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きょうのできごと。

日々の出来事、思うことをあれこれ。

下町ロケット

2012年10月08日 13時27分28秒 | 読書
アコ次郎です。

のんびり3連休を締め括るべく、昨日図書館から借りてきた
本の感想なぞ。

かつて開発失敗の責任を背負って研究機関を去った技術者が
家業の町工場を継いで、相次ぐ困難と立ち向かっていくうちに
自分の生きる目標を思い出し、再起を図っていくというストーリー。

少々、ご都合主義の嫌いが無くはないけど、僕のようなエンジニアの
はしくれにも「わかるなー、その気持ち」とか「そうだそうだ!!」と
思い当るところがたくさん出てきて、本当にあっという間に読了して
しまいました。

吹けば飛ぶような町工場でも、国を代表するような大企業でも、いろんな
考えや思惑を持った人間の集団だから、ちょっとやそっとのことで一枚岩に
団結することは難しい。だけど、それを実現することができると、誰にも止め
られないような馬鹿力を発揮することができる。

普段、仕事をしていて、あれこれと自分を阻む壁やらでこぼこ道に立ち向かう
のに際して、自分が持つべき心意気のようなものを示してくれる良い作品でした。


心に龍をちりばめて

2012年04月22日 21時35分19秒 | 読書
はなじろうです。

白石一文さんの小説「心に龍をちりばめて」の感想。
読み始めは、普通のラブストーリーかしらんて感じ。
登場人物それぞれの背景が複雑で、
人生の深遠さを感じさせ、中盤から俄然面白くなってくる。
特に、主人公美帆が婚約者に不信感を抱く過程が。
いとしい恋人が転じて悪役となり、決着を着けるべく闘いを挑む。
愛憎という言葉の意味を思い知らされる。
身体を張った落とし前を着けるあたり、なかなか男気?のある主人公。

龍の彫り物を背負った幼馴染、優司と紆余曲折を経てハッピーエンド。
美帆より、優司にこそ幸せになって欲しかったので、この結末はとても良かった

悪女について

2012年04月16日 14時31分17秒 | 読書
はなじろうです。

のんびり、まったり、お気楽専業主婦生活どっぷりの毎日。。
(ぐうたらではないゾ
夫婦ふたりきりなので家事に追われるというほどでもなく。
気軽に会って、おしゃべりできる友達がいればなぁ…なんてたまに思っちゃう

そんな、退屈な私という女(爆)
最近読んでとっても面白かったのが、有吉佐和子の「悪女について」。
悪女と言えば、男を手玉にとってのし上がる、みたいなイメージがあるけど、
そんな紋切り型ではない、もっと複雑で、不思議なヒロイン像。
かなり強引なやり方で社会的な成功を収めるのだけど、
虚飾に満ちた人生は、儚く、恐ろしいほど孤独。幕引きは謎めいた非業の死。

インタビュー形式の物語がパズルを解くようで面白かった
彼女と関わった人々が語る人物像がてんでんバラバラで、笑っちゃうほど。
結局、人は自分の都合の良いようにしか相手を見ていないのかな。
人間の多面性を考えさせられる。

ちなみに、近々「悪女について」は沢尻エリカでTVドラマ化されるらしい。
私にとっては、ちょっと、主人公のイメージではないな~

ヘルタースケルター

2012年04月09日 18時20分07秒 | 読書
はなじろうです。

話題の映画「ヘルタースケルター」の原作漫画。
著者は岡崎京子さん。交通事故の後遺症で現在は絶筆中らしい。
なんだか無性に読みたくなって、読み始めたら止まらない。
短時間であっという間に読了。面白かった~
これ、感性が鋭い若いころに読んでたら、さらに衝撃だったろうなぁ

線は粗いけど、決して雑ではない、ポップで洗練された画風。
題名どおり「しっちゃかめっちゃか」破天荒なストーリー。
全身整形美女りりこの、欲とふたり連れ、地獄への道行き。

ただ衝撃的なだけではなく、
お金とは?幸福とは?いろんな事を考えさせられる。
主人公の心象か、詩的な情景場面が所々あり、決して薄っぺらではない。
この作品が、名作と言われる所以だろう。

私は、このラストシーンがものすごく好き。
こっからが、本当のお楽しみよとでも言いたげな。
その後のタイガー・リリィの冒険譚を、是非、読んでみたいのだけど…

夜は短し歩けよ乙女

2011年02月26日 22時59分59秒 | 読書
アコ次郎です。

はなじろうが義妹から借りてきてくれた
森見登美彦の作品。

以前読んだ「太陽の塔」で、僕の中の何じゃこれは
と気になる作家に急浮上して、以前から興味津々
だった本作。

京都の木屋町でのある宴における「彼女」が見せた仕草
から始まった主人公の「私」(もちろん、「わたくし」)の
痛々しいまでの妄想全開の儚い恋愛模様を読み進みつつ、
作中の妙に芝居掛かったような、だけども実際に実体験
してみたいような世界観を「私」「彼女」の視点から共有
していくにつれて、どんどんストーリーに引き込まれて
しまう。

「私」の笑えるまでに不器用な、だけども「彼女」への
純粋な想いがお腹いっぱいになってくるに連れて、なんだか
全身が夢図痒いような、掻いてはいけない瘡蓋をついつい
掻き毟りたくなるような、曰く言い難い感覚が自分の中に
湧き上がってくるような。
「私」の悪戦苦闘、悶絶の数々が何だか他人事のように思えず、
自分の記憶の片隅に硬く封をしてしまいこんであった思い出の
ようなものが思い出されたり。

うまく伝えることはできないけれど、こんな感じんだな~、感想は。