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子供はなぜ跳び箱を飛ばねばならないのか〜大岡史直著

2016年01月05日 | 教材について

これは2013年4月13日に投稿したものです

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幼児教育に携わるようになって6年目になりました。
現在では0才(3~4ヶ月)~6才の子供たちまで、
その成長に関わることは刺激的で、エネルギッシュな体験です。

昨年初めに出会った本にお受験プレスクールと言われているジャックの校長、
大岡史直先生の書かかれた『子供はなぜ跳び箱を飛ばなければならないのか』と言う本がありました。

数年に渡り子供たちの成長に関わり、
また自分の子供の成長に振り回されながら、
年の離れた子供を持つお母さんたちの体験、経験を身近で聞ける機会を持つ中で、
私が気が付いたことの一つに、
「子供たちが学校に入る前に座って行う遊びとして、今後学校で勉強していくことを楽しんで取り組んでいくことを就学前に体験することによって
小学校入学への準備ができ、その準備によって学校生活での子供の学ぶ意識がかわるのではないか」
と言うことがありました。

多くのお母さんは「幼稚園でそれをやらせるのは早い」とおっしゃるでしょうし、
ご自身でこの活動をすることはとても大変なことなので、
私は今現在でも声を大にしては言いにくいことなのですが、
この大岡先生の本にはそのことが堂々と、納得の行く形で書かれています。

前書きには、
「小学校に入るより2年早く初等教育を始めることによって、
その2年間を余裕ととらえて、実社会を体験させながら、
学ぶと言うことの意味や学校の存在意識を肌で感じ、それによって意識がかわるのではないか」
と言うことが書かれています。
まさに私も感じていたことでした。

小学校受験と言うとたいていの人が顔をしかめます。
いい学校に入れること、ブランド思考、などと言う感があることも否めません。
ですが、その内容を知るとなかなかどうして、子供たちの遊びの広がりを助けていく要素がたくさんあります。

例えば、足し算、引き算、掛け算、割り算、は小学校で習いますが、
4才にもなると、お友達の人数と必要なお菓子、
例えばアメは全部でいくつ必要か、などといったことを考えられるようになります。
一人に2コずつあげたい時には掛け算になりますし、
全部の数を数えてから、お友達に分ける時は割り算です。
実社会の中で生きながら学びます。
これを毎日の生活の中で、実際のものを使えって、みんなで一緒に話し合いながらできるようなチャンスがあっても良いかな、と思います。

同じように、言葉の表現、その多様さ、種類の多さで表現が多様になることで
感受性が育ちやすくなったり、伝える楽しさも体感できます。
これは国際的な面を成長させることにもつながります。

散歩の後に見たものを図鑑で見る楽しさ、
時間のたっぷりある中で、数日かけて工作やお絵描きに取り組み、図鑑を作ることもでき、
そこには製作の楽しさ、誇りを持つことが生まれます。

運動能力は、もって生まれた運動神経だけではなく、
訓練、練習時間をつめば必ずできるようになるということを知ることによって、
成功体験ができます。
成功体験があると、やればできる、でもちょっとの努力ではできないということを知ることにもつながります。
ちょっとの努力ではできないと知ることは忍耐力を育て、
その忍耐力は集中力にもつながります。

何もかもが筋道を立てた通りにはいかないので、
親は歯がゆい思いをしますし、
その歯がゆい思いを抱えて時間をかけるには、相当の忍耐力と粘り強さが必要です。
親の集中力も必要です。

私が子供の時にはなかったものが現在はたくさんあり、
PCが各家庭にあったり、移動中でもネットで調べ物ができるこの時代、
「私たちの時代の子供のあり方は違った」と言うことは少しナンセンスが気がします。
体を使って、自由に遊ぶ時間、自分で遊びを開発していく時間はもちろん必要で、
むしろそれなしに上記のようなことをしても意味はありませんが、
バランスをとったやり方であれば、子供たちの可能性を方々に
広く、大きく、深く、伸びやかに広げていくことができるのではないかと思います。

私はよくクラス内で、無駄な種まきをしてくださいとお願いしています。
私たち親から見えるもの、分かりやすい形、積み重ねやすいものを与えていくだけでは
子供はいっぱいいっぱいになり、飽和状態になってしまいます。
無駄な種まきは、時間もかかり、なかなか結果には結びつきにくいものですが、
お子さんを見ているとどんな種まきが必要なのか自然に見えてくるような気がします。
実社会の中のチャンスを、日常生活の中で見つけながら、
子供たちと取り組み楽しんで学ぶ余裕を私たち親も持ちたいものですね。