ご結婚前に華子様が着ていらした白地な垂れ桜の訪問着は現在は
三笠宮彬子女王殿下に受け継がれています
ご結婚前に裏千家からお茶のお稽古をしている時に着られている濃鶸色の鈴の模様の訪問着。
現在は彬子女王殿下が受け継がれいらっしゃいます。
平成の園遊会でお召しの訪問着
現在は彬子女王殿下に受け継がれています
こちらの訪問着も
『三笠宮崇仁親王』 ~百合子妃殿下御談話~
彬子様
ねえ、本当に。確か、お食器を空襲があるから埋めようとなさったんでございましたよね?
妃殿下
そう。それで、とにかく段々ひどくなってきたから、「焼けて当然」ってものに執着がなくなって来ているから、そのまま放っていたんですよね。だけど、ご成婚の時に作った洋食器一式は、勿体ないと誰かが言い出して、それじゃ埋めようって言って、大きな穴を掘って明日入れようっていうときに、空襲があって全部焼けちゃったの。それで、焼けるとああいうお皿は、色が無くなってしまってね、始めの・・・・一皿(飾り皿のこと)っていうんですか?それなんかは、綺麗な模様だったんですけど、全部違う色に。でも、焼け残って形をなしているのが、二、三枚あったんで、私たち、その酷いので食べました。ほかに何もないから、お皿とか何とかも。
彬子様
そう考えますと、お着物が残ったというのは、奇跡でございますね。
妃殿下
残ったというよりは、疎開させていたのよね。私がお嫁入りの時に持ってきた着物なんて、全然新しいまま箪笥に入ってたんで、これを全部焼いたら気の毒だと思ったんでしょう。私が全然知らない所で、帯とか着物とかそうゆうものは残りましたね。それで、戦後だいぶ経ってから、疎開したものを返そうっていうんで、そこで初めて私は、疎開してくれたんだってことが分かったくらいで。その頃は職員が本当に先へ先へと考えてくれて。
彬子様
ちゃんと先が見える職員がいらっしゃてくださったからこそ、でございますね。
妃殿下
ええ、そうですよね。