Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

グヤトーン LG-150T

2008-08-18 17:37:48 | GUITARS

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60年代中期のグヤトーン「LG‐150T」。何ともモズライトを変形させたルックス。この時期の国産エレキ特有な複雑なスイッチは無くいたってシンプルだ。モズライトをモチーフに完全オリジナルギターに仕上がっている。当時の定価は1万7千円。詳しい資料が無いので確かではないが66年頃から69年頃までの生産と推測される。

トップ面とサイド面における段差のカットが「ジャーマンカーブ」と呼ばれるデザイン。これはPRSにも現在受け継がれている。元祖はモズライト。

PUはフェンダージャガー風なシングルコイル。フェンダーのようなトレブリーではなくどちらかというとソープバータイプなトーン。年代的に電装系の接触不良が凄いので交換する。国産によくあるボックスタイプSWをスイッチクラフトに。ポットを国産ノーブル製250kAカーブに。配線材をベルデンの古いものに。コンデンサーは最近お気に入りのコーネルダプラー0.68。PUが逆相になっていて普通に配線をするとMIXでアウトフェイズになってしまった。オリジナルはトーンポットに抵抗を絡ませトーンのメモリ10でコモるようになっていた。難しい。ポットを500kにするとトレブルがもう少し持ち上がりサーフに合うのかもしれない。

ネックはちょうどムスタングのような細身のミディアムスケール。メイプルオンローズ。フレットは低い。ストラトの1.5倍ぐらいあるネックポケットに2mm厚のシムが2ヵ所。これは後で入れた感じがあり、オリジナルではハイフレットで3mm以上のアクションがある。これがこの時代の国産ギターの悪いところ。しかし、ローポジションだけ使用するには逆に好都合だ。14フレットでスクィーズなんていらなかったのかもしれない。そこで現代にも通用するように1mm現高を再現してみる。写真のようにシムというよりネックとボディの間に最大厚2.2mmから緩やかに傾斜するプレートを挟み込む。ネックポケットのトップまでのものだと横から見えてしまうのでジョイントビスの中間のところまでで削り取る。ブリッジの高さが中間の位置で12Fで1mmだ。これで全てのポジションが使える。しかし、フレットの仕上げはかなり雑だ。この時代のギター全般に言えるが高いアクションだと若干のフレットの高さ違いなど影響はない。低いアクションにチェンジした瞬間、半分のポジションは使い物にならなくなる。フレット打替えかすり合せは絶対条件だ。

ボディはこの時代の国産ギター特有のラワン材合板。現在だと許されない材料だがしっかり調整するとかなりイケるトーンだ。ミドルに独特な癖が出てアタックに反応がいい。アルダーだのアッシュだのというのは気持ちの問題だろうか。見栄えは違うがベタ塗りだとわからない。結構、スワンプアッシュとかに高いお金を払っていた覚えが・・・。いい材はいいのだろうが最近この辺りの国産エレキを弾くと何だか違いがわからなくなって来る。ネックは強度が必要だがボディは重量とネックとのセッティングやコンディションが物を言うような気が。

ブリッジはバネ式ダイナミック風トレモロ。これがどう調整してもあまり可変がない。気持ち程度のトレモロだ。これに軽やかに動くローラーサドルだからチューニングの安定は抜群だ。サスティーンも十分。

ヘッドストックもオリジナル。3対3スタイルではこんな細いヘッドは見たことが無い。4弦と3弦は5弦、2弦のポストに接触している。しかも何も問題ないというのは恐ろしい。

トーンはモズライトよりもジャガーだ。ブリッジがタイトな分、サーフ特有なつまる感じは無くスムーズ。フロントPUのファット感とリアPUのブライト感がはっきりしているためMIXポジションで力を発揮する設定だろうか。総重量3.1kg。カラーはこのホワイトのほかにレッドもあってかなりいい。軽くてミディアムスケールだから女の子にもグー。


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