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きょうのできごと。

日々の出来事、思うことをあれこれ。

御宿かわせみ

2008年12月11日 22時11分04秒 | 読書
はなじろうです。

「総長」ことF夫人からお借りした人気シリーズ。
何度かTVドラマ化もされている。

当時の生活の様子が細やかに描かれていて
江戸情緒を随所に感じる、いい物語だ。

るいと東吾の恋模様も気になるし続編もぜひ読みたい。

女流作家で江戸ものといえば、宮部みゆきも大好き。
「本所深川ふしぎ草紙」など怪奇ものもとても面白い。
灯りのとぼしかった時代、夜の闇は恐怖に満ちていただろう。

そういえば、子供のころ祖母が妖怪もどきに遭った話をしてたっけ。
不思議なこともあるんだなぁ…って気持ち、実はとても大事なのかも。

現代の便利さはないけど毎日を豊かに暮らしてたんだなぁと
時代物を読むたびいつもそう思います。

恋に死す

2008年11月02日 22時28分19秒 | 読書
はなじろうです。

「怖い絵」シリーズの中野京子さんの著書。
歴史上の有名人である女性たちの恋物語。
特に印象的だったのはキュリー夫人ことマリー・キュリーの若き日のロマンス。
子供の頃、伝記を読んで「偉人」というイメージしかないが
実際の彼女は才色兼備でとても魅力的だったらしい。

恋する女は綺麗さ~とお嫁サンバじゃないが(ふるぅ!)
セクシーさ、色気とは、つまり生命力だと思う。
恋に恋する私ではあるがすさまじいエネルギーを消耗する
「恋の嵐」に身を投じる元気、勇気はもはやない。
こうした書物などで見聞きするだけで充分である。

ところで、前出の「怖い絵」で紹介されているのだが
ブロンツィーノの「愛の寓意」という名画がある。
愛の戯れに陶酔するふたりとそれらをとりまく快楽、欺瞞、嫉妬、真理…
エロティックで、なんだかもういろんなことが頭を駆け巡る。
これはなんじゃ?と…。 いつか実物を鑑賞したい。

きっと絵の持つ力に圧倒されるだろうなぁ

2008年06月29日 18時14分12秒 | 読書
はなじろうです。

沢木耕太郎著「凍」を読む。
登山家・山野井泰史のギャチュンカン登頂の記録。
ギャチュンカンとはヒマラヤ高峰群のひとつ。
簡潔で、清潔な描写に引き込まれるように一気に読了。

私自身登山といえば信州の天狗岳と愛媛県の石鎚山に登った経験があるくらい。
怠けた身体にはそれはもうめちゃくちゃしんどかった
仲間に連れられて、おだてられて、やっとこさ登ったという感じである。

最近、野口健などアルピニストの著作を好んで読んでいる。
冒険と浪漫、山を登るのは自分との闘いでなんだかとても尊いように思う。
何年か前の夏に「植村直己冒険館」を訪れた際の感動を思い出す。
クレバスをイメージして造られた美しい建物で、また機会があれば行ってみたい。

今回図書館で借りてきたのは他に、皆川博子の「蝶」。
隠微で、凄みがあって、美しい短編集。
日本家屋の闇と湿り気と、戦中戦後の時代と人々の虚しさと。

偏らずにいろんな作家さんの本を読んでみようと思います

太陽の塔

2008年05月26日 23時22分45秒 | 読書
はなじろうです。

面白い小説を借りた。森見登美彦の「太陽の塔」。
妹曰く「アンタ好きそう~」とのこと。
解説の本上まなみ言うところのへもい(=いまいちイケてない)主人公が繰り広げる青春譚。

頭でっかちの京大生である主人公が失恋して悶々と過ごす日々を
ちょっと古めかしい独白調の文体で描く。
出だしが一瞬サリンジャー風なのが私的につかみはオッケー
彼の日常は、四畳半のアパートと京都大学周辺、元彼女「水尾さん」と
個性豊かな友人たちのみでほぼ構成されておりこれという大事件が起こるわけでもない。
その輝かしい頭脳であれやこれや「振られた」事実を
理性を持って分析しようとするのだけれど、どうにもこうにも仕方ない。
水尾さんの面影と想い出がくるくる廻り続けるだけ…
その滴りこぼれるような純情ぶりが可愛くて何度も読んでしまった。

難解な数式を持ってしても、人の心は読み解けない。
離れてゆく誰かの気持ちを引き留めるすべも無い。
失恋って、死ぬほど辛いけど、生きてくうえで大事な経験なのだ。

叡山電鉄と、岡本太郎作「太陽の塔」と学生の町、京都。
主人公の心象風景がリリカルで、清潔で、なかなか良い物語でした。

人類、月に立つ

2008年05月25日 17時42分33秒 | 読書
アコ次郎です。

先日図書館に行った際に借りてきた本。
上下2巻なのだけど、かなりの厚さでしかも重い。
よって、枕本とするには少々苦しいのが難点なのだけど、それを
補って余りあるくらいの面白さ。やめられない、とまらない…

いわずと知れた人類を着きに送り込もうというアポロ計画を、NASA、
パイロット、関係者のそれぞれの視点から克明に記録したドキュメンタリー
の形をとったこの作品。

僕らの世代にとっては、もはや過去の史実となりそうな感もあるけど、
この壮大な計画を実現させるために費やされた人的、物的、そして
技術的なリソースの膨大さをまざまざと実感させるのには十分すぎる
ストーリーである。
これだけの計画を現代に置き換えようとするのは、あまり荒唐無稽なの
かもしれないけど、実現不可能を可能にするための努力や献身の大切さ
を改めて思い知らされたとい点について、多くを考えさせられた。

本当に、人類は再びつきの大地に降り立つ日がやってくるのだろうか?
それが、どんなに困難なことであろうとも、その日が近いうちにやってくる
ことを僕は心待ちにしている。