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シロガネの草子

新嘗祭でのお慎みの小袿と袿袴

2019年の記事でしたが最近、新嘗祭の時での皇后陛下の“お慎み”が話題になっておりましたので、少し手直しをしまして、新たにアップします。

上皇后様の御装束姿の
こちらの御写真を御覧下さい。


平成30年4月30日(火曜日)にフジテレビで放送された『平成の''大晦日''令和につなぐテレビ、知られざる皇室10物語』が放送されました。

上皇后様が東宮妃の時にお側に仕えた、''美智子様をいじめ抜いた悪名高い''牧野純子女官長が大切にしていたアルバムの写真の一枚です。
 
番組内で他の写真と共に紹介された一枚ですが、他の写真なんかを見ると本当にいじめを受けたのだろうかと疑問に思うほど牧野女官長や他の女官さん達と和やかに写っているものばかりでした。

番組を御覧になられた方々もシロガネと同じ思いをされた人もいるかと思います。

それはさておき、大変、貴重な写真ばかりでしたのでこの写真、世の中かに出てこないでしょうか。シロガネはもっと見たいです。

話はえらく、それてしまいましたが上の写真は、番組内でも説明しておりましたが、新嘗祭のおりに小袿を着られた若き上皇后様と牧野女官長始めとする東宮女官さん達です。

上皇后様の袴だけ濃いのはこれは多分、濃色の袴を履かれている為だと思います。他の女官さん達は緋の袴を履いているのようです。それで白黒で色の濃度差が出ているのだと思います。

シロガネの考えだと、御成婚の年に撮影された写真ならば、上皇后様は、天皇陛下を身籠られていらっしゃる時のはずです。

天皇陛下は、御成婚の翌年に御誕生になられましたから。写真を良く見ますと心なしか上皇后様の御腹がふっくらされている様に見えます。

濃色の袴は未婚女性が身に付けるものですが、宮中では、第一子誕生まで、もしくは、28歳位までは濃色の袴をはいてもいいらしいです。

シロガネの記憶ではいつだったか『皇室日記』でそんな風に放送していました。(余り当てにはなりませんが)


 
こちらの白地の袿は、京都の尼門跡である、大聖寺所蔵されている昭憲皇大后が、明治時代の新嘗祭のおりに御召しになられたものです。
白地の三重襷文に、向鸚鵡の丸文と小葵菱文様の緞子
・淡紅の平絹
・紅の平絹


 
こちらは、泉涌寺に所蔵されている孝明天皇妃の英照皇大后が新嘗祭の時に御召しの袿です。

・白地に唐花菱文と向鸚鵡丸文様の紗綾
・中陪、裏地とも白の平絹

中陪と裏地共に白を使用するのは隠居されてから、つまり未亡人になられてからとの事です。 
                                

その昔、昭和天皇の母君、貞明皇后は三笠宮殿下に新嘗祭の夜についてこう、語っていらしたといいます。


 
平成25年(2013)に三の丸尚蔵館で開催された・・・・ 
『三笠宮家ゆかりの染織美、貞明皇后、いつくしみの御心』展で貞明皇后から贈られたお着物などをご覧になられる在りし日の三笠宮殿下。



貞明皇后
 「しんじょう(新嘗祭の事で宮中では、こういう言い方をするとの事です)の夜は、清らかなこうごうしいものでした・・・・御所のお火はすべて切り火であらたにされました・・・・女官たちはみな白いうちきを着ていました・・・・」

(天皇親祭の間、皇后や女官たちは御所でひかえている。)


現在も大聖寺に所蔵されている昭憲皇大后の白い小袿ですが、大切にされているのでしょう。100年以上たつとは思えないほど美しいです。


袖の所は仕立て直されたのか短くなっている意外は何も変わりません。

現在の御所でも新嘗祭の夜はこの様な美しい小袿を皇后陛下始め上皇后陛下、皇嗣妃殿下方は御召しになられていると思います。


新嘗祭の時に袿袴を御召しなられた香淳皇后。御髪は“とき下げ”です。

袿袴装束の場合、髪型は「垂髻(ときさげ)」になります。大垂髪(おすべらかし)や、... - 綺陽装束研究所 早稲田「待賢殿」

袿袴装束の場合、髪型は「垂髻(ときさげ)」になります。大垂髪(おすべらかし)や、... - 綺陽装束研究所 早稲田「待賢殿」

袿袴装束の場合、髪型は「垂髻(ときさげ)&...


新嘗祭の時には、白の小袿や袿袴を召されて、御所で静かに“お慎み”になられました。


新嘗祭の折に、陛下のお側で奉仕をする女官を“采女(うねめ)と言います。その時の装束姿。



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コメント一覧

牡丹
こんにちは
美しい御装束の写真をありがとうございます。
一概に白の装束といっても地紋のあれこれ、襲の色合いなど細かなところが面白いです。
また、袴の濃色をすぐにイメージできず確認してしまいました。即位の礼で未婚の内親王方がお召しの袴の色でした。
確か皇室では第一子出産までは未婚の方と同じく振り袖をお召しになるとか。元々は装束がそのような慣例なのでしょうね。
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