移ろいは世の常なれど、駅前を車で通過する際に …
無機質に冷たく、全くもって人影のないビルが連絡通路を
挟んでふたつ静かに佇むさまが憐れに映ったのでした。
沼津の玄関口にかつて君臨していたシンボルの姿に時の
流れの変遷とかたちある物の儚さを見る想いがしたのです。
県東部の中心地「商都」沼津の面影は年年歳歳とうすれて
行き、いずれは消えてゆく運命のようにも感じました。
時代を遡れば、アーケード街の辺りには 松菱 があり屋上
の回る飛行機の遊具に乗って、無邪気にはしゃいでいた頃
の幼少期の自分に心はすでに飛んでいたのです。
駅前には、西武・富士急・ニチイ・丸井、仲見世や商店街
には、長崎屋や十字屋、それに記憶は定かではないけれど
緑屋もあったような …
残るは 富士急百貨店 のみで、こちらも 昨年(2012年)の
4月までにすべてのテナントが撤退する予定だったのですが
2013年2月現在でも、空きスペースは目立つものの撤退して
いない店舗もあって、辛うじてその面目と命脈を保っている
のが現状のようです。
しかも、百貨店とは名ばかりで、専門店がテナント入居する
ファッションビルの形態に加え、客足も疎(まば)らですので、
全面撤退も時間の問題なのかもしれません。
そうなると「商都」としては致命的で、流入する人口も減り、
さびれる一方の展開しか見えてきません。
市の中心街は都心に通勤する人々のベットタウンや郊外
からの回帰(より都会的な生活を標榜する中高年向けの)
居住者用の高層マンションが増えてきて、単に利便性だけ
が求められるありきたりの地方都市の様相と風情に犯され
つつあるのです。
せっかくの自然(海や山河)に恵まれているというのに独自
の資源が生かし切れていないのです。
市街地を流れる狩野川や駅から近い距離にある沼津港に
駿河湾、ハイキングに手頃な沼津アルプスの山々 …
何か魅力ある街づくりが出来そうなのですがねぇ
話は少し変わりますが、
ちょっとした現金が入用となったので、以前コレクションして
いた記念切手などを換金して出費に充てようと目論んでいた
のですが、どんだ誤算と言うか、期待外れも大外れで、収集
していた子供の頃とは隔世の感(時代と価格評価の変化)に
怒りと嘆きの連続パンチの応酬でした。
それというのも、かつて収集家仲間では羨望の眼差し的な
ブランドのひとつであった 「見返り美人」 のシートをいくつも
持っていたからです。
十数万円はくだらないと意気揚々と問い合わせると人気を
集めたブランド切手の買取価格は数千円。
余りのショックに 絶句して意気消沈の電話口 …
移ろいは常なれど、これじゃ、コレクターの悲劇だよ
さて、
時代の流れや変化・変遷を、総じて
― 移ろいは常 ― に絡めてみれば、喫緊の事態で
ある中国海軍艦船(フリゲート艦)による海上自衛隊護衛艦
への射撃管制用レーダーの照射に関する問題も同じです。
これは、あきらかな武力威嚇であり危険な敵対行為である
ことは否定しようがありませんが …
こうした事実を知ると毛沢東が好んで引用した中国の
春秋戦国時代の典籍 『列子』(湯問篇)が出典とされる
「愚公、山を移す」 という話が思い出されます。
列子は、老子と荘子の中間(BC7世紀~BC2世紀)位の頃
の人と言われますが 「愚公移山」 の故事成語の意味
するところは、「困難があっても粘り強く努力すれば、目的は
達成される。努力さえすれば、成し遂げられないことはない。
どんな難事でも頑張り次第で、必ず成し遂げることができる」
というものです。
話の概要は …
昔、中国の華北地方に住んでいた北山の愚公という老人
が自宅近くの山を邪魔に思い家族総出で山を掘り崩そうと
決心することから始まります。
彼は90歳になろうとしていましたが、家の南側には太行山
(たいこうざん)と王屋山(おうおくざん)という二つの大きな山
があり、道がふさがれていたので家への出入りには遠回りを
しなければならなかったのです。
山を崩そうとする愚公たちを見た智叟(ちそう)という人が
「親子で大きな山を掘り崩すなんて、とても出来やしないさ。
無理に決まっているし馬鹿げている」 と笑い出すと …
愚公は、「二つの山は高いけど、これ以上高くはならない。
もし自分が死んでも息子がいる。息子が死んでも孫がいる。
そうして代々と続けていけば、子々孫々と尽き果てることは
ないのだから、いつか必ず山は掘り崩せる」 と言って、毎日
毎日、堀り続けたのでした。
これを聞いた天帝は愚公の一途な心に感動し、二人の神
を下界に送り、山を背負わせて平らにしたという伝説です。
この話を演説で引用した毛沢東は、二つの山をそれぞれ
日本と中国国民党とに見立て、愚公を自らの中国共産党に
譬えて、「どんなに強力な敵であっても、我々が山を崩し続け
れば、天帝にあたる中国人民は共産党を支持してくれる」 と
訴えたのです。
何だか、見えてきませんか
尖閣諸島の領有権を主張して、絶えず領海や領空を侵犯
することを続け、揺さぶりをかける狙いをもって護衛艦への
レーダー照射などの挑発行為を繰り返す中国の意図が …
要は、「愚公移山」 の話は、シンメトリーと言うか、
二元論的な善悪や賢愚を逆転させて相対的に考えさせる話
のようです。
その意味からも毛沢東の譬えは適切だったのでしょうか
ひょっとして見当違いだったのかもしれませんね。
愚鈍でさえない愚者(愚公)と機敏で要領のよさそうな智者
(智叟)との対比です。
愚と智の逆転劇です
結局のところ、知識が豊富であるとか、頭が良いだけでは
とかく人間は計れないということなのでしょう。
自分の行ないを一途に信じ、不断の努力で実行する。
小利口な者よりも愚直な者の方が大きな仕事を成し遂げる
という意味もあるのかもしれません。
ところで、きょう(2月7日)は …
「北方領土の日」(1981年制定)です。
奇しくも、1年前のきょうも、 『北方領土の日』 と
いうタイトルで記事をアップしましたが …
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/259.html(参照)
こちらばかりは一向に、移ろう気配を見せません。
早く日本の領土に移行して欲しいのに
移ろい易きは人と春、
移ろい難きは北方領土か
ロシアのプーチン大統領の大英断で「愚公移山」ならぬ
プーチン移島(プーチン島を移す)
… てなわけには、いかないのかなァ
プーチンさん、お願いだから …
何とか、返答(返島) してくれぇ~
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プーチン3世
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