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きょうのできごと。

日々の出来事、思うことをあれこれ。

漢方小説

2008年04月22日 12時00分30秒 | 読書
はなじろうです。

近所の図書館にて中島たい子と小池真理子の小説を借りてきた。
ハードカバーの書籍ってなんか新鮮。つい装丁などに目が行く。
小池真理子の「夏の吐息」はまさに夏の黄昏時といった空の色合いがとても綺麗。
中島たい子のは軽いイラストタッチで、主人公らしい女性が漢方の植物とともに描かれている。

小説のほうもシンプルでとても読みやすかった。
現代女性の心の在りよう、それらを持て余すことによって生じる病と
捉えようによってはわりと深刻な内容を、ユーモアをまじえながらさらっと描いている。
主人公が同年代で感情移入し易かったのかも知れない。

独身女性にとって30代というのは人生において「リーチかかった状態」なのかも。
次の牌を手に取るのが怖い。早く取りなよと背中を押すなにかを待っている。
東洋医学についても色々興味深かった。
森羅万象すべてのものには相対するなにかが必ずあるということ。
人間の身体も然り。肉体と精神はつかず離れずの距離で引きあっている。
すべてはバランスの問題なのだ。治療の匙加減も微妙でなかなか神秘的だ。
西洋医学みたくストレートじゃないところが面白い。

独自の美学を物語として淡々とつづる小池真理子の短編集が対照的でした。
中年女性と若い男の子の孤独なふれあいを描いた「月の光」は切なくてよかった。
おすすめです。

ブレイクスルー・トライアル

2008年04月20日 18時55分06秒 | 読書
アコ次郎です。

今日は昨日とうって変わって良い天気。でも、昨日はお出掛け
(アウトレットでついつい…)したので、今日はお家でのんびり。

あと、ふと思いついて近所の図書館にお出掛け。

はなじろうは、意外にもわが町の図書館が初めてだったみたいで、
こんなところなのね~、と興味津々。
僕の本も一緒に借りて帰ってきたので、早速読書タイム。

先日買ったこちらと同じく、「このミス」大賞を受賞したこの作品。
早い話が、現代版金庫破りの実況中継みたいな趣なのだけど、
ちょっとあっさりしすぎじゃないか、という感じ。
複数のグループが同じ現場に居合わせるのだら、もう少し、お互いに
絡んでいくストーリーを期待したものの、それぞれのグループ内だけ
の事情に重きが置かれすぎて、少々物足りない内容になっている気がした。

まあ、時にはこういう作品もあるかと思うけど、以前読んだこちら
出来が本当に良かっただけに、ちょっと残念な結果に。



チーム・バチスタの栄光

2008年02月05日 23時07分15秒 | 読書
アコ次郎です。

先週末にいつもの美容室へ散髪に行って(顔剃り中に
寝てしまった…)、帰りに立ち寄った本屋さんで購入

大学病院での術死をメインに展開される作品だけに、
僕には取り付きにくいかな?という先入観を持っていたけど、
見事に杞憂に終わってしまった

気鋭の心臓外科医と彼を支えるチームの手術中に連続した術死。
その原因究明の任をはからずも引き受けてしまう精神科医
(なんでやねん…)と、彼を支える(振り回す)変人役人の
コンビが紆余曲折の末、犯人にたどり着くというありきたりな
ストーリーなんだけど、非常にリズム良く読めてあっという間に
読了。

シンプルな舞台設定(病院のなか)に、会話メインで、どんどん
ストーリーが進んでいくのが非常に良い感じ。
作者自身が現役の医者ということもあり、実際の大病院で生じている
問題点なども散りばめられており、読み物としても非常に秀逸。

2作目以降も是非読んでみたいと思ってます

東京奇譚集

2007年12月01日 23時57分32秒 | 読書
アコ次郎です。

ようやくの週末
朝から気持ちのよい天気だったので、はなじろうと二人で
家のお掃除に励む
布団を干して、台所をきれいにして、窓も拭いてと、
大いにがんばる。おかげで、家中見違えるように綺麗に
なって大満足

その後夕方に掛けて近所の美容院にて髪を切りスッキリ。
ついでに近所の本屋さんでまたまたの村上春樹を購入。
以前から気になっていたのだけど、本屋で手にとって読み
出したら、どうにも読むのをやめられなくなって、ついに
お買い上げ

「奇譚集」なんて大層なタイトルにはなってるものの、
読み込んでみれば、至極まっとうな村上春樹の短編集でした。
全編に共通して書かれているのは、何かのきっかけで、日常の
世界から、奇妙な、ありえない世界に踏み込んだ人々の姿であり、
それが誰にでも起こりうることとしてのリアリティをもって物語の
中にどんどん引き込まれていく。

ということで、来週の出張のお供として持っていくことに決定
「アコ次郎の後に読もうかな~」とつぶやいていたはなじろうには
悪いけど…

バンド・オブ・ザ・ナイト

2007年12月01日 21時50分24秒 | 読書
はなじろうです。

昔から好きでよく読んでいる中島らもの半私小説。
いろんなエッセイで時たま語られる、
氏の若かりし頃のエピソードが赤裸々につづられている。

薬物の仕分けシーンから始まるこの物語は衝撃的で時に痛々しい。
語り口は飄々としていて馬鹿馬鹿しいけれど。
ドラッグについては、実際に本人も刑を受けていて
まったく共感は出来ないけれど作家としてはかなり好きなタイプだ。

物語を割って突如現れる、散文詩=イメージの海。
「今夜すべてのバーで」や「ガダラの豚」など、
いい小説をいっぱい書いてるけど、私は、中島らもは詩人だと思う。

氏の文章を読んでると、こんなフレーズが繰返し聴こえてくる。

まやかしなんてたくさんだ。
ハートで感じること、それ以外の真実がどこに?