枯野

写真の楽しみ

会社への忠誠心

2005-05-13 | 雑文



                   会社への忠誠心   

 会社への忠誠心は、日本が世界最低ーという米世論調査会社ギャラップの世論調査の結果が報道されたが(13日朝日)、逆に受け取っていた小生には、以外な感じがした。
 会社への帰属意識や熱意が「非常にある」と判定された人の割合は、わずか9%で、調査した14カ国のうち最低で、「あまりない」が67%、「まったくない」が24%で、4人に1人が「まったくない」とされ、職場に反感や不満を感じているという。
 同社は、「米国は不満があれば転職する。日本は長期雇用の傾向が強いこともあって、相当我慢してるのではないか」と分析しているということである。
 会社の仕事を家に持ち帰ってまでやるとか、夜遅くまで残業するとか、日本の会社員は、世界一勤勉で、会社に対する忠誠心は、世界一かと思っていたが、この調査からするといささか認識不足であったことになる。
 もちろん一概には言えないが、例えば、会社の事務部門では、営業部門での自動車の販売数とか投資信託の販売量などのノルマ達成率のような明確な指標、成果といったものがないこともあって、自然、就業規則上の5時頃に女性社員が一斉に退社した頃から、ぼつぼつ何かやり始め、9時頃まで「外形残業」(external overtime work)をするといった商慣習が定着しているところも少なからずあるのではあるまいか。もっともこれも、係長が何かやり始めたのに、先に退社するわけには行かず、やむを得ずお付き合いする、課長も部下の全員が何か忙しそうに残業に入ったのに、やはり自分だけ先に退社するのも気が引けるということから、悪貨は良貨を駆逐するということで、自然発生的に蔓延したということであろうか。たまたま何かの都合で、社長なとが夜9時ごろ帰社してきた際、こういう残業をしている部署を通過して、「あの課の連中だけはよくやっているようだから、ボーナスを特にうんとやるように」などと指示することも、一層このような傾向を助長させているのではあるまいか。
 会社員の多くは、特になにか資格を取ろうとして会社から帰ってから勉強するとか、パソコンを自作するとか、いいブログを投稿しようと毎日会社から帰った後張り切っているとかいうような者を除いて、大体、会社を終えた後、特にどうするとか、どうしなければならないとかいうことはないので、昔はマージャンがはやったが、同僚と一杯やるとか、家に帰ってもテレビで野球を見る位のことしかすることはなく、前記のような「外形残業」をして会社に居残っても、結局同じことになり、かつ残業代(管理職を除く)も貰えて一石二鳥ということにもなるーこういう一つの裏側からすると、日本の会社員が、全員勤勉であって、会社への忠誠心が強いとは必ずしも言い切れないと見るのも当たっているのかも知れない。