”事件”に関して思うこと

年末の３連休も終わり、クリスマスも終わり、今年も残すところあと１週間。
「どうぞ良いお年を…」のご挨拶が、あちらこちらで聞かれる１週間となりそうだ。
それと同時に、「今年はどんな１年だったか」って、今年１年のことを振り返ってみる１週間になるんだろうな。

私は、最近、自宅に居る時は、テレビをほとんどつけていない。
見る時間が無いからじゃなく、テレビが壊れてしまった訳でもなく、つけたくない気持ちになったから。
家で見る番組は、ほとんどがニュース番組。
そのニュースで、連日のように報道される、殺人や事件や不正や”偽装”。
見ていると、イヤな気持ちになるものが多過ぎた。
「もう、それらのことを見たくない」と思った。
インターネットが有れば、見たいニュースなどはピックアップして見ることができる。
だけど、テレビは「見たくない知りたくない」と思っても、見せられてしまう。
だから、テレビをつけなくなった。

最近起きた事件で驚愕としたのは、フィットネスクラブでの猟銃を乱射しての殺人事件。
「何ということが起きるのか…」と、愕然とし身震いした。

テレビや新聞で報道されるのは、それらが”事件”だから。
平々凡々としたことや、善行のことは”事件”にはならないため、報道されない。
だから、まれな”事件”のこと知って、何になるか？とさえ思ってしまう。
次から次に起きる”事件”のことを、いちいち気にとめていては、”人間不信”に陥りそうだし、世の中の全ての人を批判的な目で見てしまいかねない。
起きた”事件”によって、あたかも世の中全体がそういう悪い方向に流れているような錯覚も起こす。

世の中には、”事件”を起こさず、人間としては当たり前の良心に従って、真面目に堅実に生きている人が、山のようにいる。
私の周りには、そういう人たちが大勢いる。
そういう人たちばかりだ。
猟銃乱射事件の時も、殺されてしまった方のご親族やご友人の方々は、あまりのショックと悲しみに、泣き崩れていた人が大勢いらした。
世の中の大多数の人たちは、こういうショックや悲しみに遭えば、泣き崩れる側の人。
だから”事件”なんて起こさない人が大多数。

増えたかもしれないけれど、それでも確率にすれば、本当にまれに起きている”事件”。
”事件”を知って、その”事件”に意識が向いて、”事件”に傾倒してしまったが故に、”事件”を起こすという悪い連鎖が起きてしまうことも有る。
だけど、そういう”連鎖反応”を起こす人も、またまれな人。
大多数の人は、罪を憎んでいる。

…色んな”事件”が起きている、イヤな世の中の渦には巻き込まれてしまわずに、人のあたたかさや優しさ、人の素晴らしさは、素直に感じ取れる人間でいたいもの。
また、自分自身も、平々凡々と目立たないながらも、人間としての当たり前の良心に従って、先ずは自分自身を大切にして、生きていたいもの。
自分を大切にできる人は、他人が自分を大切に思う気持ちも分かるはず。。。

…ただし、やはり世の中には、詐欺師もいるだろうし、卑劣な考えで他人を陥れようとする人もいるだろうし、あまり良くない方向に誘う人もいるだろうし、他人を自分の思うがままに振り回す人もいるだろうし、他人を利用してやろうと思う卑しい気持ちだけで近づいて来る人もいるだろうし、甘い汁を与えてもらうことのみを要求して来る人もいるだろう。
そういう人たちとも大切に付き合って行かなければいけないかと言うと、そうではなくて、”ＮＯ”を言える勇気も必要だと思う。
関わらない意志も必要。
人と人の間で生きて行くには、付き合う相手を選ぶことも大切。

猟銃事件の犠牲となってしまわれた男性の方も、もしかすると、「おかしい」と思った時点で付き合いを辞めていれば、こういう”事件”にも巻き込まれなかったかもしれないと思うと、非常に残念でおいたわしい気がする。

色んなイヤな”事件”が、次から次に報道されていた１年だったように思うが、世の中、そんなに悪いことばかりが起きている訳じゃないと思う。
身近にいる人たちの、明るい笑顔、真面目にコツコツ頑張る姿、親や子供を大切に思う気持ち、そんなことはニュースにはならないけれど、報道されるニュースが暗いほど、そういうものの方にこそ目を向けていたいと思った。

今年の世相を表す漢字一文字は”偽”だった。
来年は、もっと優しくてあたたかい一文字の１年になると良いな。。。