。「先生、まさか、私のことでは
ないでしょう」イエスは彼に「いや、そうだ」
と言われた。
『マタイの福音書』26章21-25節
「えっ !!」
いやいや、もしも、そうだとしたら、
『最後の晩餐』部分 amazing-trip.
鉢にしては、空の皿は随分と底が浅いですし
、ユダが驚きながら振り返る仕草との整合性も
保てませんが ・・・
ユダは明らかにイエスの言葉よりもペテロと
ヨハネの会話の内容に反応しているわけで、
（だよね ・・・）
そもそも、
このシーンにおけるダ・ヴィンチの意図は
まったく別のところのあったのです。
それは、
二人が同じ目的を共有していて、これから
その大事を成そうとすることへの暗示であり
、空っぽの皿は、それがまだ未達成の状態に
あることを示しています。
二人の目的とは、冒頭にあげた「天上人」
を目指すということですが、
同じ「てんじょうびと」と言ってみても、
ユダのそれは「殿上人」に近い「雲上人」の
のような立身出世であって、イエスのそれは
「天上人」そのものを目指していたのです。
それは大いなる「神」の慈悲なる意思
としての「イエス・キリスト計画」でした。
「イエスキリスト計画」 shiogamagrace.com
ところで、
イスカリオテの「イス（Isch）」は、人
（男性）で 、「カリオテ（Kariot）」とは
地名ですので、カリオテの人、ユダという
意味になります。
カリオテとは『エレミヤ書』48章24節
に出てくる南部のケリヨト（Kerioth）だと
されていて、イシュ・ケリヨト、つまり、
ケリヨトの人がイスカリオテの語源であり
、「都会人」という含意をもっています。
『エレミヤ書』 Wikipedia
イスラエルの南部地方に位置する村で
あったとされていますが、
ユダの父親は、イスカリオテのシモン
（ヨハネの福音書6：71）と呼ばれている
ので、おそらくは代々にわたり都会人と
しての生活があったものと推測されます。
南部パレスチナの地に位置するカリオテ
は、イエスが活動拠点にしていたガリラヤ
からは地理的に離れていたにもかかわらず
ユダがイエスの共同体に加わった理由とは
一体、何だったのでしょうか？
相応なる目的や然るべき諸事情があった
と考えるべきでしょうね！
さて、
ユダは大きな野望を胸に抱いていました。
俗にいう優等生ではなかったユダは、所謂
（いわゆる）秀才の枠内に分類されるタイプ
の人間でしたが、父であるシモンにある種の
コンプレックスを抱いていました。
それゆえ彼は、
「野心家」にならざるを得なかったのです。
自己評価の高い自惚れ屋にして自信家であり
、向上心に燃える努力家にして チャレンジ精神
にあふれる勢力家でもあったのですが、
秀才ゆえに、無駄に目端が利き、肝心要の
洗礼者ヨハネに魅力を感じなかったのか、
彼を陥れる献策までしてしまうのです。
この件に関しては、
を参照してください。
そこがある意味で、騙しの天才パウロとの
決定的な違いだったのかもしれません。
使徒パウロの肖像
ユダは見紛うことなき実践的理論家であり
、並はずれた自信と教養の持ち主でもあった
のです。
強い自負に満ち溢れた彼のエリート意識は
相当程度以上に高かったのではないか？、と
ダ・ヴィンチは推測したのです。
それは、生来からのローマ市民権を所持し
、エルサレムにおいてファリサイ派の高名な
ラビに師事していたパウロにも比肩しうる
もので、パウロにも負けず劣らずの傑出した
素養（資質）が彼にはあったと思われます。
イエスの奇跡（水上歩行）
ユダはイエスの活躍を風のうわさで聞き、
数々の奇跡を起こしているというこの人
こそ、メシア（ユダヤの王）となり得る
奇貨居くべき逸材であり、イエスを介して
ユダヤをローマの「軛（くびき）」から
解放しようと考えたのかもしれません。
もちろん、うわさが本当であったならば、
「ユダはイエスを信奉し、帰依者となって
自己の心身のすべてを帰投してもよい」と
さえ思い詰めていたのです。
