goo blog サービス終了のお知らせ 

きょうのできごと。

日々の出来事、思うことをあれこれ。

ライ麦畑でつかまえて

2010年02月13日 21時15分28秒 | 読書
はなじろうです。

今、寝しなに読んでいるサリンジャーの「ライ麦」。
あらゆる世代の若者たちに影響を与え続けている有名な小説。
最近刊行された村上春樹訳のものも読んだけど、
私は断然、野崎孝訳の方が好み。
中学生の時に買った本なので、だいぶん黄ばんでるが大事にしている。

あらすじについては度々既出だろう。
ひねくれもので青臭い、ホールデンの物の見方は好き嫌いが分かれそう。
ちなみにアコ次郎は苦手とのこと(小説は評価している)
私は、わりとシンパシーを感じちゃう。。
思春期の感傷というより、ほとんど神経症的で痛々しく。
かと思えば、何度読んでも可笑しい箇所があって。
関わる人たちに散々悪態をついていながら、
今はもうそばにいないのが淋しいと言う、屈折した愛情。
もう嫌になるくらい青臭い
でも、なんか、好きです 私も欺瞞が大キライ!

それぞれの場面が忘れがたい、自分にとっては大切な小説です。

薬指の標本

2010年01月11日 10時40分05秒 | 読書
はなじろうです。

小川洋子の「薬指の標本」について。
何度読んでも鮮やかな印象を与えてくれるお気に入りの一冊だ。

物語は一種のラブストーリーで、
ふたりの気持ちの交差、やりとり、周囲で起こる出来事は
すべて主人公の「心の眼」を通して描かれる。
心象風景とも捉えられる描写は奇妙だが、どこか愛おしい。

恋愛のプロセスが、これほど密やかに濃く
描かれている作品を私は他に知らない。
相手の何もかもが一切謎に包まれているのも真実味がある。

どんなに愛し合うもの同士でも相手の全てを伺い知ることはできない。
「解る」というのは幻想であり、傲慢だ。
愛しているからただ許しあうだけである。

ひとは所詮、自分の「宇宙」からは抜け出せない。

天切り松 闇がたり

2009年09月26日 21時31分10秒 | 読書
はなじろうです。

浅田次郎の「天切り松」を寝しなに読む。
私の読書タイムは大体ベッドの中で、寝る間際だ。
枕元に2、3冊置いて毎晩かわりばんこに読む。
今読んでるのは「白洲正子自伝」「スプートニクの恋人」
一冊を一気に読み切るということはあんまりない。乱読だ。

「天切り松」は元盗賊のおじいさんの物語。
大正時代の東京で、義賊として名を馳せる
粋でいなせな男と女たちがいっぱい出てくる。
「義理」と「人情」はもう死語に近いのかも知れないが
こういう話はわりと好みである。江戸っ子弁の語り口も痛快で良い。
清濁併せ呑む、懐の深い物語を自然に読ませる素晴らしい作家だ。

今日は、店頭に並んでいた「月下の恋人」を早速買ってきた。
枕元に置いて秋の夜長のお供にしたいと思う

1Q84

2009年09月23日 12時59分22秒 | 読書
アコ次郎です。

前作の「海辺のカフカ」から数えて7年。待ちに待った新作と
いうことでワクワクしながら読み進めていく。

小説家志望の青年と殺し屋の女性がともに同じ組織に対する
活動から繋がりを持ち始めていくが、それをきっかけに二人を
取り巻く世界が現実の世界から少しずつ離反し始めていく。

二つの物語が二人の主人公独自の視点で語られていきながらも、
物事の奥底で繋がりを示していくという筆者特有のストーリー
展開が今回も見られた。
が、今作では最後の部分で二人の物語が殆ど完結していないので、
何だかな~って印象をぬぐい切れなかったのだけど、ようやく
最近になってその理由が判明。

次編の執筆が続けられていたようで、ちょっと安心。
この3作目で、一体どのような結末を迎えるのか、今から本当に
楽しみ(でも、あともう一年も待つのか…)


名短篇、さらにあり

2009年04月26日 20時16分19秒 | 読書
はなじろうです。

北村薫、宮部みゆき編「名短篇、ここにあり」の続編。
いろんな作品が読めるのでこういったアンソロジーは好み。
掘出し物的に素晴らしい作品に出会えたりするし。。
(「ここにあり」に収められている「少女架刑」は衝撃だった…)

今回の12篇は幻想小説っぽいのが多くて面白かった。
久生十蘭、林芙美子、内田百がお気に入り。
林芙美子「骨」は底辺を生きる女の心情がリアルで凄まじいの一言。
すごい作家さんだ…!
不良少女気取りの若い作家なんて目じゃないよなぁ

内田百「とほぼえ」はこの世とあの世の境目みたいな不思議な話。
百先生といえば映画「まあだだよ」が印象に残ってる。
「ツィゴイネルワイゼン」も…。これから色々読んでみようと思う。