3Leaf Audio Proton

ベーシストの世界ではオーバードライブよりメジャーなエフェクトがエンベロープフィルター。キャリアのあるギタリストからすると「何ですかそれ」となりますがオートワウというと馴染みがあるペダル。スタンダードのワウがあれば必要なのかと思いきやファンクな質感を演出するには最高のアイテム。以前からエンベロープフィルターを物色していましたがついにであったのが2008年創業の3Leaf Audioという米国シアトルにある若い工房メーカーの「Proton V3」なる代物。このメーカーはフィルター系ペダルしかリリースしないマニアックなブランドです。

古くからのオートワウはワウ効果にポイントをおいているのでどうしてもローエンドが痩せた感じになるのが普通。回路の構造上ギターボリュームの最大値で適正な効果が出るようにデザインされているのでどうしてもボリュームを絞るとコモッた使えないトーンになってしまいます。このProton V3はベース、ギター両方に焦点を合わせてあるのでローエンドも豊富、ギターボリュームの変化にもワウ効果は維持されます。最近の多機能エンベロープフィルターよりもトーン設定の幅は狭いですがどのポジションでも全て匂いのあるファンクなトーンを演出。クラシックのドライなワウトーンではなく往年の名機ミュートロンⅢをモディファイしただけあって濡れたあの感じがすんなり出て驚きです。

厚いスチールを折り曲げたヘヴィーな2ピース構造のケース。軽く触れるだけのサイレントスイッチでトゥルーバイパス。ペダルボード使用を想定しての9V電池使用不可。手作り風な塗装はいかにも工房的で重々しい雰囲気。シンプルなコントローラーですがエンベロープフィルターには珍しいTONEノブがありワウトーンを他のペダルに馴染ませる効果があります。この手のフィルター系ペダルは多様な音質を作る為、複雑なコントロールが定番ですがこれは難しい設定やデメリットを省いてオイシイ効果だけを狙ったギタリストに優しいスタイル。

需要が少ないジャンルのペダルですから情報が極端に少ないため、実際に使ってみないとわからないのが難点ですがかなりオススメの一品。