きょうのできごと。

日々の出来事、思うことをあれこれ。

天国までの百マイル

2015年11月21日 20時40分30秒 | 読書
はなじろうです。

浅田次郎の「天国までの百マイル」を読んで。
母と子の情愛が描かれたヒューマンストーリー。

そして、ラブストーリーの名作!

なにもかも失った元不動産王ヤッさんの世話を焼く
ホステスマリの無償の愛が心に響く。

外見は風船のように太ってて、豪快で、下品で。
実は、デリケートな心配りをする聡明な女性。
自分を愛していないと知りながら、
献身的な愛でヤッさんを再生の道へと導く。
そして、身勝手な男が愛に気づいたとき、
彼女はもうどこにもいないのだ。小さな書置きを残して。

情けないおっさんと醜女の恋物語がなんでこんなに美しいのか。

浅田次郎、すごい。

やっぱり大好きな作家さんです。

ホテルローヤル

2015年06月29日 17時44分15秒 | 読書
はなじろうです。

桜木紫乃「ホテルローヤル」を読む。
北海道のうら寂れたラブホテルが舞台。
セックスが描かれているけど、
人間の悲哀を強く感じてとても切なかった。

七篇の物語に出てくる男女は、懸命に生きるごく普通の人たち。
そして、女たちはみな菩薩のように優しい。
人生はなかなか思い通りにならないけど、
感情を押し殺して頑張るしかない。そういう時もある。
ひと時のふれあいに安らぎを求め、愛を交わす。
ひとつになれたら、それはそれで幸せ。
成熟した男女の睦合いは美しいと思う。

「バブルバス」と「星を見ていた」が心に残ってます。

イニシエーション・ラブ

2015年06月04日 21時17分53秒 | 読書
はなじろうです。

面白い~ おもしろい本を読んだぞー

ひさしぶりに?感動したのでこうやってブログに書く。
乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」。
松田翔太&前田敦子で映画化、公開中。
あっちゃん好きだし見に行ってみようかな。。

よく出来たミステリーという前情報を仕入れていたけど、
ラストはやっぱり衝撃だった…
てか、本当に人の心こそミステリー。
同性としてマユの胸中をあれこれ想像してしまう。

物語はside-AとB、昔懐かしいカセットテープのような
心憎いほどウマイ構成になっている。
同じようで実は違う物語。でも、繋がってる。
傷ついたり、傷つけたり、きっと誰もが経験する愛の通過儀礼。

なんか、いろんなことを考えた。
キラキラしてて、残酷で、何気に深いおすすめの一冊です。

ブエノスアイレス午前零時

2014年10月31日 18時46分12秒 | 読書
はなじろうです。

ひさしぶりに読書を。
藤沢周の「ブエノスアイレス午前零時」。
雪深い温泉宿で働く青年と
客として訪れた老婆の、
夢とうつつを行き来する不思議なラブストーリー。
ラストシーンでふたりはタンゴを踊る。

なんか、すごくロマンティックなタイトル…
正直言うとその期待に引きずられたまま一気に読んだって感じ。
文章が固く、情感が伝わりにくい。好みの文体ではなかったです。
でも、この物語の世界観はものすごく好き。
恋愛や、出会いの奇跡は、
若い男女のものだけではないと思うから。

この小説は舞台化され、東京と大阪で来月より上演されます。
主演はV6の森田剛くん。
原田美枝子さんが盲目の老嬢役ということでちょっと観てみたいかも。

官兵衛祭り

2014年02月14日 09時00分47秒 | 読書
はなじろうです。

近所の図書館で「黒田官兵衛コーナー」を発見。
大河ドラマの影響で、私の中では
官兵衛⇒岡田くんにすっかり脳内変換されている
興味津々で、借りるべく本を吟味。
火坂雅志編「実伝 黒田官兵衛」と葉室麟「風渡る」をチョイス。

先日、吉川栄治の「黒田如水」を読んだばかり。
有岡城に幽閉された官兵衛が明日を信じ、
耐え抜く様子が一番の読みどころ。
牢獄の窓際に咲く藤の花に慰められた官兵衛は、
脱出後、家紋を藤巴に変える。
ただの花だけど、美しいは正義。ロマンがあって良い。
歴史、時代小説もなかなか面白いなぁ…