レッド・アンド・ブルー・オーシャン

経営戦略の基礎の基礎から、ブルー・オーシャン戦略まで。当面ベータ版。無断引用はお断りします

レッド・オーシャンとは

2006-02-28 | Weblog
これは、「ブルーね」、これは「レッドね」という言葉を良く耳にするようになった。「ブルーオーシャン戦略」も世界での発売が100万部!を超え、日本でも11版となったそうだ。

さて「レッド・オーシャン」「レッド・オーシャン戦略」というのは、もちろんマイケル・ポーターの「競争の戦略Competitive strategy」の比喩である
1970年代に産業組織論の手法から導き出された彼の戦略論は
1.「業界」によって儲かる「業界」とそうでない「業界」がある
2.その分析は5F(5つの力(5 forces)、脅威(5 threats))のフレームワークで行う。その力(forces, threats)が少ない・弱いほど、「業界」は儲かる。
3.「業界」の中で、勝つ=利益を生むのは「3つの基本戦略」のどれかを選ばねばならない。(ここが反直感的Counter intuitiveなところ) それは、「コスト戦略」か「差別化」か「集中戦略」である
5.コスト戦略は、規模の経済、経験曲線を使ってコスト(売値では無い)を下げていく。たとえばトヨタ。
6.「差別化」は「顧客の認知する違い」に対してプレミアムが得られるように戦略を設定する。たとえばドライビングプレジャー」のBMW
7.「集中」は顧客セグメントをフォーカスする。実際には「コスト戦略」「差別化戦略」と組み合わせることが多い
8.よってポイントは「コスト戦略」か「差別化戦略」のどちらかをはっきりさせること。はっきりしない場合は、「死のV字の谷」に陥る。あるいはスタック・イン・ザ・ミドル(Stuck in the middle)」とも言う。
ここまでは、復習?(笑)。
現実には、例えば
10.「コスト戦略」をとる場合には、例えば、生産やオペレーションを中国や、インドに移転して劇的に下げることができるが、模倣される可能性が高く、サステナビリティーが疑問
11.「差別化戦略」をとる会社は、顧客にとってでなく「競合」との違いが戦略となってしまいがち。例えば、続々と付加される、携帯電話の機能をすべて使えているか?

いずれにせよ、「業界」の中で戦っていれば、「業界」のライフステージが成長期を超え、成熟期→衰退期になれば、限られたマーケットを取り合うことになる。(確か、経済学ではMR=MCとなるまで続く。)利益は低下し、ついには赤字(レッドインク)になるのではないかというのが、チャンの主張であり、実務家の悩んでいるところ。


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経営学って何だ??

2006-02-27 | Weblog
国立大学の経済学部には、ひっそり(笑)と「経営学科」なんてものがあるし、一ツ橋あたりには「商学部」なんてのもあります。国立でひっそりしている理由は、なぜかあまり勉強しない学生が行くというイメージがあるようだ。でも勉強している「経済学科」のひとに両学科の違いは何か?と聞いてみても答えが得られたためしがない。受験生にはもっとわからないだろうというのが正直なところ。
「「会計」やったり・・「簿記」とか・・・」とか、「就職してすぐに役に立ちそう」なんてところか・・・

経済学(主流となっている新古典派総合)では、経済取引の主体は、いわば「点」のようなものです。その中身の違いは無視。企業、政府、家計ですか。そのくらいであとは「点」です。
ちなみに、欧米でスタンダードな経済学といわれているもの(p,qや価格「弾力性」等等)は「物理学」をモデルにしてつくったもの。数学の親戚でもあります。ので、物理、数学が苦手なひとは勉強してはいけない科目なのですが・・・・(笑)

しかし実際は大企業を中心にその「点」がいろいろな動きをし、無視できないインパクトを社会に与えています。そこで、その「点」の中(組織)を研究するのが、「経営学」

Economicsに対してManagementです。
また学問としては数学で扱えるEconomicsより、アプローチがはっきりしてない、Managementのほうが、難しいのですが・・・先生も学生もレベルはバラバラですね。

海外のBusiness SchoolはMBA (Master of Business Administration) 強いて訳せば「経営管理」です。商科系でやっているのはこちらに近い。

なので、「経営学科」を出ても「ビジネス」の知識はつきません。また戦略コンサルティングへの近道などでは、なおさら無いわけです。もちろん、一部で、マーケティングのゼミで高度なことをやっているところもありますが、大枠はそういうことです。

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経営はアート・・・

2006-02-27 | Weblog
「経営はアートである」というのは、良く「経営者」が雑誌(ダイヤモンド、日経ビジネス等)なんかで言ってます。
これを読んで、「やはり難しいのだ。才能でないとできないのか?」とか「説明困難?」などと思って「思考停止」してるひとは結構多いのでは
現在、「アート」で生計を立てようと思って、独学でやるひとがどれだけいるでしょうか?音楽だったら音大へ、絵画・彫刻等であれば、タマビやムサビに行くでしょう。またダリやピカソ、バスキアだって、古典絵画を模写させれば完璧です。ロッポンジンの村上隆だって博士です。基礎を覚えて、その後は才能しだいですが、(基礎+才能しだいのパターンが当てはまらない職種は逆に珍しいのでは。)基礎をやらずに成功するには運が大きなファクターになってしまいます。
経営や、戦略策定も同じです。
これまで研究され公開された「基礎技法」を習得することによって、早く、高い確率で成功することができます。
ここ数年、大企業での幹部(30台から40台中心)育成にアクションラーニング手法を用いて携わってきましたが、その場では、時間の関係でカバー出来ない「基礎の基礎」あたりからカバーしていきたいと思います
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