希望のチューリップ

昨夜、テレビを見ていたら、津波で家を流されてしまった初老の男性が、土台だけ残った家の前で、じっとたたずんでおられる様子が放送されいた。

この男性、今回の震災で、お姉さんと妹さんをお亡くしになったらしい…。

リポーターが、ゆっくりと話かけてみると…。

「この家の軒先に、チューリップの球根をたくさん吊していたはずなんだ。
家は流されてしまったけど、春になったら、この辺り一面のあちらこちらに（津波で何もかも流されて、更地のようになってしまった場所に）、チューリップが、たくさん咲くと楽しいだろうなって思っている。」とおっしゃっていた。

この男性の、悲しみを乗り越えての“希望”に、胸が一杯になった。

チューリップが咲いたら、その男性の目には、お姉さんと妹さんが、明るくニコニコと笑って、手を振っているように見えるんだろうな…きっと…。

お姉さんと妹さんが、チューリップになったみたいに見えるんだろうな…。

そしたら、また、お姉さんと妹さんに会えたような気持ちになれるんだろうな…。

…咲くといいですね…チューリップ。

…たくさん、咲くといいですね…。