旭川美都

文化芸術の力で北海道旭川市と世界を繋ぐ!
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本当のこわい話

2021-09-05 15:03:42 | お知らせ

皆様、

旭川美都にお付き合い頂きありがとうございます。

 

突然ですが北海道にまつわるこわい話をします。

これは僕が体験した一番こわい話です。

 

疑う方もいるかも知れませんがこれは本当の話なんです。

 

紛れもない事実なのです。

 

あれは僕が高校生の頃でした。

北海道の短い夏が終わり、秋の声を聞く、

そう、ちょうど今頃の出来事です。

その日は何故か変な胸騒ぎがして眠れず、そのまま朝を迎えました。

僕は寝室のカーテンを開きました。

普段はそんな習慣は無いのに何故か外が気になったのです。

朝といっても外はまだ暗い。時計の針は四時を示していた。

僕は何かに誘われるように外に出ていました。

家を出るとそこは一面の靄。

雲海のような景色に目を奪われる事は束の間、背筋に冷たさを覚えたのです。

朝焼けがどことなく薄気味悪く、時間が止まったような静けさだった。

家の前を通る道も静かだった。

車の一台や二台くらい通ってもよい時間のはず……。

遠くに響くカラスの声に導かれ、林の中を歩いていると見覚えのある場所に辿りついたのです。

そこは子供の頃から遊び場にしていた神社の境内でした。

砂利の音を確かめながら、意味もなく社殿の周りを歩いていると、

誰も居ない社務所の前に腰を曲げた一人の老婆を見つけたのです。

歳は九十、いや、百を超えているようにも見えた。

白髪で目じりには深い皺があり、覇気を失った目の下にははっきりと隈が浮かんでいた。

さっきまで居なかったはず……

何故、そうしたのか、今になってもわかりません、

僕は震える足でその老婆に近づき声を掛けたのです。

「お、おはようございます」

老婆は答えなかった。

それでも僕は声を掛け続けた。それが自分に与えられた義務であるかのように。

「い、今何時ですか……」

老婆は振り向く事なくカバンから古い懐中時計を取り出し、徐に口を開いたのです。

「六時ですよ」

僕は軽く頭を下げ走り出しました。

まるで逃げるように走ったのです。

このままじゃ学校に遅刻する!

一度も止まる事なく走って家に帰り、朝食を摂らずにに学生服に着替え家を飛び出し、更に走りました。

バス停までの約一キロ位の距離を無我夢中で走ったのです。

そしてバスの時間にギリギリ間に合ったのでした。

こんなに走ったのは久しぶりでした。

車内に入り肩を大きく上下させながら僕はこんな言葉を零したのです。

あ~こわかった

 

 

安心して下さい。

方言の話です。

北海道では『疲れた』『しんどい』『熱っぽい』時など『こわい』と表現する事があります。最近の若い人は使わなくなりましたがこれは北海道の方言なんです。

【例】今日は仕事が忙しくてこわいから遊びにいけない

【例】昨晩からこわいから病院に行きたい。

【例】慣れない運動をしたからこわい

なので近くの道産子が『こわい』と言ったら『疲れた』『しんどい』『熱っぽい』という意味かも知れませんので優しく声をかけてあげて下さい。

因みに『恐ろしい』時は『おっかない』と言います。

 

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