仏教でいう「依伏信奉」ですね！
それゆえに、
ただの一つの奇跡すら起こせなかった
真なるメシアであった洗礼者ヨハネ
の存在に気づけずに、彼を葬り去るため
の策をヘロデ王に進言してしまうのです。
ジョヴァンニ・ファットーリ画
そのことが、結果的に 2000年近く経過
した現在にまで尾を引いて2021年以降も
暫くの間は続くであろうと思われる歴史上
の負のスパイラル、すなわち「悪循環」
の発端であり、その口火となった事件が、
ガリラヤ領主ヘロデ・アンティパスによる
洗礼者ヨハネの斬首だったのです。
『洗礼者ヨハネの斬首』カラヴァッジョ（1608年）
これですね！
この辺りにおける稀代のペテン師パウロの
シナリオやユダの献策については、
『ダ・ヴィンチの罠 パウロ（改）』
『ダ・ヴィンチの罠 信奉者』
などの記事を参考にしていただくとして、
ここではそれ以前に、ヨハネを亡き者に
したいと思っていたが、民衆の暴動を恐れ
て殺害することを躊躇（ためら）っていた
ヘロデ王（ヘロデ・アンティパス）に恰好
の機会となる誕生祝いの宴の場という虚構
の舞台をセッティングした人物についての
話に戻して再開しますが、
出典：www.lets-bible.com
その人物こそが、のちに裏切者の烙印を
押され、永遠に蔑まれつづけることになる
イスカリオテのユダであったとの推理が
、ダ・ヴィンチの言うところの不名誉なる
「死の罠」への誘いであることは、
すでにご案内の通りです。
（んん !!）
どうやら、この男は、なにも、
気づいてませんな！
このようにして、 
真のメシアであるはずの洗礼者ヨハネは
断たれ、もうひとりのメシアであるイエス
はパウロの描くシナリオ通りに十字架の上
で「死の贖い」を演じてしまうのです。
出典：www.jizai.org
畢竟するに、
洗礼者ヨハネは斬首に見舞われる運命を、
ユダは裏切者の烙印を押され続ける宿命を、
引き受けることになるわけですが、
これこそが、ダ・ヴィンチの妄想にして
死への罠に直結する推理だったのです。
さて、
出典：www.lets-bible.com
ユダという名前を見聞きしたただけで、
キリスト教の信者は本能的に忌避の態度
を示します。
いわゆる 嫌悪・非難・断罪という
反応です。
「イスカリオテ」とは、ユダが生まれた
ヘブロン近郊（エルサレムの南、約30Km）
に位置するカリオテ（ケリヨト）という村
の男の意味で、換言すれば「ケリヨト出身」
ということでしたが、
「イスカリオテ」を“暗殺者”（シカリ党）
という言葉に由来すると解釈する人もいて、
ユダは暗殺者であり、ラテン語で「シカ」
と呼ばれる短剣で武装したゲリラ兵を示唆
する名前であると主張する意見もあります。
イタリアのHAL9000による復元の高精彩画像
上記掲載のＣＧ画像の発想のもとは、案外
そこにあるのかもしれませんが ・・・
その他にも、
この呼び名が「引き渡すことになる者」を
意味するヘブライ語やアラム語の語根を音写
したに過ぎないと考える人たちもいて、
こうした呼び名や添え名も裏切りの真相に
負けず劣らずの賑わいを見せています。
要するに、ユダとパウロは、それぞれの
目的達成のためにイエスを利用するという
ことにおいては異榻同夢（いとうどうむ）の
関係にあったわけですが、
ユダとイエスの場合には 同床異夢の状態
（すれ違いが必至の間柄）だったのです。
ところで、
ダ・ヴィンチの推理とは少し違いますが、
「イエスとユダが目指す目的」が、
ある意味において同じであったことを補足
するものとしては、
を参考にしてみてください。
『ユダの福音書』の冒頭部には、
「過ぎ越しの祭りが始まる３日前に、
イスカリオテのユダとの１週間の対話
でイエスが語った秘密の啓示」
というふうに書かれています。
いかにも興味をそそられるキャプションに
なっていますが、
イエスとユダが最後の晩餐の前の１週間に
極秘の話し合いを持ったということですから、
