あべ・ぼすとん

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【競馬 目眩く一瞬を求めて】阪神競馬10R 第44回 阪神3歳牝馬S<1992年12月6日(日曜日)大安吉日>

2023-11-25 17:55:00 | 競馬

 実についている、と言えばそうだろう。しかし、そのツキが起きなかったとしても、この馬券は買っていたのだ。残念かつ欲深な言い方だが、このツキをさらに上乗せできたのに、と若干悔やまれた。しかしそれは、欲深過ぎる。ともかく、この幸運に感謝したい。

 12月6日、例の如く新宿場外へ向かう。8レースが荒れる予感。しかし、惨敗。荒れると考え、資金をつぎ込んだ時の敗北はショックが大きく、次のレース以降、消極的になりがちである。
 しかしこの日はついていた。それは9レースに起きた。9レースも荒れると踏んで、有り金投入の勝負と考えたのだが、その前に、10レースで狙っている馬ボスオブザキッズから単複馬券と総流しの馬連を買い、阪神競馬10R 阪神3歳牝馬Sはスエヒロジョウオーからの馬連総流しを考えたが、マルカアイリスとマイネピクシーの馬連3点買い。つまり(13)スエヒロ、⑪マルカ、②マイネの組合わせ、② ⑪ 、②(13)、(11)(13)の馬券3点をオッズも見ずに3000円ずつ買っておくことにし、残りの有り金を9レースに注ぎ込んだのだった
 9レースは⑦マイネバレンタイン、⑧ゴールドリュートの2頭からそれぞれ馬連総流し。パドックで つる首 で周回して馬体も僕好みであったメジャーウイナー②から枠連で7️⃣と8️⃣に3000円購入し確勝を期したが、結果は1️⃣8️⃣(①⑨)と入線し、あきらめる。
 しかし、ここでツキ運が僕に向かって来た。2着入線の①が進路妨害で失格2️⃣8️⃣3560円となったのである。
 あきらめた時、思いもかけない勝運が。心では喝采を叫ぶが、その日たまたま場外で口をきいていた人が1️⃣8️⃣を持っていたので、的中したことは口にできずにいた。
 負けたつもりが、10万余りの配当。ここでいつもならスエヒロジョウオーからの馬連総流しと単複馬券を追加するのが僕の常なのだが、この日は中山10R のボスオブザキッズに目移りしてこちらに馬券を厚くついかしたのだった。この点が残念と言えば残念と言える。
 しかし、スエヒロジョウオーから他の15頭の中から選んだ2頭のうち、超人気薄マイネピクシーの方が、ゴール前 村本騎手の追い出しに応え、2着に鋭く突っ込んで来たのである。
 思わず「やったあ!」と叫んでしまった。いつもより遠慮がちではあったが、である。それは黒のハンチング帽のオジさんと、階段に座り込んでいるおばあさんと2、3レース親し気に話をしていたためであった。
 黒のハンチング帽のオジさんが「当たったの?」「5、6万はつくよ、上手いもんだねえ」と言う。おばあちゃんは「とった?」と聞く。頷く。
 しかし僕が大穴を的中させたときは、必ずと言って良いほど [審議] になる。このレースも審議である。しかし、上位入線馬は審議対象ではなく、意外と早く確定になる。
 配当が待ち遠しい。出た。一瞬5万円台かと思う。それは枠連の五千円台の見間違えであった。その下に表示されている馬連の配当は12万740円である。オッズも見ず、新聞や競馬雑誌の「マイネの馬が穴をあける」という情報と前走で万馬券を獲らせてもらったスエヒロジョウオーの組み合わせがこんな超ビッグな万馬券の的中につながった。危険な3点絞りであったがラッキーであった。

 黒のハンチング帽のオジさんとおばあちゃんに「どうも」と言いながら、僕は4階の払い戻し窓口へ。
 そこには数人の若者たちが、興奮さめやらぬといった表情でたむろしていた。12万馬券がとびだしたことで感情が昂っているのかもしれない。
 僕が窓口に向かうと、一瞬、何か用事でもあるの? と言いたげな表情で僕を見る。「ちょっと退いて、、」と言う僕の声に、「えっ!とったの」と驚きの声を上げて「いくらとったの?1000円?」などと声をかけてくる。
 僕はニヤつきながら「とったよ」と言って窓口に的中馬券を差し出す。すると、彼らのひとりが「ウへーッ 3000円とってるよ! 360万じゃん。
車買えるよ」「どうしてこんな馬券買ったの?」矢継ぎ早に声をかけてくる。僕は「ついているだけだよ」と言って「頑張れよ!」と彼の肩を叩く。
 周囲の好奇とも思える目を意識しながら、東京の11レース、12レースの馬券を買って新宿場外を後に。



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