否応なく惹きつけられるわけですよね！
その内容が、恐らく、彼らが空っぽの皿に
手を伸ばしている理由でしょうが、
その詳細については次回以降での解説として、
【窓の数】による「４」の編成における
『ブノワの聖母』 『リッタの聖母』 『最後の晩餐』 『カーネーションの聖母』
① 『ブノワの聖母』
② 『リッタの聖母』
③ 『最後の晩餐』
④ 『カーネーションの聖母』
の母子モデルについての解説のつづきです。
残るは、④ 『カーネーションの聖母』での
モデルですが、ここで漸くにして聖母マリア
と赤子のイエスが登場します。
この作品が聖母マリアとイエスであること
の根拠は、『受胎告知』の少しあとか、
ほぼ同時期に描かれた作品であり、２枚の絵
のマリアはよく似ている点が挙げられます。
どちらも金色の腹帯をしていて、髪の色も
ブロンド（金髪）です。
さらに、
赤と青のコンビネーション衣装は、聖母の
定番カラーですし、キリスト教の伝説による
とカーネーションの花は十字架に架けられた
イエスを見送る母マリアの流した涙が落ちた
場所から生えてきた花で「母親を象徴する花」
とされているわけです。
ついでに言えば、
カーネーションはナデシコ属の花で、その
属名「dianthus」はギリシア語で「神の花」を
意味し、キリストの受難の予兆の寓意として
美術作品に描かれることが多いのです。
繰り返しの繰り返しになりますが、
『ブノワの聖母』 『リッタの聖母』 『最後の晩餐』 『カーネーションの聖母』
窓の数が１～４に増えていくのに従って、
外の景色が徐々に上空から地上に近づいて
きていることが分かると思います。
『ブノワの聖母』 窓部分 smartomaizu.com 『リッタの聖母』 窓部分 smartomaizu.com
『最後の晩餐』 窓の部分 『カーネーションの聖母』 窓の部分
これも「罠」の伏線ひとつなのですが、
次回にその意図を解説したいと考えています。
ここで、話を現在に戻してましょう。
2000年前のユダのように不名誉な「罠」
に、トランプ前大統領を突き落とすわけには
いきませんよね！
次々に明らかとなっているのに公正なる
裁判は愚か、まともな捜査やリサーチすら
実施されないのが、いまの米国の現実です。
新型コロナ騒動を見るにつけても、既に、
思考実験クラスから実践的実証実験の段階
に入っていると思われるほど、世界が同じ
思考パターンで一色に染まっています。
これを上から目線で〝社会の病理〟など
と呑気に誤魔化すことはできないのです。
何かがおかしいと訝る時期はとうの昔に
過ぎ、目前に立ちはだかる脅威に対峙して
慄然と立ち向かわなければならないときが
確実に迫って来ているのです。
ＶＳ
「善にありて悪を思い、 
悪にありて善を思う」
アナタは「善」に与しますか、それとも
「悪」に巻かれることを選びますか！？
2024年11月のアメリカ大統領選挙では、
アメリカ大統領選挙2024 www3.nhk.or.jp
天の時、地の利、人の和が
トランプ大統領に味方するはずです。
天の時を心静かに待ちましょう！！
むむう ・・・
それにしても、
この不可解さは、いったい何だ！？
「なにやらキナ臭いニオイが・・・」
プンプン クンクン ふむ
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それを言うなら、ユダのような
「胡散臭い」ニオイじゃろう！
「ええっ !!」
アッ、いや、ユダのニオイじゃなくして、
「カビ臭いんじゃな」
『福音書』（ヨハネ）biz.trans-suite.jp
「この『聖書』 !!」
マジか ！？
「イエスの洗礼」マルコの福音書1：1~11 blog.goo.ne.jp
プンプン クンクン ふむ
ん！
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・・・ って、おいおい !
… to be continued !!
